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花粉症による鼻トラブルに使われる「血管収縮薬」とは?

2023年3月8日

血管収縮薬の働きかたの仕組みとは?

花粉症で起こる不快な鼻の症状は、異物である花粉の侵入に対して、体が抵抗して排除しようとするときに起こる反応です。鼻の粘膜にアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が付くと、アレルゲンをつかまえる役割をする抗体とヒスタミンという物質が活性化され、肥満細胞から飛び出します。活性化したヒスタミンが鼻の粘膜にある神経を刺激することで、くしゃみや鼻水が出たり、毛細血管を広げて充血させることで鼻づまりが起こったりするのです。

血管収縮薬は、血管を収縮させることでこのような充血を解消し、鼻づまりの緩和を促します。

花粉症の治療で使う血管収縮薬について

花粉症の治療で使われる血管収縮薬には、血管収縮薬だけが配合されているものと、ステロイドが配合されているものがあります。

血管収縮薬だけが配合されているもの

血管収縮薬だけが配合されている薬として、以下のようなものがあります。

  • トラマゾリン塩酸塩(トラマゾリン点鼻薬 など)
  • ナファゾリン硝酸塩(商品名:プリビナ®︎液 など)
  • オキシメタゾリン塩酸塩(商品名:ナシビン®︎点鼻薬 など)

いずれの薬も速効性が期待できますが、効果は一時的です。ドラッグストアなどで販売している点鼻薬にも、血管収縮薬の成分が配合されていることがあります。

ステロイドが配合されているもの

ステロイド(副腎皮質ホルモン)が配合された薬として、塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン配合のコールタイジン®︎点鼻薬があります。血管収縮薬(塩酸テトラヒドロゾリン)とステロイド(プレドニゾロン)が配合されている薬です。鼻の充血や腫れを解消する薬ですが、こちらの薬も効果は一時的なものです。6歳以上の子どもから成人に使いますが、年齢や症状に応じて、使用方法や使用量が調整されます。第2類医薬品にあたるため、ドラッグストアや薬局でも購入できます。

血管収縮薬で起こりうる副作用は?

血管収縮薬を使うとすぐに効果が得られるため、症状がひどいときは繰り返し使いたくなると思います。しかし、血管収縮薬を長期に使い続けていると、効き目が悪くなったり、かえって粘膜の腫れが続いてしまうことがあります。また、乾燥やかゆみのほか、大量に使うと動悸や頭痛といった症状が出る可能性もあります。

また、薬が原因となる鼻炎(薬剤性鼻炎)を発症することもあります。もし、薬剤性鼻炎を発症したら、それまで使っていた血管収縮薬の使用を早急に中止し、原因となっている疾患の治療を行うことが大切です。また、一時的に症状が悪化する可能性もあるため、医師の指導のもと、段階的に中止するという方法がとられることもあります。基本的に、医師の処方のもとで抗アレルギー剤とステロイド点鼻薬を併用した治療を行いますが、重症の場合は手術が選択されることもあります。

おわりに:症状がつらいからと、血管収縮薬を使い過ぎないよう気をつけましょう

血管収縮薬は充血を解消することで不快な症状を軽減する薬です。即効性がある半面、頻繁に使いすぎるとかえって症状が悪化することもあります。症状が悪化すると、薬剤性鼻炎を発症するリスクもあります。薬を使っても症状が緩和しないようでしたら、さらに症状がひどくなる前に病院で診てもらいましょう。

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