子育て
子供が運動するときの熱中症対策でできることとは?
2019年7月11日
子供の熱中症の症状と応急処置
子供の発汗量は大人より少ないため、体温をうまく下げられない場合があります。そのため子供が運動するときは、大人が特に彼らの体調に注意してあげる必要があります。
スポーツをする際などは、徐々に気温と湿度に慣れていくことができるような運動メニューを作るようにしてください。
子供の熱中症の症状とそれに対する処置を段階に分けてご紹介していきます。
脱水症状
脱水症状は熱中症になる前の段階ですが、放置すると深刻な熱中症につながる恐れがあります。脱水症状としては以下のようなものです。
- 口の乾燥
- 喉の渇き
- 怒りっぽかったりいらいらしている
- 頭痛
- つまらなさそうだったり無関心な様子
- めまい
- けいれん
- ひどく疲れている
- 普段よりも速く走れなかったりうまくプレーすることができない
このような症状が見られるときは、子供をすぐに日陰や冷房の効いた部屋に移動させ、スポーツドリンクなどの水分を取らせましょう。
症状が回復すれば運動を再開できますが、子供の体調に気を配りながら運動をさせてください。
熱けいれん
熱けいれん症は軽度の熱中症で、症状として筋肉のけいれんや痛みが起こります。大量に汗をかくことで体内の水分と塩分が不足してしまうことが主な原因です。
熱けいれん症は一般的に暑いところで運動する子供に見られますが、暑くないとき(たとえば水泳などをしているとき)にも発症することがあります。 よく汗をかく子供には特に注意が必要です。
熱けいれんの症状が見られるときは、不足した水分と塩分をスポーツドリンクや経口補水液などを飲ませて補いましょう。けいれんしている筋肉を軽く伸ばしマッサージするのもいいでしょう。
けいれんや痛みがなくなり子供が再び運動できると感じれば、運動を再開できます。
熱疲労
熱疲労は脱水症状などが起こったままで運動を続けたときに起こる、軽度の熱中症です。熱疲労の症状としては以下のようなものです。
- 子供がプレーし続けることができないと感じたとき
- 体が思うように動かせない、めまいを感じる
- 大量の発汗
- 肌の血色が悪くなる
- 頭痛、吐き気、嘔吐または下痢
- 胃や腸がけいれんするもしくは筋けいれんがとまらない
このような症状が見られた場合は、日陰やエアコンの効いた部屋に移動し、余分な衣服を脱がし、冷たいタオルや氷で冷やしましょう。そのとき心臓より上の位置に足を上げた状態で寝かせましょう。
もし、子供に嘔吐や吐き気がない場合は、冷たい水やスポーツドリンクを飲ませて、すぐに回復しない場合は、すぐに病院に行き医師の診察を受けさせましょう。
熱疲労の症状が見られた場合は、体が完全に回復するまで(少なくとも次の日くらいまで)は運動をさせないようにしましょう。
熱射病
熱射病は子供の体が発散できる温度を超えて体温が上がってしまったときに起こる、熱中症の深刻な症状です。熱射病の症状が見られたらすぐに救急車を呼びましょう。熱射病の症状としては以下のようなものです。
- 40度以上の高熱
- 意識を失う、精神錯乱などの中枢神経系の異常がみられる。
- 肌が赤く乾燥している(汗をあまりかいていない)
以上のような症状と同時に嘔吐、下痢を起こしたり、頭痛やめまいを感じたりすることもあります。
救急車が来るまでに、子供を涼しい場所に移動させ、衣服を脱がし水風呂に入れたり、水シャワーを当てたりしてすぐに体を冷やしましょう。子供に水をかけてあげた後に扇風機などを当てると効率よく体を冷やすことができます。
子供がスポーツするときの熱中症予防対策
子供は水分の保持能力が低いため脱水になりやすく、熱中症の初期症状に気づくことができないケースも多いため、熱中症を発症すると重症化しやすいのが特徴です。
季節を問わず、子供がスポーツや運動をするときには熱中症への対策を行いましょう。具体的には以下のような対策が有用です。
- 汗が蒸発しやすいような通気性のよい服装にする
- 帽子を着用する
- なるべく日陰や涼しい場所で行う
- 電解質が含まれた水分をこまめに摂取させる
- 身体が熱くなっていたり、ぐったりしている場合には運動を中止する
- 睡眠不足や朝食抜きなどを避け、体調を整えておく
おわりに:子供がスポーツするときは熱中症対策を万全にしておこう
暑い季節のスポーツ中は汗をかきやすく、熱中症の危険が高まります。子供をこまめに涼しい場所で休憩させ水分補給させることが大切です。
もし熱中症の症状が見られたらすぐに子供を休憩させ、回復するまでは運動を一旦中断してください。そして、重度の症状が見られたら、すぐに救急車を呼びましょう。子供の熱中症にならないよう保護者がしっかり監督してあげることが大事です。