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喉が痛いときに考えられる病気ってやっぱり風邪?ほかにもある?
2023年9月13日
喉が痛いときに考えられる病気は風邪だけじゃない?
喉が炎症を起こすと痛みを感じます。風邪による炎症は自然と治ることもありますが、炎症の原因によっては適切な治療を行なわなくてはいけません。
喉に炎症を引き起こす病気として、風邪のほかにもさまざまなものがあります。
上気道炎(風邪による炎症)
上気道炎は、いわゆる喉の風邪のことです。
喉の粘膜にウイルスや細菌が付着し、これらを排除しようと免疫機能が働いた結果、炎症を起こします。
痛みや赤み、腫れや発熱を引き起こすこともあり、多くの場合ウイルスが原因なので時間の経過とともに良くなりますが、細菌による喉の炎症は重症化するケースもあるため、注意が必要です。
ウイルスによる上気道炎の特徴は、咳がある、つばが飲み込める、口をしっかり開けられることがあげられます。
このような状態ではない喉の炎症では、風邪以外に病気が隠れている可能性があります。
喉頭蓋炎(こうとうがいえん)
喉頭蓋とは、舌の付け根のすぐ後ろにある器官で、食べ物が食道へ行く際、誤って気管に入らないように蓋の役割をしています。
すぐ近くには声帯があり、喉頭蓋炎になると空気も食べ物も通りにくくなり、呼吸がしづらくなります。
症状は喉の痛みや発熱のほか、呼吸に合わせて「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がします。
くぐもってはっきり聞こえないような声になったり、つばも飲み込めないようになったりしている場合には、喉頭蓋炎の可能性が考えられます。
急性喉頭蓋炎になった場合、症状が急速に進行して、窒息などの命に関わることもあるため、急いで医療機関を受診する必要があります。
亜急性甲状腺炎
甲状腺は、喉ぼとけから親指2本分くらい下の方に位置する器官です。
新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンの分泌を行っている器官で、何らかのウイルスが原因となり甲状腺の組織が壊れると、血液中に甲状腺ホルモンが漏れ出します。
首を触られるだけでも激しい痛みを感じ、あごや耳、肩などにも痛みが生じることもあります。発熱や食欲不振、筋肉痛などの症状があらわれることもあります。
「亜急性」とは急性よりも長く続き、慢性的に続くものではない状態で、1~2カ月ほどの経過で落ち着きます。
喉の痛みの原因がウイルスや細菌が原因じゃないことも…。
ほかにも、炎症以外が原因で喉に痛みを引き起こすものがあります。
異物
魚の骨や錠剤の包装など、誤って異物を飲み込んでしまい、喉の粘膜に傷をつけると痛みが生じます。
心当たりがあって痛みが改善しない場合には、医療機関で診察を受けるのがおすすめです。
咽頭腫瘍
喉には腫瘍ができることもあります。良性でも悪性でも、腫瘍周辺の粘膜が荒れたり神経が刺激されたりすると痛みを感じます。
良性の咽頭腫瘍は声帯ポリープと呼ばれます。カラオケや演説など、喉を酷使することによって声帯の粘膜に出血が起こり、血腫が繰り返し作られるとポリープが生じると考えられています。ポリープが小さければ、喉を安静にすることで数か月以内に治ることもありますが、場合によっては切除するケースもあります。
一方、悪性の咽頭腫瘍を咽頭がんと呼び、中高年の男性で、喫煙している人に多く発症します。腫瘍が小さければ放射線による治療が中心ですが、腫瘍が大きい場合には、喉頭全摘出術などの手術が必要になります。
喉の痛みで病院に行きたいときは、何科にいけばいい?
喉に何かしらの異常が起こり、息苦しさや発声に変化があったり、喉の痛みが長期間改善しなかったりするときには、医療機関の受診が必要です。
原因によって診療科目が変わる場合もありますが、まずは内科や耳鼻咽喉科を受診してください。
いつから症状が続いているのか、原因となる心あたりや、痛み以外にはどのような症状があるのかしっかりと伝えましょう。
おわりに:喉の痛みは放置せず病院へ
喉は食べ物を飲み込んだり、発声したり、空気の通り道になったり、たくさんの役割を担っています。
風邪による喉の痛みは、時間の経過とともに良くなりますが、それ以外が原因の場合、放置したままにしておくと、危険な状態になる可能性があります。長期間症状が改善しない場合には、医療機関を受診しましょう。