子育て
アレルギー性鼻炎の症状で、微熱や咳が出ることはある?
2023年12月13日
アレルギー性鼻炎の症状ってどんなもの?
アレルギー性鼻炎の主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりです。これら全てに共通することは、症状が長く続くということです。数回〜数十回連続するくしゃみや、さらさらと流れ続ける鼻水はアレルギー性鼻炎の代表的な症状です。
何度も繰り返すくしゃみ・流れ続ける鼻水
くしゃみや鼻水は、アレルギー性鼻炎にも風邪にも共通する特徴です。しかし、アレルギー性鼻炎の場合はくしゃみは数回〜数十回と長く続き、鼻水はさらさらと水っぽく流れ続けます。
また、くしゃみや鼻水の回数によって、重症度を診断します。くしゃみか鼻水のどちらか多い方で判断し、連続するくしゃみは1回と数えます。
程度 | 診断基準 |
---|---|
軽症 | 5回以下 |
中等症 | 6〜10回 |
重症 | 11回〜20回 |
最重症 | 21回以上 |
基本は軽症・中等症・重症の3つの区分で判断しますが、花粉症で特に重篤な症状の方は最重症という区分に診断されることがあります。
呼吸ができないほどの鼻づまり
アレルギー性鼻炎では、鼻で呼吸が困難になるほどの鼻づまりが起こることもあります。
程度 | 診断基準 |
---|---|
軽症 | 口呼吸は必須ではないが、鼻づまりを感じる |
中等症 | 鼻づまりが強く、口呼吸を1日のうちに何度か必要とする |
重症 | 鼻づまりが非常に強く、口呼吸をしている時間が長い |
最重症 | 1日中ずっと鼻づまりが続いており、鼻呼吸は非常に困難である |
鼻づまりもくしゃみ・鼻水と同じように、基本は軽症・中等症・重症の3つの区分で判断しますが、花粉症で特に重篤な症状の方は最重症という区分に診断されることがあります。
日常生活への影響はどのくらいなの?
軽症・中等症・重症・最重症それぞれの目安として、日常生活への支障度も設定されています。
程度 | 診断基準 |
---|---|
軽症 | 仕事にほとんど支障がない |
中等症 | 軽症と重症の中間程度 |
重症 | 仕事が手につかないほど苦しい |
最重症 | 全く仕事ができない |
軽症の場合は仕事を含め、日常生活に大きな支障がないので放っておいても問題はありませんが、中等症以上の状態になると仕事の効率や生産性が大きく損なわれる恐れがあります。
アレルギー性鼻炎で微熱や咳が出ることはある?
アレルギー性鼻炎は風邪と似た症状が出ることは先ほどお話しましたが、それでは風邪の症状として代表的な微熱や咳は、アレルギー性鼻炎でも発症するのでしょうか?
アレルギー性鼻炎と風邪の熱の違い
アレルギー性鼻炎と風邪では、熱の出方に大きな違いがあります。
アレルギー性鼻炎 | 風邪 |
---|---|
ほとんど出ることはない まれに出た場合、微熱 | 熱が出ることは多い 微熱から高熱まで出ることがある |
アレルギー性鼻炎の場合、熱はほとんど出ることはありません。風邪の場合、体内に侵入したウイルスや細菌を増殖させないため、また免疫細胞の活動に適した温度にするために発熱します。このため、風邪では発熱することは珍しくありません。
ただし、38℃を超える高熱の場合、風邪ではなくインフルエンザなどの重い疾患である可能性があります。高熱が出た場合は自己判断せず、医師の診断を仰ぎましょう。
アレルギー性鼻炎と風邪の咳の違い
アレルギー性鼻炎と風邪では、咳の出方にも少し違いがあります。
アレルギー性鼻炎 | 風邪 |
---|---|
出ることがある程度 | 数日間続く |
咳が起こるのは、外からのほこりや煙、ウイルスなどを取り除くためと、気道に溜まった痰を排出するための2つの意味があります。前者の場合はアレルギー性鼻炎の場合も風邪の場合も起こることがありますが、後者の場合は風邪の主要な症状です。
アレルギー性鼻炎か風邪かを見分けるチェックポイントはある?
アレルギー性鼻炎と風邪は、どのようなチェックポイントで見分けたら良いのでしょうか?
これまで見てきたことをまとめ、以下のような項目に注目すると見分けがつきやすいです。
症状 | アレルギー性鼻炎 | 風邪 |
---|---|---|
鼻水 | 透明なで水っぽく、さらさらしている 流れ続ける | 初期は水っぽくさらさらしている 次第に粘り気が出始める 黄色みを帯びていることが多い |
鼻づまり | 症状が強く、長く続く 花粉症では朝方に見られることが多い | 数日間続く 時刻による症状の差はない |
くしゃみ | 数回〜数十回連続して出る | 続いても2〜3回と短い |
その他 | 症状はほぼ上半身に限定される 期間が長い(数ヶ月〜通年) 目と鼻、のどのかゆみ(花粉症) 肌が荒れる(花粉症) | 下痢などを伴うこともある 数日〜10日程度で治る 筋肉痛・関節痛を伴う 目には症状が現れにくい |
このように、アレルギー性鼻炎と風邪の症状は似ていますが、よく見るとたくさんの違いがあります。病気の自己診断は危険ですが、これらのチェックポイントを参考に、風邪の疑いが強いなら内科、アレルギー性鼻炎の疑いが強いなら耳鼻咽喉科、といったように、初めにかかるべき診療科を決めるのは非常に有効です。
おわりに:アレルギー性鼻炎で微熱や咳が出ることもあるが、多くは風邪の症状
アレルギー性鼻炎でも微熱や咳の症状が出ることもあります。しかし、アレルギー性鼻炎だけを発症している場合、その症状はほとんど重くなることはありません。
もし、微熱とはいえない37℃を超える高熱が出る、咳が長く続く、痰が絡むなどの症状が出た場合は風邪の疑いが強いです。無理をせず、最寄りの医療機関を受診しましょう。