妊娠
妊娠糖尿病は出産後に自然と治る!?母乳で育ててもいいの?
2019年7月27日
出産後、妊娠糖尿病は治るの?
妊娠糖尿病になっても、ほとんど人が出産後に血糖値が正常化するといわれています。これは、妊娠の影響でインスリンが効きにくく血糖値が上昇しやすい状態になってしまったものが、出産によって戻ったためにインスリンが効きにくい状態が解除され、血糖値の上昇を抑えることができるようになるからです。
ただし、妊娠糖尿病になった人は、数十年後に糖尿病に移行しやすいといわれています。
そのため、出産後に血糖値が正常に戻ったという人も、血糖値が上がらないように食事などを気をつける必要があるでしょう。
出産後も定期的に血糖値をチェックしよう!
血糖値が正常化すると、安心してしまい血糖値の検査を受けなくなってしまう人もいますが、妊娠糖尿病を患った経験がある人はその後の糖尿病リスクが上がるわけですから、定期的に検査を受けるようにしましょう。
出産後の検査の目安として、まず産後1か月から3ヶ月後にブドウ糖75g負荷試験を受けることをおすすめします。
ここで正常化している場合には1年に1度、数値がグレーゾーンの場合には3か月から6ヶ月に1度の定期検査を受け続け、体重増加にも注意を払わなければなりません。そして数値の正常化がみられず糖尿病と診断を受けた場合には、1か月から2か月に一度通院して糖尿病の治療を受けることになる可能性があります。
肥満や血糖値に気を付けるためにも、食事を和食中心にして甘い物や塩分の摂り過ぎに気をつけ、適度な運動をするようにし、規則正しい健康的な生活を送るようにしてください。
出産後に授乳しても大丈夫?
妊娠糖尿病の人は、将来的に2型糖尿病を発症するリスクが高いとされています。
ただ、産後に授乳を続けることでお母さんの2型糖尿病発症リスクが減ることが分かっています。また、生まれたお子様も母乳で育った方が、将来的に肥満や2型糖尿病の発症率が低くなるとのデータもあります。
インスリン注射で血糖コントロールをしている場合でも、インスリンは母乳に移行しませんので安心して授乳することが可能です。産後、インスリン注射ではなく飲み薬に切り替える場合には、必ず授乳中である旨を医師に相談し、母乳に影響のない薬剤を処方してもらいましょう。
また、産後は妊娠時よりも血糖値が下がり、授乳を行うことで糖分が母乳に移行するため、さらに血糖値が下がることが考えられます。このため、インスリン注射を行っている人は思わぬ低血糖状態となることも少なくありません。こまめに血糖値を測定したり、インスリン量を減らすなどの対策を行いましょう。
妊娠糖尿病はどんな人がなりやすい?
妊娠糖尿病は、妊娠をきっかけに血糖値が高くなってしまう糖質代謝異常です。
妊娠時には血糖値を下げにくくするホルモン(ヒト胎盤性ラクトゲンなど)が分泌されるため、インスリンが効きにくい状態となり血糖値が上昇してしまいます。
血糖値が上がってもほとんどの場合はインスリン分泌によって血糖値がコントロールされるのですが、インスリン抵抗性の増加により血糖のコントロールが不良となり、血糖値が基準値以上になってしまうと、妊娠糖尿病と診断されることになります。
妊娠糖尿病は放っておくと、胎児や母体にも悪影響を及ぼしてしま可能性があります。最悪の場合、子宮内胎児死亡や早産・流産を引き起こしてしまいます。そのため、早期に適切な治療を受ける必要があるのです。
妊娠糖尿病になりやすい人の特徴として
- 肥満体型
- 35歳以降の高齢出産
- 妊娠高血圧症候群
などが挙げられます。
おわりに:妊娠糖尿病になった人は、出産後も血糖値のチェックをしよう
妊娠糖尿病は、妊娠の影響でホルモンのバランスが変化し、インスリンが効きにくくなることで発症します。大半の人は、出産後に正常な血糖値に戻るといわれていますが、妊娠糖尿病の経験者は、その後の糖尿病リスクが高まることがわかっています。
妊娠糖尿病になったときは、出産後も血糖値をチェックして、健康的な生活を送るようにしましょう。