妊娠
妊娠初期の胃痛はどうやって対処すればいいの?
2021年5月19日
妊娠初期の胃痛の特徴は?
妊娠初期の胃痛は胃がむかついたり、みぞおちのあたりがキリキリと痛んだり、吐き気がするといったつわりの症状のひとつです。
つわりは、ホルモン(主にプロゲステロン)の分泌量が増えて消化が遅くなるために起こると考えられています。
一般的につわりは妊娠5~6週頃に始まって妊娠12~16週頃まで続きます。症状の強さは時期によって異なりますが、1、2カ月ぐらいは胃のむかつきや腹痛と付き合っていくことになるでしょう。
妊娠16週ぐらいになると、胎盤が完成してホルモンバランスが落ち着くため、つわりも落ち着いてきます。
妊娠悪阻に注意
食べものをまったく受けつけず、水分を摂ることすらままならないときは、妊娠悪阻になっている可能性があります。
妊娠悪阻は、つわりのある妊娠中の女性の2%が経験する重篤な症状です。
ひどい吐き気が続き、1日に数回嘔吐する場合は治療の必要がある場合もあるのですぐに医師に診てもらってください。
妊娠初期の胃痛はなぜ起きるの?
妊娠中はさまざまことが起きるため、ストレスを受けやすい状態です。
妊娠中の胃痛の多くは、ストレスで自律神経が乱れ、胃の調節機能が乱れてしまうことで起きると考えられます。
ストレスを受けると交感神経が優位になり、胃の粘膜にある血管が収縮して血流が低下します。収縮した血管が再び拡張するとき、食べものを溶かす働きがある胃酸が分泌されますが、このとき胃の中に消化すべき食べものがないと、胃酸は自分の胃粘膜を攻撃することになり、胃痛が起こります。
胃痛が流産の兆候の可能性はある?
流産とは、妊娠22週未満で赤ちゃんが死んでしまうことです。妊娠初期の流産は、ほとんどが出血で始まり、その後下腹部痛が起こります。痛みがだんだんひどくなるとともに、出血したり、血のかたまりが出たりします。
基本的に、妊娠初期の胃痛はつわりですので、流産の可能性はほとんどありません。ただ、気になる場合は産婦人科を受診しましょう。また、妊娠中、少量でも出血や下腹部痛が見られたら、主治医の診察を受けてください。
胃痛やつわりで食欲がないとき、無理に食べなくてもいいの?
妊娠中に食欲がないときは、短期間であればあまり食べなくても問題ないとされています。
これは、つわりがひどい時期は赤ちゃんは小さく、まだあまり栄養を必要としていないからです。
妊娠初期に食べ物を食べられずに体重が減った場合でも、妊娠中期以降で減った体重を補えば、胎児の生育に問題がないとされています。
ただし、尿の色が濃いときは脱水の可能性があります。すぐに水分と電解質を補給しましょうをしましょう。
妊娠初期の水分補給
妊娠初期にひどいつわりになると、重度な脱水症状を引き起こすことがあります。腎臓や脳に障害をきたすこともありますので、吐き気のために水分すら摂れないとき、何か口にしてもすぐに吐いてしまうときは「単なるつわり」と思わずにできるだけ早く産婦人科に相談しましょう。
また、つわりがひどいときは、なるべくこまめに、少しずつでも水分を摂るようにしてください。吐き気が強いときは、氷などを口に含むのもよいでしょう。そして、食事が摂れないときは体内の電解質も不足しがちになるので経口補水液や経口補水ゼリーなどを活用しましょう。
妊娠初期に胃薬を飲んでも大丈夫?
妊娠初期でも、つわりによる胃痛がひどいときには、胃薬が処方されることがあります。
妊娠初期は胎児の重要な器官が形成される時期なので、基本的には薬はあまり飲まない方がよいです。
医師が必要と判断した場合は、妊娠中でも服用可能とされているムコスタ®などの胃薬が処方されることがあります。
市販薬でもガスター®10やパンシロン®、太田胃散などは服用してもよいとされていますが、胃薬のなかには流産を引き起こす種類のものもあります。自己判断で飲むのはやめましょう。
胃薬を飲む前に、必ずかかりつけの産婦人科に相談してください。
おわりに:胃痛 でつらいときは、かかりつけの産婦人科医に相談しよう
つわりは多くの妊婦さんが経験するものであり、妊娠初期の胃痛を経験する妊婦さんも多いです。妊娠初期の胃痛は空腹が原因でもあるので、つわりで食べられない時期は自分で対処できないこともあります。
つらいときはガマンせず、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。