子育て
離断性骨軟骨炎の好発部位と病型ごとの治療法について
2023年10月4日
離断性骨軟骨炎はどんなケガ?
離断性骨軟骨炎は関節の中に軟骨が落ちてしまう症状で、スポーツをしている人によく起こります。男性のほうが女性より2倍発症しやすく、10代で多くみられます。
離断性骨軟骨炎を発症する原因は、スポーツなどで軟骨下骨に負荷が加わり続けることだと考えられています。スポーツで同じ動作を繰り返したり、怪我をしたりして部分的に弱くなってしまうと、その部位だけが強い負荷を受けることになって骨が壊死することがあります。そうすると骨軟骨片が骨から離れ、進行すると関節内で遊離します。
軟骨と軟骨下骨が欠けた関節は骨同士がぶつかりやすくなっているため、関節を動かした時に強い痛みが生じることがあります。また、関節の曲げ伸ばしがしづらくなることもあります。離断性骨軟骨炎は同じ動きを繰り返すなど、特定の部位にストレスがかかり続けることが原因で発症するため、その部位への負担を減らすことが重要です。
離断性骨軟骨炎が起こりやすい場所は?
離断性骨軟骨炎が起こりやすい部位は決まっています。最も多いのが肘(ひじ)関節に起こるものです。野球をしている人に多発するため「野球肘」と呼ばれるほどで、特にピッチャーやキャッチャー経験のある中高生に多いという特徴があります。ボールを投げる機会が多く、肘に負担がかかるためです。
膝関節では大腿骨の内側が多く、そのほかに膝蓋骨に発症することもあります。膝関節を内側にねじる動作をする時に痛めやすい部位で、膝をひねりながらボールを蹴るサッカーや、ターンやステップをすることが多いバスケットボールやテニスなどが発症しやすいスポーツです。また、野球やゴルフもスイング時に膝をねじるため、膝関節の離断性骨軟骨症を起こしやすくなります。
足首の関節では、足関節の骨である距骨の脛骨面にみられます。これは足首を内側にひねる動作をした時に痛めることが多い部位で、サッカー、バレーボール、ラグビーなど、走ることやジャンプすることが多いスポーツでよく発症します。
離断性骨軟骨炎の病型と治療法について
離断性骨軟骨炎は、病状が進むにつれて3段階に分類されています。
症状が最も軽い時期は透亮期と呼ばれます。関節軟骨の下の骨に負荷がかかり、一部が壊死している状態ですが、軟骨面はまだつながっています。初期段階のため、この時期であれば安静にしていると症状が改善する可能性があります。
病状が進行すると、分離期と呼ばれる時期になります。これは壊死を起こした部位とその下の骨との間に分離している部分が出始めます。安静にしていれば治る見込みがある最後の段階です。
これ以上進行すると、完全に壊死した部位とその下の骨が分離してしまい、骨癒合を目的とした手術を行う必要が出てきます。この状態から進行していったのが遊離期で、壊死した軟骨下骨のかけらは元の位置から動き、関節内を浮遊している状態になります。ここまで病状が進んでしまうと、手術を行わないと自然に治ることは難しくなるでしょう。手術は剥がれた骨軟骨を再接着させるものが多く行われています。
おわりに:肘や膝、足首などに発症しやすい離断性骨軟骨炎。早い段階で治療をすれば、手術なしで回復する
離断性骨軟骨炎は、スポーツなど、繰り返し同じ動作をすることが多い人に多くみられる症状です。早い段階で治療を始めれば、安静にしていれば症状が落ち着くこともあります。関節を動かしたときに痛みが出るときは、無理をせず休んだり、医師に診てもらいましょう。