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出産の時の痛みを和らげたい!出産時の麻酔について

2020年12月9日

出産はやっぱり痛いもの?

出産は痛みを伴うものです。出産の際、妊婦さんの子宮は収縮して、産道の中の赤ちゃんを押し下げていかなければなりません。その後、子宮頸部、そして腟を通して赤ちゃんを外に出さなければならないのです。このような過程には途方もない痛みが伴います。

出産時に受けることができる麻酔について

昔は、出産に伴う痛みを我慢するしかありませんでした。しかし、硬膜外麻酔の登場により無痛分娩が可能となり、また帝王切開のときには脊髄くも膜下麻酔を使用することで母体や胎児により負担のない麻酔が可能となってきました。
以下で、出産時に受ける可能性のある麻酔の種類と特徴、作用や合併症について説明します。

経腟分娩のときに使用される麻酔

硬膜外麻酔

硬膜外麻酔は、現在無痛分娩時に最も用いられることの多い麻酔法です。この麻酔は背中から針を進めて硬膜外腔というスペースに麻酔薬を直接注射するもので、血流に流れ込むことがなく、赤ちゃんにとって安全です。そのため、病院で出産をする女性の多くがこの方法を選びます。
硬膜外麻酔の効果が現れ始めると、下半身の痛みがなくなり、陣痛を感じなくなります。合併症としては、麻酔により、発熱や頭痛、血圧が低下することがあります。そういった症状を発症した場合、静脈内輸液が行われます。また、ごく稀に、麻痺が胸部や首まで広がり、呼吸困難に陥る場合もあります。そのようになった場合は、麻痺がとれるまで酸素マスクなどを通じて酸素が供給されます。

また、この麻酔は帝王切開のときに用いられることもあります。術後の鎮痛を図るために脊髄くも膜下麻酔と併用することで、産後の疼痛軽減や、スムーズな歩行を可能とします。

脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔

硬膜外麻酔と脊髄くも膜下麻酔を併用する麻酔法です。こちらも無痛分娩に用いられることのある麻酔です。投薬量が硬膜外麻酔よりも少なく、効果発現までの時間が硬膜外麻酔のみ使用するよりも早くなるため分娩進行が早い方に適しています。

陰部神経ブロック

陰部神経ブロックとは、分娩の第二ステージ初期で発生する痛みを和らげるために時々使用される麻酔です。会陰部や腟部に針が挿入され注射されます。
注射部位の痛みは軽減されますが、子宮内に麻酔は効かず、感覚が残ったままであるため、陣痛はそのまま感じることになります。

帝王切開のときに使用される麻酔

全身麻酔

この麻酔は、昔は分娩中に用いられることがありましたが、現在では用いられず一部の帝王切開で使用されるのみです。通常は吸入麻酔や、静脈注射、両者を併せて行います。
麻酔を受けている間意識・痛みは全くありません。

脊髄くも膜下麻酔・サドル麻酔

帝王切開を行うときに、脊髄くも膜下麻酔を単体で用いることがあります。一方サドル麻酔は吸引・鉗子経腟分娩の際に使用されます。これらの麻酔は背中から針を進めて脊髄周囲のスペースに薬剤を注射することで行います。
これらの麻酔を受けると、対象となる部分の痛みを全く感じなくなります。合併症としては、両者ともに血圧低下、麻酔後の吐き気などが起こることがあります。また麻酔後しばらく(施設にもよりますが8時間程度)仰向けになっている必要があります。

おわりに:出産の痛みを軽減するために

いかがでしょうか。このように、出産の際に受けられる麻酔には様々な種類があります。麻酔は出産の痛みを軽減できる画期的な方法ですので、是非参考にしてみて下さい。また、どの麻酔を受けるべきか悩む場合は医者に相談してください。

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