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アキレス腱が痛くなる原因として考えられることは?痛みを防ぐ方法はある?

2024年8月21日

アキレス腱とは

アキレス腱は、足首の後ろ側かかとのすぐ上にある腱です。ふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋の共通の腱で、かかとの骨の隆起している部分に付着している、人体の中で最も大きな腱です。

アキレス腱の働き

アキレス腱のおもな働きは、足関節の底屈運動です。底屈とは、足首の関節を足の裏方向に折り曲げ、つま先を伸ばしていく状態までの運動を表します。
直立状態から「つま先立ち動作」を行うときに下腿筋群(ふくらはぎの筋肉)と一緒に働きます。また、歩いているときにかかとの部分にかかる荷重を調整する働きも持っています。

アキレス腱周囲膜(パラテノン)という結合組織で覆われていて、アキレス腱の前の部分にはケーラー脂肪体という脂肪組織があります。アキレス腱に炎症が起こると、この脂肪組織の周りに異常な血管が多くみられるようになります。

アキレス腱が痛くなる原因は?

アキレス腱が痛くなる原因としては、以下のような状況が考えられます。

アキレス腱断裂

アキレス腱断裂はスポーツをしている人に起こることが多く、腱の断裂では最も多いけがです。バレーボールや、テニス、ソフトボール、サッカーで足を踏み込んだときなどに突然起こります。足首を動かせるのでなんとか歩けますが、つま先立ちやジャンプはできません。

アキレス腱断裂の原因

アキレス腱断裂は、ふくらはぎの筋肉に強い力が加わり、アキレス腱に瞬間的に力が加わりすぎたことが原因で発症します。また、アキレス腱の部分はもともと血行が悪く、疲労や加齢によって柔軟性がなくなることも原因となります。
断裂すると、その部分に強い痛みや内出血による腫れなどがみられます。

アキレス腱の炎症

アキレス腱の炎症には、アキレス腱周囲炎とアキレス腱滑液包があります。

アキレス腱周囲炎

かかとから5cmくらい上でアキレス腱が腫れて痛みます。ランニングやジャンプをする競技(バレーボール、バスケットボール、体操)などをしている人によくみられます。アキレス腱の使いすぎが原因です。

アキレス腱滑液包炎

アキレス腱滑液包炎を発症すると、アキレス腱から少し上が腫れて両横から押さえると痛みます

登山、ランニングやスキーなど長く靴を履いて運動するときに起こりやすく、滑液包はクッションの働きをするため、靴のかかとに当たる部分が硬すぎるなど、かかとへの衝撃が強くなることが原因のひとつではないかと考えられています。

アキレス腱の痛みを和らげるにはどんな治療法がある?

アキレス腱炎が直接アキレス腱断裂につながるわけではないものの、アキレス腱炎を放置するとアキレス腱に負荷がかかってしまうため、結果的にアキレス腱断裂を発症するリスクが高まります。

アキレス腱が断裂した場合は、手術での治療かギプス固定などによる保存療法が必要です。このような状態にならないためにも、アキレス腱炎は早めに改善しましょう。

アキレス腱炎のケア

アキレス腱炎の改善には、アキレス腱部分の柔軟性とともに下半身全体の柔軟性を高める必要があります。
運動の前後にはウォーミングアップとクールダウンを忘れずに行い、運動後にふくらはぎの緊張や張りがみられる場合はマッサージでほぐしてあげてもいいでしょう。

また、アキレス腱炎はヒールを履く機会が多い人など、運動習慣と関係なく発症することもあります。足に負担をかけないようにするために、自分に合った靴を選びなおす、インソールで足にかかる負担を調節するといった工夫をしましょう。

アキレス腱が痛いときの応急処置は?

アキレス腱に痛みが出たときに無理に動かすと、症状が悪化することがあります。以下のように応急処置を行いましょう。

  • 痛みのある部位を氷水やアイスノンなどで冷やす
  • アキレス腱の負担になるような運動を避けて安静にする
  • 痛みが強いときは市販の痛み止めを服用する
  • 痛みが強いときは痛みのある方の脚をクッションなどで高くした状態で横になる

これらの応急処置をしても痛みが引かない場合や、再発を繰り返す場合はできるだけ早く病院を受診しましょう。

アキレス腱が痛いときにしてはいけないことは?

ストレッチでふくらはぎの筋肉の柔軟性を高めることは大切なことですが、痛みがあるときにきついストレッチをすると痛みがひどくなることがあります。
アキレス腱が痛いときはストレッチを控えましょう。また、炎症を起こしているときは「患部が傷ついている状態」なので、押したり揉んだり、マッサージすることは避けましょう。

アキレス腱に限ったことではありませんが、痛みが起こってすぐは炎症がひどく患部を休ませなければいけない状態です。
運動やストレッチ、マッサージはしばらく中止して、足に負担をかけないようにしましょう。

おわりに:アキレス腱が痛いときはお休みが必要。長く続くときは早めに病院へ

アキレス腱は歩くのに必要な部分を占めており、足への負担が蓄積したり、大きな衝撃が加わることで損傷し痛みを発症します。アキレス腱炎の予防には運動の前後にウォーミングアップとクールダウンを行い、下半身全体の筋肉の柔軟性を高める必要がありますが、痛みがあるときにストレッチや運動をすると痛みを悪化させますので、痛みがあるときは患部をきちんと休ませてください。

また、間違ったストレッチはかえってアキレス腱の痛みの原因になることもあります。ストレッチは、専門家に正しいやり方を教えてもらい、痛みが続くときは早めに整形外科を受診してください。

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