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ドーパミンって、増えすぎても、減らしすぎても体によくないの?

2024年11月20日

ドーパミンってどんな物質?

ドーパミンとは神経伝達物質で、生体内アミンであるカテコラミンのひとつです。体内でドーパという物質がつくられ、ドーパからドーパミンが合成されます。ドーパミンは、ノルアドレナリンやアドレナリンが合成される前段階の物質でもあります。

交感神経節後線維や副腎皮質にはノルエピネフリンやエピネフリンというホルモンが含まれていて、ドーパミンも同じように存在しています。ドーパミンは「生きる意欲」をつくるホルモンとも呼ばれており、次のような感覚が発生したときに多量に分泌されます。

ドーパミン分泌を促す感覚

  • 意欲が刺激された 「がんばろう!」「わくわくする!」
  • 晴れやかな気持ち 「嬉しい!」「いいね!」
  • 喜びや達成感 「できた!」「やった!」
  • 感動や高揚 「すごい!」「信じられない!」

ドーパミンが減少するとみられる症状は?

ドーパミンは感覚や感情との結びつきが深い物質ですが、運動機能とも関連があります。パーキンソン病を発症した場合、ドーパミン分泌が減少して運動機能に障害を及ぼすことがあります。

ドーパミンは脳内で働く神経伝達物質であり、脳内でホルモンなどの分泌不足が発生すると、全身に何らかの影響を及ぼすためです。ドーパミンを増やす食物を摂取したからといってパーキンソン病になるわけではありませんので、ご安心ください。

パーキンソン病の代表的な症状

手足の震え

パーキンソン病の特徴的な症状のひとつであり、初期症状としてあらわれることが多いのが手足の震えです。安静にしているときでも意思に関係なく手足が震える場合は、病院を受診してください。

手足のこわばり

筋肉が硬くこわばり、動かしづらくなります。体の力を抜くことも困難になります。

姿勢反射

バランスを保つことができなくなり、反射が鈍くなります。姿勢の変更、歩行速度のコントロール、方向転換などの運動に支障を来します。転びやすくなったり、歩幅が小さくなって歩行速度が早くなったりすることがみられます。

無動、寡動

運動麻痺や筋力低下がみられないのに、動作が緩慢になります。症状が進むにつれて筋力低下を引き起こし、活動低下の悪循環を招くおそれに注意してください。

ドーパミンが増えすぎても問題があるの?

ドーパミン分泌が増えすぎて脳神経に影響を及ぼし、統合失調症を発症することがあります。生まれつきドーパミン分泌が大量であることが原因で、時間を経て脳神経に影響を与えてしまうと考えられています。ストレスや家庭環境などの外部の影響が原因ではないとされます。

統合失調症の症状

幻覚

現実にはないものが、実際に存在しているかのように感じられる症状です。幻聴では攻撃的な命令口調の声が聞こえてきます。幻視では、目の前にないものが見えるように感じられます。

妄想

現実ではあり得ないことを本当のことのように考えて、確信する症状です。周囲の人が妄想の内容を否定や訂正しようとすると、本人は不安や混乱を感じます。肯定も否定もせずに中立的立場をとり、医療機関に相談するようにしましょう。

興奮

ドーパミンによって脳神経が過剰に活動することが原因です。自力でドーパミン分泌量をコントロールすることは難しいので、医療機関を受診してください。

ドーパミンを適切に分泌させるために、食生活を見直そう

ドーパミンは、多すぎても少なすぎても病気や不調を引き起こします。症状によっては医療機関の受診が必要ですが、食生活の改善である程度の分泌量調整を目指すことはできます。

分泌量を増やしたいか減らしたいかによって、摂取する食品は異なります。症状に応じて食生活を見直してみましょう。

ドーパミンの原料

ドーパミンの原料はたんぱく質ですので、必須アミノ酸やアミノ酸を含む食品をきちんと摂取することで安定的に分泌されます。肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)、魚、大豆食品に多く含まれます。たんぱく質の代謝を助けるビタミンB群とミネラルも一緒に摂取しましょう。

ドーパミンを増やす食べ物

体を刺激する食品に多く含まれています。カフェインを含む飲料や、スパイスを使った料理などです。

ドーパミンを減らす食べ物

セロトニンを活発にする食品を摂取することで、ドーパミンの働きを抑制します。セロトニンはトリプトファンによって分泌が促進されます。トリプトファンを多く含む食品は肉類や種子類です。

おわりに:ドーパミンは多すぎても少なすぎても不調を招くことに注意

ドーパミンはポジティブな感覚と深い関係を持つ神経伝達物質で、生きる上で大切な働きを持ちます。大人だけでなく、成長期である思春期にも大切になってくる神経伝達物質です。適正な量の分泌を保つために、異常を感じたらすぐに医療機関を受診してください。普段の食生活で調整することで、悪化を防ぐようにするとさらに効果的です。

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