子育て
起立性低血圧は貧血が原因? ― 立ちくらみやめまいはなぜ起こる?
2025年3月12日
低血圧ってどんな状態?
血圧とは、心臓から押し出された血液が血管の中を流れるときに、血管壁を押す力のことです。血液が血管壁を押す力が強いと血圧が高くなり、弱いと低くなります。つまり、低血圧の人は血液を押し出す力が弱い、ということになります。
高血圧とは違って、低血圧にはまだ厳密な定義が決まっていません。ただ、WHO(世界保健機関)では世界共通の基準として、最高血圧(収縮期血圧)100mmHg以下、最低血圧(拡張期血圧)60mmHg以下を低血圧と定義しています。
低血圧の分類
いくつかある低血圧の分類法のうち、ここでは本態性低血圧、二次性低血圧、起立性低血圧に分類する方法を紹介します。
本態性低血圧
本態性低血圧は、原因がはっきりしない低血圧です。体質が原因になっていることがほとんどですが、遺伝の場合もあります。すぐに治療が必要なものではありませんが、本人が改善したい場合、生活習慣を見直して体質改善をするとよくなることがあります。最も多いタイプの低血圧です。
二次性低血圧
二次性低血圧は、病気や薬が原因で起こる低血圧です。心臓や腎臓、脳神経などの疾患がきっかけになることが多いですが、外傷や出血多量、薬剤の副作用(例:降圧薬が効きすぎている)などによっても起こります。
起立性低血圧
急な立ちくらみやめまいを起こしてしまうとき、原因として考えられるのが起立性低血圧です。起立性低血圧は、立ち上がった時や、ベッドから起き上がったときなどに、急激に血圧が低下して目の前が真っ暗になったり、ふらついたりする症状があらわれます。最大血圧が20mmHg以上下がると起立性低血圧と診断されます。低血圧によって脳の血流量が減少しやすい場合や、自律神経のリズムが乱れているときも、起立性低血圧の症状がみられます。
起立性低血圧になるのは貧血のせい?
起立性低血圧で立ちくらみやめまいが起こるのは、心臓から押し出された血液が血管壁を押す力が弱く、脳に十分な血液が行き渡らなくなってしまったためです。これは「脳貧血」と呼ばれるもので、俗に言う「貧血(鉄欠乏性貧血)」とは異なります。
「貧血(鉄欠乏性貧血)」とは、血液に含まれるヘモグロビンが少なくなったことが原因で起こる症状です。ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ役割を持っているので、少なくなると全身のだるさや動悸、息切れといった症状があらわれます。
起立性低血圧が起きたらどうすればいい?
起立性低血圧による立ちくらみやめまいが起きたら、倒れて頭を強打することがないよう、身の安全を確保することが大切です。症状がおちつくまで、その場で座ったり、横になったりしましょう。
なお、立ちくらみやめまいといった症状は貧血(鉄欠乏性貧血)でも起こる可能性があります。もし貧血(鉄欠乏性貧血)だった場合、鉄剤などで不足している鉄分を補う必要があります。めまいやふらつきが頻繁に起こるようでしたら、念のため病院で血液検査を受けてみることをおすすめします。
どうすれば起立性低血圧を予防できる?
起立性低血圧は、普段の動作や生活習慣で気をつければ予防できます。
ゆっくり動く
寝ている状態から起き上がるときや、座っている状態から立ち上がるときは、できるだけゆっくりと体を動かしましょう。
軽い運動をする
軽いジョギングやウォーキングなどで適度に体を動かすと、心臓の機能や脚の筋肉を鍛えることができます。
睡眠を十分にとる
睡眠不足になって自律神経が乱れると、血圧調整に影響が及びます。自律神経の働きを整えるためにも、しっかり眠りましょう。
規則正しい食生活を心がける
栄養バランスのよい食事を1日3回食べることが大切です。特に、1日のスタートとなる朝食は、脳の栄養補給にもなります。
ストレスをためない
ストレスがたまると、自律神経の乱れや倦怠感など、さまざまな体の不調の原因になることがあります。十分に休息をとる、趣味に没頭する時間を設ける、リフレッシュするなど、日頃からストレスの発散を心がけましょう。
おわりに:起立性低血圧の原因は、脳に十分な血液が行き届かないことです
起立性低血圧による立ちくらみやめまいは、脳に十分な血液を送り込めないことが原因で起こります。血中のヘモグロビンの量が少ないことが原因で起こる貧血(鉄欠乏性貧血)とは異なりますので、混同しないように気をつけましょう。