妊娠
妊娠中の女性がベジタリアンの場合、気をつけるべき食事のポイントとは
2020年5月11日
妊娠中の食事で気をつけるポイントは?
妊婦自身の健康と胎児の成長のためには、十分な量の鉄分とビタミンB12(主に肉類や魚にみられる)を摂取する必要があります。もし、妊娠中の女性がベジタリアンの場合は、以下のような食材でこれらの栄養素を摂取しましょう。
鉄分
- 豆類
- 青野菜
- 全粒粉パン
- 卵(卵を食べられるベジタリアンの場合)
- 栄養が多めに含まれた朝食用シリアル(鉄分を添加したもの)
- ドライフルーツ(アプリコットなど)
ビタミンB12
- 牛乳、チーズ(できれば低脂肪のもの)
- 卵
もし完全菜食主義者である場合は、以下の食材でビタミンB12を摂取するとよいでしょう。
- 栄養を強化した朝食シリアル(できれば低糖のもの)
- 栄養を強化している無加糖の豆乳
- 酵母抽出品
ただし、完全菜食主義者の方の場合、ビタミンB12供給源は限られているため、サプリメントが必要になる場合もあります。
また、妊娠中の女性はビタミンDやカルシウムの摂取も大切です。ビタミンDは日光を浴びることで摂取できますが、以下のものでも摂ることができます。
- 卵黄
- ビタミンDで栄養が多めに含まれた食物(朝食用シリアルやバター)
- 栄養補助食品
ビタミンDを含む食べ物はとても少ないので、十分な量を摂取するのは難しいかもしれません。そのため、妊娠中や授乳中の女性を含め、すべての成人は、特に冬は毎日10mcg(マイクログラム)のビタミンDを含むサプリメントを摂ることが推奨されています。完全菜食主義者の人は、製品ラベルでビタミンDが動物由来のものでないことを確認することを忘れないでください。
また、カルシウムは乳製品で摂取することが多いので、乳製品を口にしない完全菜食主義者である場合、妊娠中に必要なカルシウム摂取量を満たせないことがあります。そこで、完全菜食主義者の方でも安心して口にできる、以下のようなカルシウムを豊富に含む食べ物を積極的に食べるとよいでしょう。
- 青菜
- 豆類
- 米(栄養豊富で甘みを加えられていないもの)
- 全粒粉パン、白パン
- カルシウムが多めに含まれた豆腐
- ごま
- ドライフルーツ
妊娠中にどのくらい摂取すればいいかは、医師に相談してみてください。
妊娠中は避けたほうがいい食べ物は?
妊娠中は、白カビタイプのチーズ(カマンベールやブリー)や青カビタイプのチーズは避けるよう勧められています。これらのチーズには、流産や死産、赤ちゃんに重病をもたらす恐れがあるリステリアという物質を含んでいるためです。
また、パテ(菜食主義用パテを含む)もリステリアを含んでいる可能性があるため、妊娠中は食べないほうがよいと言われています。菜食主義用パテの中には生卵を含むものもあり、サルモネラ菌感染のリスクもはらんでいるためです。卵も、火が完全に通っていないものは食べるのを控えましょう。
おわりに:ベジタリアンでも口にできる食材を摂って、栄養不足にならないようにしよう
- 妊娠中は特定のビタミンや鉄分などが不足がちになるため、ベジタリアンの方は意識して必要な栄養素を摂ることが必須
- 生卵やチーズのように、摂取するとお腹の赤ちゃんに悪い影響を与えるものもある
今回ご紹介した食べ物やサプリメントを活用しながら、妊娠期を過ごしてください。