出産
片頭痛の痛みが出てきたら、冷やす?それとも温める?
2022年8月3日
片頭痛とは
片頭痛とは、病気を原因としない慢性的な頭痛のことで、脈打つようにズキンズキンと発生し、動くと悪化する痛みが特徴です。
痛みの発生場所は、頭の片側の人が約6割、両側の人が約4割とされます。比較的、片頭痛に悩むのは男性よりも女性に多くみられます。これは片頭痛を引き起こすきっかけに、月経や出産など女性特有の状態が含まれていることが考えられます。片頭痛の原因ははっきりとは解明されていませんが、下記のきっかけが痛みを誘因するのではないかと考えられています。
片頭痛を引き起こすきっかけ
- 体の状態
- 月経、排卵、産後、更年期、寝不足、寝過ぎ、空腹
- 環境
- まぶしい光、強い匂い、人混み、騒音、天候の変化、温度の変化、湿度
- その他
- ストレスまたはストレスからの解放、アルコール摂取
上記のような何らかのきっかけによって脳の視床下部が刺激されて血管が拡張することで、片頭痛が引き起こされるといわれています。視床下部は女性ホルモンの分泌や自律神経、睡眠、食欲などを司っています。
痛みがみられたときの対処法は?
- 安静にして休む
- 片頭痛があらわれたらまず安静にしましょう。まぶしさや強いにおいが気にならない場所で休息をとってください。できれば短時間でもいいので睡眠をとるのがおすすめです。睡眠することで拡張した血管が元に戻り、片頭痛が和らぎます。横になるのが難しい場合も、椅子に座って安静にするだけでも症状が軽くなることがあります。
- 頭を冷やす
- 保冷パックや氷枕を敷いて安静にしたり、濡れタオルを額に当てましょう。頭を冷やすと痛みが緩和されます。保冷パックや氷枕はタオルで巻いて、冷えすぎないようにしてください。
- 薬を飲む
- トリプタン系薬剤は脳の血管に作用し、拡張した血管を元に戻します。顔の感覚を脳に伝える三叉神経は神経ペプチドを放出しますが、トリプタン系薬剤は神経ペプチドの放出を抑え、三叉神経が受けた刺激の情報が脳に伝達されるのを防ぎます。
片頭痛のときは温めるのはNG?
片頭痛を和らげたいとき、冷やすことは効果的ですが、温めるのは逆効果です。入浴などで温めると血管をさらに拡張させてしまい、痛みが増す場合があります。マッサージも血管を拡張させる効果がありますので注意してください。
片頭痛を予防するには
片頭痛の予防は、痛みを引き起こすきっかけを避けることや、生活習慣を見直すことが効果的と考えられています。
- まぶしい場所や騒音を避ける
- 光や音によって片頭痛が引き起こされる場合、そういった環境を避けるようにしてみてください。避けるのが難しいときはサングラスや耳栓を使用するなど、刺激を和らげるのがおすすめです。
- 生活習慣の改善
- 片頭痛はホルモンや自律神経と関連があるのではないかと考えられています。体内バランスを崩す生活習慣は改善しましょう。過労、過度のストレス、アルコールの摂り過ぎ、同じ姿勢を長時間保持するなどに注意してください。
- 睡眠の改善
- 寝不足や寝過ぎは片頭痛を引き起こす可能性が高いです。質の高い睡眠をとり、十分に休息をとることを習慣にしましょう。
- 食生活の改善
- 血管を収縮させる特定の食べ物をとることで片頭痛が引き起こされる場合があります。チーズやチョコレートなどはチラミンやポリフェノールを含みます。これらの物質は血管を収縮させる作用があり、その作用が切れたときに血管が急に拡張して片頭痛を引き起こす可能性があります。
- 予防薬を飲む
- 片頭痛を予防する薬が複数あります。ただし効果があらわれたかどうか判断するには少なくとも2カ月かかります。
- カルシウム拮抗薬(ロメリジン:血管拡張効果があります。血管の収縮を抑えますので、収縮が起こりにくくなります)
- β遮断薬(プロプラノロール:血管拡張効果があります。末梢血管や自律神経へ作用します)
- 抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム:神経の興奮を抑えます。血圧の低い方に用いられる薬です)
- アミトリプチリン(トリプタノール:セロトニン放出を抑えます。血圧の低い方に用いられる薬です)
おわりに:片頭痛が起こるきっかけはさまざま。生活習慣の改善などが予防のポイントです
片頭痛は原因が判明していませんが、光や音などの環境要因、寝不足などの生活習慣をきっかけにして発生すると考えられています。痛みを予防するために生活習慣などの改善を試すことをおすすめします。痛みが発生したらまずは安静にして休息をとり、温めるのではなく冷やすようにしましょう。