妊娠
妊娠中の不眠は赤ちゃんに影響する?対処法はあるの?
2020年3月16日
妊娠中に眠れない原因とは
つわりで気持ち悪くて寝ていられなくなったり、ホルモンバランスの変化により寝つきが悪くなってしまったり、昼と夜のリズムが崩れてしまうなど、妊娠中に不眠になってしまう原因はたくさんあります。その他にも、おなかが大きくなってくると膀胱を圧迫してしまうことで頻尿になり夜中に目覚めてしまうということも珍しくなく、妊娠後期には赤ちゃんへの夜間の授乳に備えて、眠りが浅くなるという説もあります。
また、不眠の原因は自律神経や体だけでなく、心理的なものも含まれます。出産の痛みなどの心配事はストレスとなり、それによって不眠という症状が引き起こされてしまうこともあります。
妊婦の不眠の対処法
妊婦さんの不眠の対処法として、夜しっかり眠れない分、昼寝をするというのは有効な方法です。ただし、昼寝は15~30分程度にとどめておくことをおすすめします。それ以上昼寝をしてしまうと、夜の睡眠に影響を及ぼしてしまう可能性があるからです。昼間のうちに、散歩やマタニティヨガなどで身体を動かすようにして睡眠のリズムを整えるようにしましょう。
もしおなかが大きくて眠りにくいと感じる場合は、クッションや抱き枕を使って楽な姿勢で眠れるように工夫してみてはいかがでしょうか。ノンカフェインのハーブティーなどを飲んでリラックスするのも不眠対策におすすめです。また、スマートフォンやパソコンを寝る直前まで見ていると脳が興奮して眠りにくい状態なるといわれているので、就寝前には控えましょう。
ストレス解消にも!妊娠中におすすめの運動&エクササイズ
妊娠中は様々なストレスがたまりやすいものです。ストレス解消法には体を動かすことをおすすめします。日中しっかりと体を動かして体力を消耗しておけば、夜間の安眠につながるでしょう。ここでは、妊婦さんにおすすめの運動&エクササイズをご紹介します。
① ウォーキング
手軽に行える運動としておすすめなのがウォーキングです。ウォーキングは有酸素運動でダイエット効果があるだけでなく、適度な体力を必要としますから出産やその後の育児に備えることができます。また、景色を見ながらのウォーキングはよい気分転換にもなるでしょう。
しかし、無理か禁物です。お腹の張りや痛みを感じた時はすぐに休み、無理して続けることのないように注意して下さい。
② マタニティヨガ
最近、妊婦さんに人気があるのがマタニティヨガです。マタニティヨガの講座を開いている産院も多くあり、激しい動きがないものの体の柔軟性を高めて、筋肉のこりをほぐす効果が期待できます。
ただし、自己流のヨガは非常に危険ですから控えましょう。マタニティヨガのスタジオなどを利用して、プロの指導を仰いでください。
③ ストレッチ
ストレッチは自宅でスキマ時間に手軽に行えるエクササイズです。出産時には普段使わない腰回りの筋肉に大きな負担がかかりますから、日ごろから腰回りの筋肉をほぐして柔らかくしておきましょう。また、適度な筋肉の伸びは筋肉にたまった老廃物の排出を促してむくみの改善にもつながると考えられています。
④ スクワット
特に妊娠後期におすすめの運動です。お腹が大きくなると足元が見えづらくなりますから、背中を壁やドアにつけ、腰をしっかり沈めるように行うのがよいでしょう。スクワットをすることで骨盤回りの筋肉が鍛えられ、安産につながると考えられています。
不眠に悩んでいる妊婦さんはこれらの運動を無理のない範囲で取り入れてみましょう。しかし、切迫流産や早産の人は運動によって症状が悪化することがありますので、必ず医師と相談の上で行うようにして下さい。
お腹の赤ちゃんへ影響はある?
上記でも説明したように、妊娠中の不眠は比較的よくあることです。軽度であれば、それほど影響は少ないといわれているのであまり心配しないようにしましょう。眠れないことを気にしすぎるばかりに、かえってストレスになり、余計眠れなくなってしまうこともあります。
しかし、不眠がひどく体調まで悪くなってしまった場合は、注意が必要です。我慢せず早めに医師に相談することをおすすめします。妊婦健診の機会を利用してもいいかもしれません。気になることがあるなら些細なことでも相談し、ストレスをためないようにしましょう。
妊娠中の睡眠薬について
妊娠中に睡眠薬を飲むことが赤ちゃんに影響しないかと心配する人も多いと思います。赤ちゃんの体が作られる妊娠4~12週は避けた方がいいといわれていますが、不眠による健康被害が大きいと医師が判断した場合は処方されることがあります。
マイスリー®やハルシオン®を飲んでも大丈夫?
妊娠中によく処方されるのは、赤ちゃんへの影響が少ないとされるゾルピデム酒石酸塩(マイスリー®など)やトリアゾラム(ハルシオン®など)です。ただし、他にも薬を飲んでいる場合、飲み合わせなどの問題もあります。以前処方された睡眠薬が余っている場合でも、自己判断で飲むのではなく、必ず医師に相談してから飲むようにしましょう。
漢方薬でのケア
漢方薬は比較的安全生が高いとされているため、妊婦さんに使われることが多い薬です。漢方薬には不眠の原因によって異なる効き目のあるものが多数あります。例えば、ストレスや不安感が強くて眠れないときには、帰脾湯(きひとう)や逍遥散(しょうようさん)、眠りが浅い時には温胆湯(うんたんとう)などが処方されます。
漢方薬の大部分は赤ちゃんに害はないといわれていますが、自己判断で市販の漢方薬を飲むのは思わぬ副作用を生じることがありますから、必ずかかりつけ医から処方された漢方薬を飲むようにしましょう。
おわりに:妊娠中の不眠はよくあること。でも、あまりにひどいときは早めに医師に相談を
妊娠中に不眠になることは非常に多く、短期的で軽い不眠であれば大きな問題はないといわれています。しかし、不眠の影響で健康が損なわれている場合や、精神的に疲弊しているときは、我慢せず医師に相談しましょう。また、睡眠薬や漢方薬を自己判断で飲むのはリスクが伴います。必ず医師に確認してから飲むようにしてください。