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ペルーに伝わる伝統的なハーブ、キャッツクローの効果とは?
2023年8月30日
キャッツクローとは?
キャッツクローとは、アマゾンの熱帯雨林の奥地、ペルーを原産地とするアカネ科カギカズラ属の大型蔓植物です。その名の通り、葉の付け根には猫の爪の形に似たトゲが生えており、黄みがかった白く小さい花を咲かせます。キャッツクローは古来より薬効があるとされ、インカ帝国が繁栄していた時代からインディオ(ペルーの先住民)の間では伝承薬として重宝されていました。現在でもその薬効が注目されており、様々な研究が進められています。
キャッツクローの有効成分には、アルカロイド、トリテルペン、キノビック酸グルコシド、ポリフェノール、プロアントシアニジンが挙げられます。アルカロイドとは、植物から取れる、窒素を含む塩基性の有機化合物です。キャッツクローには以下のようなアルカロイドが含まれています。
- イソプテロポディン
- プテロポディン
- イソミトラフィリン
- ミトラフィリン
- イソリンコフィリン
- リンコフィリン
- スペシオフィリン
- ウンカリン
キャッツクローにはどのような効果があるの?
キャッツクローには、以下の効果が期待されています。
リウマチの改善
キャッツクローの効果の1つは関節リウマチの改善です。関節リウマチとは、体の免疫機能に異常が生じることが原因で発症するもので、関節に炎症が起こったり関節が変形したりし、腫れや激しい痛みといった症状が現れます。
キャッツクローに含まれるイソプテロポディンというアルカロイドは、免疫細胞である白血球の作用を促すことで、免疫機能を高める働きをすることが明らかになっています。そのため、免疫機能が正常に働くことがリウマチの改善につながると考えられているのです。さらに、キャッツクローには抗炎症作用を持つアルカロイドも含まれていることから、関節の炎症が抑えられ、リウマチによる激しい痛みや腫れにも効果があるとされています。
関節炎の改善
キャッツクローには、関節炎の改善効果も期待されています。これは、キャッツクローのアルカロイドには抗炎症作用と血流促進作用があるためです。
関節炎とは、何らかの菌への感染や疾患、外傷などによって体の様々な関節に炎症が起こり、関節の腫れや痛み、場合によっては発熱といった症状が現れるものを指します。動かさなくても痛い、触れるだけで激しい痛みが走るといったケースもあります。
キャッツクローに含まれるアルカロイドは、関節の炎症に作用してつらい痛みを軽減するだけでなく、血流を改善することで関節の筋肉の動きを助けます。こうしたことから、関節炎だけでなく腰痛や神経痛といった症状への作用も期待されています。
キャッツクローってどうやって摂取するの?
キャッツクローを摂取するには、どんな方法があるのでしょうか。
伝統的な飲み方
原産地であるペルーにおいては、キャッツクローは古来より、切った蔓から出てくる樹液をそのまま飲んだり、樹皮を剥がして熱湯で煎じ、お茶のようにして飲んだりすることが一般的でした。キャッツクローが摂取されるようになってから現在に至るまでこの摂取方法は伝承されており、キャッツクローの樹皮を剥がして乾燥させたものがマーケットで出回っています。ペルーの市民の間でもキャッツクローを煎じて飲む習慣は浸透しているといわれています。
ただし、その都度キャッツクローを煎じて飲むのは手間がかかるものです。そのため、近年では細かく砕かれたキャッツクローの樹皮をティーバッグにした商品も販売されており、以前よりも、より手軽に飲めるようになっています。
日本ではどのように摂取することができるの?
キャッツクローは日本から遠く離れたペルーで採れるものですが、日本でも手に入れることができます。とはいえ、昔ながらの熱湯で煎じる方法ではどうしても時間も手間もかかります。
日本で販売されているのは、キャッツクローのエキスをソフトカプセルに入れて飲みやすくしたサプリメントや、ティーバッグ、キャッツクローの樹皮のエキスが粉末や液体、痛みや腫れが気になるところに直接塗布できるようにジェルやペーストにされているものなどです。
サプリメントでは、キャッツクロー単体でなく、他の様々な栄養分などが含まれているものも販売されています。また、特に日本で販売されているキャッツクローのサプリメントやティーバッグでは、使用するキャッツクローが厳正に定められているものが多いようです。
効果的な飲み方とは?
キャッツクローの摂取量の目安は、粉末やエキスであれば1日に100~300mg程度とされています。サプリメントでは1日に6~9粒、つまり1日に2~3粒を3回ほど摂取すると良いでしょう。関節痛やリウマチの症状がつらいという方は、グルコサミンやコンドロイチンと一緒に摂取すると良いと言われています。
毎日の習慣としてキャッツクローのハーブティーを飲むことも勧められています。ティーバッグであれば気軽に取り入れられるでしょう。
なお、日本ではキャッツクローの製品は薬として販売されているものではありません。健康食品として取り扱われているものであるため、用法・用量が定められてはおらず、以上で挙げているのはあくまでも一般的に推奨されている飲み方・量です。
キャッツクローには副作用の心配はない!?
キャッツクローは自然の成分であり、推奨されている摂取量の範囲内でキャッツクローを摂取したケースでは、副作用はほとんど確認されていません。WHOはキャッツクローを副作用のない抗炎症剤として公式に認めています。
ただし、まれではありますが、キャッツクローの摂取において、頭痛やめまい、嘔吐などの症状が現れる可能性はあります。キャッツクローには避妊や妊娠中絶に用いられていた歴史があり、妊娠中の女性や妊娠を希望する女性に対しては、摂取は勧められていません。このほか、キャッツクローの効果やこれまでの検証結果から、以下のような人は摂取を避けた方が良いとされています。
- 乳幼児
- 免疫系疾患を持つ人
- 降圧剤を服用している人
- 血液凝固阻害剤を服用している人
おわりに:キャッツクローは多くの可能性を秘める植物
キャッツクローには抗炎症作用などが認められており、現在もその効能に関しての研究が進められています。日本でもキャッツクローのエキスを含むサプリメントは多く販売されているので、リウマチや関節痛で悩む人の味方になってくれることでしょう。