子育て
性同一性障害の人にみられる特徴は?親としてどう向き合えばいい?
2024年5月1日
性同一性障害の幼児期の特徴は?
性同一性障害の兆候は、早ければ自我がはっきりしだす3~5歳くらいの幼児期から顕著に現れてきます。
以下に男児・女児それぞれに現れやすい性同一性障害の特徴をまとめましたので、参考にしてくださいね。
幼児期の性同一性障害の男児に現れやすい特徴
- おままごとや人形遊びなど、女児の好きな遊びばかりしている
- ごっこ遊びでは、お母さんやお姉さんなど女性の役回りをいつも希望する
- 複数人で遊ぶとき、いつも女児のグループに入って一緒に遊んでいる
- 布やタオルを身体に巻いて、ドレスやスカートを作って遊ぶことが多い
- Tシャツにズボン、青や緑色など、男児らしいデザインの服装を嫌う
- フリルやリボン、レースのついた女の子らしい服やアクセサリーを欲しがる
- 女児のように、便器に座って排尿をしたがる
- 本人が、自分は男の子ではなく女の子だと主張している
幼児期の性同一性障害の女児に現れやすい特徴
- スポーツや戦いごっこなど、男児の好きな遊びばかりしている
- ごっこ遊びをするときは、お父さんやお兄さんなど男性の役回りを希望する
- 複数人で遊ぶとき、いつも男児のグループに入って行動をともにしている
- 虫や車、機械など男の子が好む傾向が強いものばかり興味を示す
- スカートやピンク、赤色など女の子らしいデザインの服装に強い拒絶反応を示す
- 半ズボンや青・緑色のスニーカーなど、男の子らしい服や靴を欲しがる
- 男児のように、立ったまま小便器などに排尿したがる
- 本人が、自分は女の子ではなく男の子だと主張している
思春期にみられる性同一性障害の特徴は?
思春期に入り第二次性徴が始まると、女性の体は胸が大きくなって丸みを帯びてより女性らしく、男性の体は体毛が濃く大きくなってより男性らしくなっていきます。
自分が思う性別とは真逆の見た目に変化していく身体に違和感を覚え、嫌悪感をも抱くようになり、苦しい思春期を過ごす性同一性障害の子供は少なくありません。
以下に、思春期の性同一性障害の子供たちに見られる特徴を男女別にまとめましたので、気になるようでしたら確認してみてください。
思春期の性同一性障害の男性に現れる特徴
- 声変わりした低い声を嫌い、意識的に高い声を出したり、話さなくなる
- 髪を長くして、少しでも女性らしくしようとする
- 同性である男性よりも女性と行動することを好み、男性の前で恥ずかしがる
- 男性用の制服を着て学校に行くことに対し、辛そうにしている
- 濃くなってきたすね毛や腋毛など、体毛を剃って女性らしく振舞おうとする
思春期の性同一性障害の女性に現れる特徴
- 高い声を嫌がるようになり、意識的に低い声で話そうとする
- 髪を短く切って、少しでも男性らしい見た目になるように努力している
- 同性である女性よりも男性と行動することを好み、女性の前で恥ずかしがる
- 制服のスカートを履いて学校に行くことを嫌がり、ジャージを履くなどしている
- 大きめの服を着る、さらしを巻くなど胸や身体のラインを隠そうとする
子供が性同一性障害の可能性がある場合、親としてできることは?
自認する性と身体の性との違いに苦しむ息子・娘を持つ親ができることは、まずは自分の子供に起こっている「性同一性障害という現実」を認め、理解することです。性同一性障害とはどういうものか、子供にいま何が起こっているのか、それを子供と一緒に学んでいき、子供の苦しみを共有してあげると良いでしょう。
親として苦しむ息子・娘の姿を見るのは非常に辛いでしょうし、生まれ持った身体の性にあわせて生きてほしいという気持ちを持つかもしれません。
しかし、子供に「身体の性にあわせて生きてほしい」という親本位の希望を伝えることは、性別について必死に葛藤する子供を否定しているとも捉えられます。
子供にとって親がどんなときも味方でいてくれること、愛されていると自覚できる状況は、何よりの救いです。
親の希望を無理やり押し付けたり、子供の葛藤を否定するのではなく、子供の話を聞いて一緒に状況を理解し、彼らの意思や考えを尊重する姿勢を示してあげてください。
おわりに:子供に性同一性障害の特徴が見られたら、親として理解し認める姿勢を「見せてあげよう
性同一性障害の特徴は、幼児期の頃から現れるといわれています。親が身体の性にあわせた養育をしようとしても強く拒否するなら、あなたの子供は性同一性障害かもしれません。親としては性別に苦しむ子供を見て複雑な気持ちになることもあるでしょうが、子供にとって親が味方になってくれるのは何よりも心強いものです。まずは彼らの葛藤を認めたうえで、彼らの意思を尊重して協力する姿勢を見せてあげましょう。