子育て
花粉症でのどに症状が出る理由と予防対策
2025年4月9日
花粉症でのどに症状が出る理由
花粉症のおもな症状は、鼻の症状(くしゃみ・鼻水・鼻詰まりなど)と目の症状(目のかゆみ・充血など)です。ただし、のどのかゆみや痛み、イガイガ感など「のどの症状」が現れる場合もあります。花粉症でのどに症状が起こったときは風邪の症状と勘違いされやすく、対処が遅れてしまうこともあります。
また、花粉症が原因で咳が出ることもます。花粉症が原因の咳は、痰・のどの痛み・鼻水などを伴い、日中よりも早朝や寝る前に症状がひどくなる傾向にあるといわれています。このような花粉症によるのどの症状が出るのは、以下が原因と考えられています。
口呼吸による乾燥
鼻詰まりが原因で口呼吸になると、のどに花粉が入りこみやすくなります。また、口呼吸をすると、のどに直接空気があたることで乾燥しやすくなり、痛みなどの症状を引き起こす可能性があります。
花粉による炎症
口呼吸になることで花粉がのどの粘膜に直接付着しやすくなり、気管支で炎症を起こすことで症状が現れ始め、かゆみやイガイガ感から痛みに変化し、咳の症状が現れるようになります。なお、花粉が気管支に入ると、気管支喘息を発症する可能性があります。
後鼻漏による炎症
鼻水などの分泌物が多量にのどの奥に流れ込むことを「後鼻漏(こうびろう)」といいます。健康な人でも鼻水はのどに流れることはありますが、花粉症で鼻水の量が多くなると、常にのどに鼻水が流れるようになり、のどの粘膜に炎症が起こり痛みや不快感などの症状を引き起こします。
日常生活のなかでできる予防対策
花粉症ののどの症状は、以下の対策で予防できる可能性があります。
花粉を寄せ付けない
以下の対策で花粉を寄せ付けないようにすることが、花粉によるのどの症状の予防につながります。
- 外出時、花粉が付きやすい素材の衣類を着ない
- 外出時、マスク・メガネ・帽子などを着用する
- 帰宅した際、衣類や髪の毛に付いた花粉を外で払う
- 手洗い・うがいを励行する
- 鼻の中に付いた花粉を鼻をかんで取り除く
- 顔についた花粉を洗顔して取り除く
- 室内をこまめに掃除する
- 花粉の飛散が多い日は外干しせず、部屋干しにする
うがい
のどに付着した花粉を洗い流すため、うがいをするようにしましょう。帰宅後はもちろん、外出時にもこまめにうがいをすることをおすすめします。
湿度管理
無意識のうちに口呼吸になりやすい就寝中は、加湿器を使ってのどを保湿しましょう。適切な湿度管理は、風邪予防・花粉症の悪化予防にも役立ちます。
生活習慣の見直し
睡眠不足や偏った食生活など、生活習慣の乱れは免疫機能低下の原因になる場合があり、免疫機能の低下は花粉症の症状に影響するといわれています。また、飲酒や喫煙なども花粉症の症状悪化につながります。
市販薬を使用するときの注意点について
一般的には、花粉症によるのどの症状には、花粉によるアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬などが使われます。のどの症状を緩和する市販薬として以下が挙げられますが、咳止めを飲むときは必ず医師か薬剤師に相談してください。また、咳はのどについた異物を排出する役割があるので、咳止めがかえって症状を悪化させる恐れがあります。
ベラックT錠®
トラネキサム酸・カンゾウ乾燥エキス・ビタミンを配合し、のどの炎症や空気の乾燥による痛みや腫れを緩和する。抗ヒスタミン成分は配合されていない
アレグラFX®
処方薬のアレグラ®と同じ成分が同量配合されていて、鼻水・鼻詰まり・咳などアレルギー症状全般に作用する
アレジオン20®
特徴はアレグラ®とほぼ同じだが、1日1回の服用のため薬を飲む回数を少なくできる
アネトンせき止めZ液®
咳を抑制する成分や気管支を拡張する成分、痰を溶かす成分などが配合されているせき止めシロップ
新ブロン液エース®
咳を緩和する成分や気管支筋の緊張を緩和する成分が配合されたせき止めシロップ
漢方薬
花粉症による咳やのどの痛みには甘草湯(かんぞうとう)という漢方薬が使われることがある
おわりに:毎日の生活を見直し、花粉症によるのどの症状を予防しよう
花粉症によるのどの症状が悪化すると、唾液を飲み込むだけでも痛みを感じることもあります。花粉症によるのどの症状は、通常の花粉症対策とあわせ、うがいの敢行・湿度管理・生活習慣の見直しを行うことである程度予防できる可能性があります。ただし、すでに症状が出ている場合は、セルフケアや市販薬に頼る前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。