子育て
手足口病はうつるって本当?感染予防のために何をすればいい?
2019年7月24日
手足口病はうつるって本当?
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因の感染症である手足口病は、0歳の赤ちゃんを含め、年齢・性別を問わず、周囲すべての人にうつる可能性のある病気です。
また、ウイルスに感染してから発症するまで3〜5日の期間が空くため、感染者本人も気づかない間に周囲に感染を拡げてしまうケースも珍しくありません。
以下に、手足口病の代表的な3つの感染経路についてご説明します。
飛沫感染
感染者の唾液や鼻水が咳・くしゃみで飛び散ることにより、これを吸い込んでしまった人が手足口病に感染・発症してしまう経路です。
接触感染
感染者が使ったタオルや、なめたりかじったりした食器やおもちゃなど物品を共有することで、手足口病に感染・発症してしまう経路です。
糞口(経口)感染
ウイルスが含まれた糞便などにおむつ替えの際やトイレで誤って触れてしまい、その手を口に入れてしまうことで手足口病に感染・発症する経路です。
上記のような感染経路をたどることから、手足口病は特に幼稚園や保育園など、乳幼児が集団生活をする施設において、子供同士で急激に感染が広がる傾向があります。
要注意!手足口病は大人にもうつる
手足口病は、一度ウイルスに感染すると体内に抗体ができるため、その後同じウイルスに感染して発病する可能性はかなり少なくなります。
手足口病の感染者に、まだ免疫機能の不十分な0〜5歳の乳幼児に多いのはこのためです。
ただし、大人が手足口病を感染・発症するケースもあり、以下のような条件に当てはまる人は、大人であっても手足口病になる可能性があります。
- これまでに一度も、手足口病に感染・発症したことがない人
- 手足口病にかかったことはあるが、1つの種類のウイルスにしか感染したことがない人
大人がかかった場合も、子供がかかった場合と症状に大きな差はありませんが、子供よりも発疹などの皮膚症状が重症化しやすい傾向があります。
発疹のかたちや、出る位置が子供と異なることもありますので、注意が必要です。
手足口病の感染を防ぐことはできる?
手足口病の感染・発病を防げるワクチンなどはないため、手足口病の感染を防ぐには、予防のための対策を徹底する必要があります。
以下に、子供の手足口病の感染予防に有効な対策を4つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
石鹸での手洗い、手指の消毒
接触感染と糞口感染の予防には、石鹸と流水による手洗いがとても効果的です。日ごろから手洗いや消毒の習慣をつけておき、特に手足口病が流行する5〜8月の期間には、徹底して行うようにしましょう。
タオルやお風呂は共有しない
タオルやお風呂など、身体を直接拭いたり洗ったりする場合は、物や空間は共有しないようにしましょう。手を拭いたり身体を拭くときは1枚ずつ別のタオルを使用し、お風呂も感染者とは一緒に入らせずに別々にするなど、工夫してください。
排泄物は迅速に、適切に処理する
替えたおむつは密封して処分する、おむつ替えした後の手はすぐに石鹸で洗うなどして、糞口感染を予防する対策をとってください。特に糞便には、症状が治まった後も2〜4週間にかけてウイルスが含まれているというデータもあるため、厳重な対策をおすすめします。
マスクの着用を徹底する
咳やくしゃみによる飛沫感染予防のため、感染者が確認されたときや流行時期である5〜8月の期間にはマスクの着用を徹底してください。
子供が使ったおもちゃも消毒した方がいい?
手足口病は感染した子供が使用したおもちゃに付着したウイルスを介して感染を広めることがあります。感染を防ぐには以下のようなおもちゃの消毒が必要です。
- プラスチックなどや金属などでできたおもちゃは次亜塩素酸(ハイターなど)を薄めた溶液で拭き、数分後にかわいた布で消毒液をふき取る
- 布でできたおもちゃは薄めた次亜塩素酸に数分間浸してから洗濯する
- 洗濯できない布製のおもちゃは日当たりのよい場所に干して日光消毒する
注意すべきポイントは、手足口病を引き起こすエンテロウイルスは一般的な消毒用アルコールが効きにくいことです。消毒には次亜塩素酸が必要になりますが、500mlのペットボトルに水を入れ、ペットボトルのキャップ半分弱のハイターを入れてよく混ぜ合わせれば消毒に適した溶液を作ることができますので試してみましょう。
おわりに:手足口病は、大人を含むすべての人にうつる可能性がある
ウイルス感染が原因の手足口病は、0歳から大人まで、すべての人に感染・発症のリスクのある病気です。幼稚園や保育園で子供同士で感染拡大し、その子供から親へと感染していくケースも多く報告されています。
感染拡大を防止するには、手洗いや排泄物の適切な処理を行うなど、地道な予防策を徹底するしかありません。正しい感染経路や予防策を知って、感染のリスクから自分や家族を守れるようにしておいてくださいね。