子育て
パントテン酸の作用と摂取量の目安 ― 風邪の予防やストレス緩和に役立つ?
2025年7月9日
健康維持にはあらゆるビタミンの摂取が欠かせませんが、その一種に「パントテン酸」があり、パントテン酸は子どもの発育にも関係しています。パントテン酸がどんな作用を持つビタミンか、期待できる健康効果や、多く含まれる食べ物についてご紹介します。
パントテン酸の性質
パントテン酸は、ビタミンB群の一種です。「Pantothenic acid」の和訳で、ギリシャ語で「あらゆるところに存在する酸」を意味します。その由来通り、自然界に広く分布している酸であり、幅広い食品に含まれているのが特徴です。さらに腸内細菌によってもわずかに合成されるため、不足状態に陥ることはほとんどありません。また、水溶性ビタミンでもあるため、余分に摂取した分は尿として排出されます。
パントテン酸の作用
パントテン酸は、体内でエネルギーを作り出すのに必要な「補酵素」の成分の一つで、タンパク質や糖質、脂肪の代謝をサポートするほか、ホルモンや抗体の合成などに関わっています。具体的には、次のような健康効果が期待できるとされています。
ストレスを和らげる
パントテン酸は「抗ストレスビタミン」とも呼ばれています。ストレスをやわらげる働きを持つ「副腎皮質ホルモン」の合成に関わっているためです。
風邪を引きにくくなる
パントテン酸には、ビタミンB6や葉酸とともに免疫のためのタンパク質をつくる働きがあり、風邪などの感染症に対する抵抗力を高めます。
肌や髪をキレイにする
パントテン酸には、肌や髪の毛を作るタンパク質の合成に必要な「ビタミンC」の働きをサポートする作用があります。傷ついた皮膚や粘膜を回復させる効果が期待できます。
善玉(HDL)コレステロールを増やす
パントテン酸は、脂質の代謝を促す善玉コレステロールを増加させるため、安定的な摂取で動脈硬化の予防にもつながるといわれています。
1日に必要なパントテン酸の摂取量は?
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、パントテン酸の1日あたりの摂取量の目安を下記のように定めています。なお、摂り過ぎたパントテン酸は排尿されるので、多めに摂取した場合でも健康被害は特にないとされています。
- 男性
- 18歳〜49歳:5mg
- 50歳以上:6mg
- 女性
- 18歳以上:5mg
パントテン酸はどんな食べ物に多く含まれる?
パントテン酸はさまざまな食品に含まれていますが、中でも納豆やレバー、肉類、子持ちカレイやうなぎ、イクラなどの魚類、キノコ類、卵に多く含まれています。ただ、カフェインとアルコールはパントテン酸の吸収を妨げるため、コーヒーや紅茶、お酒を普段から嗜む方は、パントテン酸を含む食べ物を多めに摂取するといいでしょう。
おわりに:パントテン酸を含んだ食べ物で、健康的な毎日を!
パントテン酸には、風邪を引きにくくする、ストレスを緩和する、善玉コレステロールを増やす、肌や髪をキレイにするといった、若い人から高齢者・シニアまで幅広い人にとって嬉しい作用が期待できます。バランスの良い健康的な食生活が基本となりますが、健康な身体づくりのために、毎日の食卓にうまく取り入れていきましょう。