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これから気になる紫外線、そのメリット・デメリットや対策を知ろう
2024年4月24日
紫外線ってどんなもの?
紫外線は英語で Ultra Violet と呼ばれるもので、A波(UV-A)、B波(UV-B)、C波(UV-C)の3種類に分類されます。紫外線が皮膚に当たると皮膚のたんぱく質が変質し、エラスチンが破壊されます。エラスチンは肌の弾力性を保つ線維のため、破壊されるとシワができたり、肌の弾力が失われたりします。日焼けは肌の老化の大きな原因とされており、「光老化」を招くと考えられています。
A波(UV-A)
A波は紫外線の中で最も波長の長い光です。メラニン色素が皮膚に沈着して、肌が黒くなる日焼け(サン・タン)を引き起こします。皮膚の真皮まで浸透し、エラスチンを破壊します。A波が破壊した組織は元に戻らないと考えられています。
B波(UV-B)
B波はA波より波長が短い光で、皮膚表面の細胞を破壊します。皮膚が赤くなって炎症が起こる「サン・バーン」を引き起こします。皮膚がんや白内障の原因と考えられています。 紫外線が当たった部分のDNA分子はDNA配列やDNA複製が正常に行われず、DNAに突然変異が起こることがあります。
C波(UV-C)
紫外線のなかで最も波長が短い光で、B波よりも有害とされています。
紫外線のメリット・デメリットは?
【メリット】ビタミンDの生合成
ビタミンDは、カルシウム生成に必要な栄養素です。ビタミンDは、日光浴をすると生成されます。
【メリット】 光線療法
皮膚科の治療で、B波に含まれる一部の波長を用いることがあります。これが特殊な機械を使って照射する光線療で、乾癬、アトピー性皮膚炎などの治療に使われています。
【デメリット】 日焼け
メラニン色素が皮膚に沈着して肌が黒くなったり(サン・タン)、皮膚が赤くなる(サン・バーンを引き起こします。
【デメリット】 光老化
紫外線を浴び続けていると、シミ、しわ、皮膚の腫瘍があらわれることがあります。
【デメリット】 免疫反応抑制
皮膚の免疫反応を抑制することがあります。
【デメリット】 光線過敏症
日光を浴びることでさまざまな皮膚症状が出てしまう光線過敏症という病気があります。この病気の主な原因のひとつとして、紫外線が考えられています。
【デメリット】 目のダメージ
紫外線は、角膜炎や白内障などの病気を引き起こすことがあります。
紫外線が強い時期・時間帯は?
紫外線は場所や時期、時間帯によって量が変動します。
場所
日本では南に行くほど紫外線量が多くなります。
時期
日本では5月~9月頃に紫外線量が多くなる傾向があります。紫外線は真夏に多くなるイメージがありますが、春くらいから紫外線量が増えてきます。
時間帯
夏には10時~14時の間に1日の約60%の紫外線が観測されます。この時間帯は紫外線の量が多くなります。
そして、紫外線が降り注ぐのは晴れの日だけではありません。曇りや雨の日にも、紫外線は雲を突き抜けて地上に降り注ぎます。
紫外線量(晴れの日と比較)
- 薄曇りの日 約80~90%
- 曇りの日 約60%
- 雨の日 約30%
曇りの日は雲が太陽光を散乱させるため、晴れた日に比べて紫外線量が多くなることがあります。また、海岸も砂浜や海面で紫外線が反射するため、実際の紫外線よりも10~25%多い紫外線を浴びる場合があります。
紫外線から肌を守るには?
紫外線の影響を防ぐためには、日々の生活に紫外線予防を取り入れることが大切です。
外出の時間帯を意識する
朝10時~午後4時頃までは紫外線が強い時間帯です。この時間帯に外出するときは、必ず日焼け止めを塗りましょう。
帽子や日傘を活用
帽子をかぶる、日傘を使うなど、衣類の紫外線対策を取り入れましょう。ただし、地面や建物から反射してくる紫外線もあるので、日焼け止めを塗ることも忘れないでください。
UVカット素材などの服を着用する
皮膚に届く紫外線を減らすためには、UVカットの衣服を着用がおすすめです。編み目のしっかりとした生地の衣服も、太陽光をある程度遮断してくれます。
サングラスをかける
紫外線は目にダメージを与えます。紫外線カット効果を持つサングラスやメガネの使用で、目へのダメージを軽減できます。紫外線が目に入るときは、正面だけでなく、上下、横、後ろからもやってきます。目を紫外線から守るためには、顔にフィットしたレンズサイズの大きなものが理想的です。 なお、色の濃いサングラスは瞳孔が大きく開きますので、紫外線カットが十分でないとたくさんの紫外線が目に入る恐れがあります。
おわりに:紫外線の特徴を理解して肌を守りましょう
紫外線にはA波、B波、C波がありますが、今のところ私たちの肌に影響を及ぼすのはA波、B波です。紫外線量が増える時間帯は、日焼け止めをしっかりと塗る、帽子や日傘、UVカット衣類、サングラスなど、を活用して体を守りましょう。