妊娠
妊娠中の運動はいつから始めていいの?おすすめの運動や注意点は?
2020年9月23日
妊娠中はいつから運動できるの?流産の危険性はある?
日本では妊娠中のスポーツが推奨されており、妊娠初期から臨月までの妊婦に運動が推奨されています。ただし、運動してよい妊婦と運動してはいけない妊婦がいるので、それらを区別する必要があります。
以下に該当する場合、運動をしてはいけません。
絶対に運動してはいけない妊婦
- 活動性心筋疾患や先天性心疾患、リウマチ性心疾患がある
- 血栓性静脈炎ができている
- 最近、肺塞栓を指摘された
- 急性感染症を患った
- 早産の徴候がある
- 子宮頸管無力症
- 多胎妊娠
- 子宮出血や破水がみられる
- 子宮内発育遅延もしくは巨大児の可能性がある
- 重症同種免疫がある
- 重症高血圧がみられる
- 妊娠検診を受けていない
- 胎児仮死の疑いがある
運動を控えるべきと懸念される妊婦
- 本態性高血圧や糖尿病、甲状腺疾患が
- 貧血もしくは他の血液異常を指摘されている
- 妊娠後半期の骨盤位
- 過度の肥満又は過度の体重不足
- 非活動的生活の既往
上記に該当しなかったとしても、医師の判断で運動を制限することがあります。また、産婦人科学会では運動を始めるのに好ましい時期を妊娠15~16週としています。したがって、もし妊娠初期に運動を始めたいときは、必ず医師に相談しましょう。
臨月に運動しても本当に大丈夫?
妊娠中の運動にはさまざまな効果があります。特に臨月の場合、運動をすることによって骨盤底筋をリラックスさせたり、呼吸法を体得することができ、その結果、分娩時間の短縮につながって安産となることが期待されています。そのため、臨月に入るとむしろ積極的に運動を促す医師も多くなるといいます。
おすすめの運動は?
妊娠中に推奨されている運動として、ウォーキング、エアロビクス、水泳、エアロバイクなど、全身の筋肉を使って酸素を十分に体に取り入れられるものが挙げられます。運動の時間は1回につき60分以内、週2~3回ほどの頻度が良いとされています。また、子宮収縮の起こりにくい時間とされる午前10時~午後2時の時間で行うのが理想的です。
妊娠中に運動するときの注意点
避けたほうがいい運動がある
妊娠中は、おなかが大きくなるのでバランスが取りにくくなります。そのため、動きが激しく、転倒するリスクが高い運動である激しい動きをする運動(ダンス、エクササイズ、サッカー、バスケットボール、器械体操、スキー、アイススケート、ラケット競技、乗馬、サイクリングなど)は避けてください。
また、スキューバダイビングは赤ちゃんに対しても減圧症のリスクが伴うといわれています。行う場合は、必ず医師の許可をもらってください。
体調の変化に気を配る
妊娠中は体重が増える上に、関節と靭帯(じんたい)は緩むので、体の動きや感じ方が変わります。このため、体調によって同じ運動でも感じる辛さが変わる可能性があります。辛い状態や動きにくいと感じる状態で運動すると、転倒するリスクが高まります。体調と相談しながら無理のない運動をするようにしましょう。
また、ずっとあおむけに寝ている状態や立っている状態を続ける運動は、母体の血流を制限する可能性があるといわれています。運動中に少しでも不調を感じたら運動を中止し、医師に相談しましょう。
自分のペースで取り組む
初めて挑戦する運動はゆっくりとしたペースから始めてください。10分の散歩を1日3回することは、ランニングマシンで30分走るのと同じくらい効果があるといわれています。また、15分程度の掃除も運動になります。1日30分の運動から始めて、頑張り過ぎないようににしましょう。
また、妊娠中は以前よりも疲れやすく、ケガをしやすい状態です。さらに過度の運動は、脱水や酸素欠乏症につながることもあります。妊娠前に運動していた人も、妊娠中は運動レベルを上げないように心がけましょう。
水分補給を忘れずに
脱水を防ぐために、運動前にコップ1杯の水分を摂ってから始めましょう。また、運動が終わったときにも水分補給を忘れないようにしてください。
お腹の空き具合や気温に気を配る
エネルギーを維持するために、運動前に軽食をとるのが理想的です。また、暑いときは屋外の運動を控えましょう。衣類にも気を配り、通気性がよく締めつけがないウェアを選ぶようにしましょう。
おわりに:妊娠中の運動は無理のないペースから始めよう!
適度な運動をすることが妊娠中でも必要となります。つわりがひどいときでも、外に散歩に出かけることで気分がよくなることもあります。妊娠中の運動は体重管理にも役立ちますし、臨月の適度な運動はスムーズな出産を促すともいわれています。ただし、無理な運動や激しい運動は禁物です。医師と相談しながら、自分の状態にあった運動を取り入れるようにしましょう。