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タミフルでインフルエンザを予防できる?薬の効果と副作用とは!?
2023年10月4日
タミフル®の予防投与とは
タミフル®などの抗インフルエンザ薬には、体内でインフルエンザウイルスの増加を防ぐ作用があります。このタミフル®を予防薬として使う場合、原則として、治療で使う量の半分を治療の倍の期間である7~10日間使用します。しかし、発症を予防できるのは、服用している期間中だけであるうえ、ワクチンと同様、予防のための場合は公的医療保険は使えず自費診療の扱いとなることにも注意が必要です。
さらに、抗インフルエンザ薬の予防投与を受けるためには、原則として「(1)家族など同居する人がインフルエンザにかかっている」「(2)かかった場合に重症になりやすい」という2つの条件を満たす必要があります。
特に、「(2)かかった場合に重症になりやすい」という判断をされるには、「65歳以上の高齢者」「気管支喘息など慢性の呼吸器疾患を患っている人」「心不全など慢性の心臓病を患っている人」「糖尿病などの代謝性疾患を患っている人」「腎臓病を患っている人」という条件のどれかを満たす必要があります。
もしもこれらの条件を満たさないまま予防接種をした場合、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となってしまい、補償が受けられません。そのため、処方してもらえるかどうかは医師の判断になります。
治療薬としての効果
タミフル®は、インフルエンザの予防薬だけでなく、治療薬としての作用もあります。インフルエンザのウイルスは、鼻やのどの粘膜から体内に入り、非常に速いスピードで増殖していきます。増殖する時間は、ウイルスが増殖を始めてから48時間ほどといわれています。
その際、「ノイラミニターゼ」という酵素が、ウイルスの増殖を助けるはたらきをしますが、タミフル®などの抗インフルエンザ薬は、このノイラミニダーゼのはたらきを阻害することができるのです。これにより、ウイルスが細胞内に閉じ込められ、結果的に死んでいきます。
そのため、タミフル®を服用するのは、発症からなるべく早い段階であればあるほど効果的です。逆に、時間が経ちすぎている場合効果があまり期待できないので、解熱剤の使用や二次感染の予防に治療方法を切り替えます。
タミフル®の副作用
タミフル®は、一般的には安全な医薬品とされています。しかし、まれに副作用が出ることもあるので注意が必要です。たとえば、下痢や嘔吐、動悸や息苦しさ・血圧の低下・白目の異常などのほかに、蕁麻疹・皮膚の発赤・ただれや水ぶくれ・口内炎・結膜炎などの皮膚の異常、さらには血便や尿量の減少や、意識の混濁などの副作用があります。異常を自覚したときは必ず、早めに医師に相談してください。
頭痛や吐き気、下痢はインフルエンザの症状と区別しにくい
頭痛や吐き気、下痢という症状は、体の不調として表れやすいため原因の特定が難しいものです。例にもれず、インフルエンザの感染症状としてもこれらの症状が表れますが、他にも予防接種の段階でおこる「副反応」や、治療薬の副作用としても表れることがあるのです。
インフルエンザに感染したときは、体が腸内に侵入したウイルスを外に出すためにこれらの症状を引き起こします。このときに痛み止めや下痢止めなどを飲んでしまうと、ウイルスの排出を妨げてかえって症状が長引いてしまうので注意が必要です。
一方、体の免疫作用を期待して行う予防接種の場合、下痢などの症状は「副反応」と呼ばれ、体の反応のひとつという見方をします。予防接種を受けた人の中の、約5〜10%が、下痢・吐き気・嘔吐などの消化器症状がでるといわれていますが、通常2〜3日でおさまります。
さらに、治療の段階で服用したタミフル®の副作用としても下痢や嘔吐の副作用があります。症状だけでは、何が原因の頭痛や下痢、嘔吐なのかが判別しづらいですが、もしも薬の服用後に症状がでるようならタミフル®の副作用の可能性が高いといえます。辛い場合は医師に相談をしましょう。
タミフル®の飲み方
タミフル®は、服用する目的によって飲み方が変わります。まず、予防目的の場合、1日1回の服用を10日間続けます。治療目的の場合、1日2回の服用を5日間続けます。ただ、治療薬として服薬する場合、たとえ症状が治まったと思っても、服用を途中でやめてはいけません。再発だけでなく、薬に耐性を持つウイルスを生み出すことにもつながってしまいます。治療・予防どちらの場合も決められた用量を飲み切ることが推奨されています。
そのほかの注意点として、授乳中の方は服用中授乳をやめること、同時にアルコールを摂取しないようにすることなどが挙げられます。
おわりに:タミフルのはたらき、注意点を理解して服用しよう
タミフル®は、体内でインフルエンザウィルスの増加を防ぐ作用があります。予防薬としても治療薬としても服用できますが、予防として投与を受ける際には、特定の条件を満たす必要があります。頭痛や下痢など、インフルエンザの症状そのものと見分けがつきにくい副作用があること、そして服用方法をしっかり守る必要があることに留意してください。