子育て大学

2016/10/20 不足しがちな栄養素を補うコツとおすすめレシピセミナー

2016年10月20日

開催日時:2016年10月20日(木)

開催場所:葛西教室

子どもは様々な理由から栄養素が不足しがちです。バランスよく食べさせてあげたいけど、どうやって献立を作ればいいのかと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今日はクオール薬局の管理栄養士により開催された講座の内容から、献立作りの基本と不足しがちな栄養素を補うコツとおすすめのレシピをご紹介していきます。

献立作りの基本は1汁2菜!

和食は栄養素バランスを整えやすい食事です。献立を作るときには、以下のように和食の「1汁2菜」スタイルを基本にすると、栄養バランスの良い食事が作りやすくなります。

主食
炭水化物:エネルギーのもとになります。ご飯、パン、麺類 など
主菜
たんぱく質・脂質:体をつくります。メインのおかずとして肉、魚、卵、大豆製品 など
副菜
ビタミン・ミネラル:体の調子を整えます。野菜を中心にサラダ、おひたし和え物 など
もう1品
不足しがちな食品や栄養素:汁物やくだもの など

毎日の食事で細かな栄養を計算したり、たくさんのおかずを揃えたりするのは大変です。まずは1汁2菜の基本をおさえておきましょう。

献立を決めるときの順番

早く献立を決めないとご飯の時間が遅くなって子どもがぐずってしまわないか心配になることもあるのではないでしょうか。
効率よくバランスがいい献立を立てるには、以下のような順番で決めていくことをおすすめします。

① 主食を決める

ご飯やパン、パスタ、うどんなど、主食から先にきめていきましょう。
時には混ぜご飯やカレーなどのように主菜の栄養素も補えるメニューにして、変化をつけてもよいでしょう。

② 主菜を決める

肉や魚、卵など使う食材と、調理方法を決めていきます。
カレーなど主食と一緒にたんぱく質もしっかりととれるメニューの場合は、もう1皿主菜を作る必要はありません。

③ 副菜を決める

野菜中心のにします。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な、緑黄食野菜や海藻類、きのこ類などをメインに選ぶことをおすすめします。

④ もう1品を決まめる

今日主食、主菜、副菜で使っていない食材を補いましょう。とくに、野菜や海藻、きのこ類や豆類は不足しがちです。果物や汁物など、他のメニューとのバランスを見ながら決めてください。

不足しがちな栄養素 ①:鉄分

鉄分は赤血球のヘモグロビンの材料になり、全身に酸素を運ぶために役立つ大切な栄養素です。
乳幼児は生まれたときに体内に貯蔵されていた鉄分が7〜8か月頃から少しずつ減り始め、9か月頃から鉄分が不足しやすくなります。
重度の鉄欠乏性貧血が3か月以上続くと精神運動発達遅滞となる可能性もあり、積極的な鉄分の摂取はとても大切です。普段から貧血を予防するように心がましょう。

鉄分は動物性のたんぱく質からとると吸収率がよくおすすめです。赤身のお肉や卵黄を与えるようにしてください。モロヘイヤやホウレンソウなどは、吸収を助けるビタミンCやたんぱく質と一緒に食べさせるようにしましょう。

そして、レバーは鉄分が豊富なお肉です。レバーを使ったレシピを紹介するので、積極的に献立に取り入れてみてください。

鉄分レシピ:手作りレバーペースト

材料(約10回分)

  • とりレバー 100g
  • 玉ねぎ 1/2個
  • にんじん 1/2本
  • セロリ 1本(ピーマンでもOK)

栄養素

  • たんぱく質
  • ミネラル、ビタミン
  • 鉄分

不足しがちな栄養素 ②:カルシウム

カルシウムは骨や歯の材料になる大切な栄養素です。
身体への吸収率が良いのは乳製品です。1日に1~2回は牛乳を飲み、
手軽に食べられるヨーグルトやベビーチーズなどをおやつに食べるなど、乳製品をとる習慣をつけておくと良いでしょう。

乳製品以外では、小魚や切り干し大根、小松菜、カブの葉などもカルシウムが豊富です。
ビタミンDが豊富なキノコやビタミンKが豊富なホウレンソウ、どちらも豊富に含んでいる納豆などとあわせて食べると、身体でカルシウムを効率よく使うことができます。

カルシウムレシピ:切り干し大根入り卵焼き

材料(2人分)

  • 卵 2個(約110g)
  • 切り干し大根 20g
  • 干ししいたけ 2つ(約6g)
  • 万能ねぎ 3本(10g)
  • 顆粒だし 1g
  • 塩、こしょう 少々
  • しょうゆ 3g
  • ケチャップ 15g
  • ごま油 小さじ1(4g)

栄養素

  • カルシウム
  • たんぱく質
  • 食物繊維

カルシウムレシピ:カルシウムたっぷりパンケーキ

材料(2人分)

  • ホットケーキの素 200g
  • 牛乳(低脂肪) 150cc
  • 卵 1個
  • ヨーグルト(無糖) 30g
  • 油 大さじ1
  • お好みで砂糖(無しでも可)

栄養素

  • カルシウム
  • たんぱく質
  • 食物繊維

不足しがちな栄養素 ③:ビタミン(野菜)

炭水化物、たんぱく質、脂質は三大栄養素と呼ばれ、エネルギー源や体の成長に不可欠です。
これらの栄養素を体で使いやすいように助けてくれる働きを持っているのがビタミンです。
ビタミンが不足すると栄養がうまく使えなくなり、風邪をひきやすくなるなど様々な欠乏症状が起こります。

ビタミンは野菜や海藻類に多く含まれ、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。性質によって料理方法を変えてあげると効率よく摂取できますよ。

ビタミンレシピ:1日分の野菜がとれるリゾット

材料(2人分)

  • キャベツ 100g
  • にんじん 50g
  • 玉ねぎ 1個(約200g)
  • エリンギ 2本(約100g)
  • にんにく 1かけ(約5g)
  • トマトジュース(無塩) 500ml
  • ご飯 260g
  • 鶏むね肉(皮なし) 150g
  • 白ワイン 大さじ1
    ※10ヶ月頃から使用可。使うときは良く沸かすこと。
  • コンソメ 小さじ2(6g)
  • 塩 0.3g
  • こしょう 少々
  • オリーブオイル 小さじ1

栄養素

  • ビタミン
  • たんぱく質
  • 食物繊維
  • カリウム

不足しがちな栄養素 ④:たんぱく質

たんぱく質は子どもの筋肉や内臓、骨の成長やホルモンの材料になる三大栄養素のうちのひとつです。
極端にとりすぎてしまうと腎臓に負担をかけてしまいますが、不足すると疲れやすくなったり免疫力が落ちたりしますので、毎食必ず食べさせてあげましょう。

肉や魚、卵、大豆製品に豊富に含まれていますので、それぞれをバランスよく食べることが大切です。

また、ビタミンB6とやビタミンB2と一緒にとると体の発育促進やエネルギーとしてたんぱく質が効率よく使われます。
ビタミンB6はカツオやマグロに多く、ビタミンB2は卵に多く含まれています。

たんぱく質レシピ:鮭の炊き込みご飯

材料(2合分)

  • 米 2合
  • 鮭の水煮(缶詰) 1缶(80g)
  • 小松菜 1/4束
  • 顆粒だし 小さじ1
  • しょうゆ 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 塩 小さじ1/2

栄養素

  • たんぱく質
  • カルシウム

汁物を足したいときにおすすめのレシピ

もう1品に汁物をプラスしたいとき、バタバタとしていると少し手間になってしまいますよね。
熱湯と材料を用意するだけで、インスタントではない、手作りの即席みそ汁を作ることができますので、レシピをご紹介します。

汁物レシピ:即席みそ汁

材料(1人分)
※大人用の分量。子ども用には2/3~1/2量が目安。

  • マイタケ 1/4パック
    ※子ども用には、きざんで冷凍しておくと便利。
  • かつお節 小パック1/2
  • みそ 大さじ1/2
  • おろししょうが 小さじ1
  • 熱湯 150cc
  • とろろ昆布 ひとつかみ大
  • 万能ねぎ お好みで

栄養素

  • たんぱく質
  • 食物繊維

まとめ

  • 和食の献立作りの基本は「1汁2菜」
  • 主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質・脂質)、副菜(ビタミン・ミネラル)、もう1品(不足栄養素)の順でメニューを考えていく
  • 不足しがちな栄養素は、鉄分・カルシウム・ビタミン・たんぱく質
    • 鉄分…レバー、赤身の肉、卵、赤魚、モロヘイヤ、ホウレンソウ
    • カルシウム…乳製品(牛乳・チーズなど)、小魚、切り干し大根、小松菜、カブの葉
    • ビタミン…野菜、海藻類、きのこ、レバー、果物
  • 簡単な汁物のレシピをいくつか知っておくと忙しいときも便利

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