子育て
免疫機能が働く仕組みと機能低下が起こる原因
2025年5月14日
免疫とは文字通り「病気を免れる」ことを意味し、免疫機能とは病気から体を守る機能のこと指します。免疫機能が働くことには様々なことが影響しているため、機能低下が起こる原因も複数あり、子ども健康管理にも関係します。この記事では、免疫機能はどのような仕組みで働いて体を守っているのかについて、免疫低下の原因もあわせて解説していきます。
免疫機能が働く仕組み
免疫機能は、体外から侵入してくる異物(細菌・ウィルスなど)や体内の異常な細胞(がん細胞など)を攻撃して排除することで、私たちの体を守っています。免疫機能が維持されていると、風邪・インフルエンザなどの感染症にかかりにくく、生活習慣病・がんなどの病気を予防しやすくなるといわれています。免疫機能が低下すると、感染症にかかりやすくなったり、アレルギー症状が現れやすくなったりします。また、免疫機能が正常に機能しなくなると、正常な組織が破壊され、心身に不調をきたすこともあります。
免疫機能は、血液中に存在する免疫細胞により司られています。体内に細菌・ウイルスなどの病原体が侵入すると、免疫細胞の一種がそれを感知し、病原体を攻撃する抗体が産生されます。抗体に攻撃された病原体は病原性が低下するため、体に及ぼす悪影響を抑えることができます。また、免疫細胞の中には、抗体を産生せずに細胞そのものが異物を貪食する働きを持つものもあります。このような免疫細胞は、体内に侵入した病原体だけでなく、がん細胞なども攻撃する作用があります。なお、のど・鼻の粘膜には線毛という体内に侵入した異物を排出する構造があり、この線毛も免疫機能の維持に役立っています。
免疫機能が低下する原因
免疫機能には自律神経が関係しており、免疫細胞と様々な免疫物質とがバランスをとりながら、自己と非自己(異物)を認識し、適切な攻撃を開始・終了しています。以下が原因で、これらの機能が低下したり、バランスが乱れたりすると、様々な問題が起こるようになります。
- ストレス
- ストレスは、自律神経など様々なことに影響する
- 加齢
- 加齢により免疫細胞の機能が低下する
- 食生活
- 低栄養や栄養のバランスが低下するなどが原因で免疫機能が低下する
- 生活習慣
- 睡眠不足・運動不足・喫煙・飲酒・不規則な生活などは、免疫機能の低下や自律神経の乱れを引き起こす
- 薬の不適切な使用
- 薬が適切に使用されないと、免疫機能に影響する場合がある
免疫機能を保つための対策
免疫機能を保つためには、以下を心がけることをおすすめします。
- ストレスをこまめに解消し、溜めこまないようにする
- 十分な休息・睡眠をとり、質の高い睡眠がとれるよう睡眠環境を整える
- バランスのよい食生活を心がける
- 早寝早起きを心がけ、規則正しい生活を送る
- ウォーキングなど、適度な有酸素運動を習慣化する
- 過度の飲酒を避け、禁煙する
- 適切な温度・湿度を保ち、こまめに掃除・除菌をして清潔を保つ
おわりに:健康的な生活を送ることが免疫機能を保つことにつながる
免疫は、自然免疫と獲得免疫の2段構えで体を病気から守っています。免疫機能を保つためには、栄養バランスや自律神経のバランスを保てるように食生活・運動習慣・生活習慣を見直すことが役立ちます。また、ストレスは免疫機能の低下だけでなく、様々な不調・病気の原因になることがあります。心身ともに健康的な生活を送ることができるように、毎日の生活の過ごし方を見直してみてください。