妊娠
妊娠時〜初期の不正出血ってどんな色?どのくらい続く?
2022年12月28日
妊娠時の不正出血の色は茶色?鮮血?
着床出血の色
着床出血の色に関しては個人差が大きく、茶色いドロっとしたおりもの状のもの、うっすらとしたピンク色、真っ赤な鮮血など、さまざまなタイプがあります。通常の生理(月経)と同じような色になることもあるので、妊娠発覚後に着床出血だと気づく場合もあります。
着床出血の量
着床出血の量は、下着に少し色がつく程度の微量の場合がほとんどで、着床出血していることに気づかないこともあります。しかしまれに生理と変わらないくらいの量が出る場合もあります。
妊娠時の不正出血の期間はどのくらい?
着床時の不正出血の期間には個人差がありますが、数日でおさまる場合がほとんどです。生理と同じくらいの期間だったという人もいれば、2~3日すると出なくなったという人もいます。
妊娠初期に気をつけたい不正出血とは?
妊娠超初期~妊娠初期の不正出血は、妊娠にかかわる不正出血ばかりとは限らず、流産や切迫流産、子宮外妊娠といった病気が原因となって出血が起こる可能性もあります。
切迫流産、流産
切迫流産は子宮内に胎嚢(赤ちゃんの袋)があり、性器出血や腹痛を伴う状態のことです。切迫流産になった場合でも正常妊娠として継続できる可能性も十分ありますが、もちろん流産となる可能性もあります。切迫流産には有効な治療法はなく、一般的に安静や子宮収縮抑制剤の内服薬が処方されます。しかしながら初期の流産はそのほとんどが染色体や遺伝子の異常によるものであるため、安静や内服で流産への進行を有意に抑えられるものではありません。
流産は妊娠22週未満で胎嚢や胎児が子宮外に排出されてしまうことを指し、大量の性器出血や腹痛を伴います。出血が自然に治る場合は後日の医療機関受診でも十分ですが、血の塊がゴロゴロ排出される、鮮血が持続して止まらないなどあれば必ず救急でも医療機関を受診してください。
異所性妊娠(子宮外妊娠)
卵管や卵巣など子宮以外の場所で妊娠することを「異所性妊娠(子宮外妊娠)」といいます。異所性妊娠の主な症状は腹痛であり、通常の生理痛のような下腹部の重い、間欠的な痛みとは異なり、どちらか片側の強い、持続する痛みに注意が必要です。また、病状が進行すると不正出血が起こることもあります。卵管に妊娠した状態に気づかずに放置してしまうと、卵管が破裂して腹腔内に大量出血を起こす可能性があります。妊娠反応が陽性で、いつもと違う腹痛を感じる、不正出血がある場合には、すぐに病院に行くようにしましょう。
絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
妊娠初期の切迫流産に伴い「絨毛膜下血腫」という血の塊が子宮内にできる場合があります。
主な症状は不正出血や腹部の張りや痛みです。絨毛膜下血腫は、できたとしても自然消滅して妊娠が継続される場合がほとんどです。しかしまれに、血腫が消えない場合や大きい場合があり、放置しておくと流産や早産につながることもあります。残念ながら血腫の治療自体はできず、大きさの推移を超音波で経過観察するのが普通です。子宮収縮抑制剤の処方を受け、安静を指示されることもあるでしょう。その時々の医師の指示に従ってください。
胞状奇胎(ほうじょうきたい)
胎盤に含まれる絨毛から生じる腫瘍性疾患の一つです。不正出血の他に、つわり、高血圧、蛋白尿などの妊娠高血圧症候群の症状を伴うことがあります。放置すると悪性化し全身に転移することももありますから、必ず治療が必要です。子宮内容除去術を複数回行い、必要に応じて化学療法を追加することもあります。思い当たる症状があるときは、病院で検査を受けましょう。
女性の病気、性感染症
子宮や腟の炎症といった女性の病気や性感染症が原因となり、不正出血が起こる場合もあります。子宮がん、子宮内膜症、子宮筋腫、細菌性腟症、トリコモナス腟炎、淋菌感染症(淋病)、性器クラミジア感染症などの病気があげられます。
おわりに:妊娠時の不正出血の自己判断は危険
不正出血は妊娠の兆候を教えてくれる大切なサインですが、着床時の出血と思い込んでいたものが、流産や異所性妊娠などの病気を原因とする不正出血だったという場合もあります。出血の状態だけで自己判断するのは危険なので、不安なときは医療機関で診てもらいましょう。