妊娠
妊娠初期にセックスをしたときのリスクは?メリットもあるって本当?
2020年8月31日
妊娠初期にセックスしても大丈夫?
基本的に、医師から特別な忠告を受けない限り、妊娠中にセックスしても問題ないといわれています。ペニスが赤ちゃんに届くことはありませんし、オーガズムに達したとしても赤ちゃんに危険が及ぶことはめったにないからです。
もし、リスクを伴う妊娠や早産などの理由でオーガズムが禁止されていなければ、マスタベーションすることもできます。むしろ、マスターベーションをしたほうが妊婦にとってストレス発散になると考えられています。
ペニスを挿入できない場合のセックスは?
オーガズムに達することは禁止されていないものの、ペニスの挿入は禁止されている場合、オーラルセックスやバイブレーターを使ってセックスしても構いません。ただし、腟の中に入れるものを清潔にする必要があります。消毒する方法として、煮沸消毒や抗菌石けんを使う方法が考えられますが、プラスティックや、ゴム、ナイロン、革など、お持ちの玩具によって使用上の注意点や使用後のケアが異なりますので、詳しくは取り扱い説明書をご確認ください。
なお、赤ちゃんは子宮頸管で守られているので、玩具を挿入しても胎盤を貫通することはありません。ただし、腟の奥深くまで挿入したり、先が尖ったものを使ったりすることは、痛みを引き起こす可能性があるので控えましょう。
妊娠中のセックスで考えられるリスクは?
医師から許可をもらっていて、性器や玩具を清潔にしていれば、基本的に妊娠中のセックスは安全です。ただし、以下のようなリスクが起こる可能性があります。
〈1〉出血
妊娠中は子宮頸部が傷つきやすく血管が充血しているため、セックスで出血することがあります。出血してしまった場合は病院を受診し、医師から許可が出るまでセックスは控えてください。
〈2〉尿路感染症
セックスによって生殖器近くのバクテリアが尿道に押し込まれ、尿路感染症を発症するケースもあります。尿路感染症を予防するには、セックスの前後に排尿することが大切です。
〈3〉性感染症(STD)
妊娠中に不衛生なセックスをしたり、性感染症の人とセックスしたりすると、クラミジア、性器ヘルペス、ヒトパピローマウイルス、淋病、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒、トリコモナス症などの性感染症に感染する可能性があります。性感染症を予防するためにも、妊娠中のセックスは必ずコンドームを使うようにしてください。
妊娠初期のセックスにメリットがあるの?
妊娠初期のセックスには、以下のようなメリットもあります。
- セックスによってパートナーとの親密度が高まる
- オーガズムによってエンドルフィンというホルモンが放出されて幸福感が増す
- セックス中の振動が、赤ちゃんによい睡眠をもたらす
- 血圧を低下させる
- 免疫力を高める(免疫グロブリンAという風邪や感染症を予防する抗体が強化される)効果がある
- オーガズムで出産のための骨盤床の準備ができ、産後の回復が早まる可能性もある
セックスの後に出血していたら?
妊娠中は腟や子宮頸部の血液量が増えて充血しているため、セックスの後に出血することもあります。出血は茶色~ピンク色の場合や、下着に少量の血が着く程度で一時的な場合がほとんどです。ただし、鮮血や血の塊が繰り返し出るような場合は流産を引き起こす可能性が高いです。早めに産婦人科で診てもらいましょう。
ちなみに、「出血=流産」と考えてしまいがちですが、正常な経過でも半数以上の妊婦さんが出血を経験しているといわれています。これは、妊娠が成立して子宮内に胎嚢(たいのう:子宮内膜に受精卵が着床すると作られる、胎児を包む袋のこと)が形成されると、その発育と同時に出血が起こりやすくなるためです。
おわりに:医師の許可があれば、妊娠初期のセックスも可能。ただし、清潔を保つことを忘れずに
- 医師から止められていない限り、妊娠初期にセックスしても問題ないが、出血や感染症のリスクがある
- 妊娠初期のセックスは妊婦さんに無理のない体勢で行い、激しい動きは避ける。また、ペニスや玩具を清潔に保つ
- 感染症を予防するために、パートナーには必ずコンドームを着用してもらう