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B型肝炎ウイルスのキャリアから、母子感染する確率は? 献血やお酒はOK?

2022年3月16日

B型肝炎ウイルスキャリアの母子感染の確率は?

B型肝炎の主な感染経路の一つは母子感染であり、B型肝炎ウイルスキャリアの母親がHBe抗原(B型肝炎ウイルスの増殖力が強いことを示す)陽性かつ母子感染予防を行わなかった場合、赤ちゃんもキャリアになる確率はおよそ90%とされています。B型肝炎ウイルスキャリアの約10〜15%は慢性肝炎に進行するといわれており、慢性肝炎によって肝機能の悪化を繰り返すことで、将来的に肝硬変や肝がんを発症するケースがあります。

なお、B型肝炎ウイルスキャリアの母親がHBe抗原陰性の場合、赤ちゃんがキャリアになる確率は約10%と比較的低いです。しかし、乳児期にまれに重度の肝炎を起こすリスクがあります。

B型肝炎ウイルスキャリアの母子感染を予防するには?

B型肝炎ウイルスキャリアの母親から、赤ちゃんへの母子感染を予防するには、生後12時間以内にHBIG(B型肝炎免疫グロブリン)を投与し、また3回にわたってHBワクチンの接種を行う必要があります。これにより、90%以上の赤ちゃんはB型肝炎の感染を予防できるといわれています。

B型肝炎ウイルスキャリアは献血してもいいの?

B型肝炎ウイルスはキャリアの血液や体液を介して感染するため、キャリアは必ず献血を控えてください。

なお、まれに血中のHBs抗原(B型肝炎ウイルスに感染していることを示す)が陰性にも関わらず、HBc抗体が陽性という人が見られますが、これはB型肝炎ウイルスの感染既往を示します。B型肝炎は自覚症状が乏しいため、本人が感染に気づかないまま治っていたという人も少なくないのです。
ただし、こういった人でも肝臓の中に微量にB型肝炎ウイルスが存在し、血中からもウイルスが検出されるケースがあるため、HBc抗体が陽性の人も献血をすることはできません。

B型肝炎ウイルスキャリアでもお酒を飲んでいい?

B型肝炎ウイルスキャリアは、少量のお酒であっても肝機能が悪化する恐れがあるので、基本的には禁酒が望ましいです。実際、B型肝炎ウイルスキャリアのうち、飲酒の習慣がある人とない人で肝炎の進行を比較してみたところ、飲酒習慣のある人の方が肝炎の病期が早く進展したという検証結果も得られています。

おわりに:母子感染の確率の高いB型肝炎ウイルス。必ず対策を

B型肝炎ウイルスキャリアは、赤ちゃんに母子感染させる確率が非常に高いため、出産後は赤ちゃんへのHBIGやHBワクチンの接種が必要です。なお、キャリアであるうちは献血や飲酒など、周囲への感染や症状悪化につながる行為は控えましょう。

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