子育て
現代病・子どもの肥満 今、肥満児が増えています
2023年4月12日
なぜ、こどもの肥満は問題なのか?
子どもが太っていることの問題は、肥満が原因となっている生活習慣病を抱える子どもがいる、または、将来的に肥満が原因で生活習慣病になる可能性が高くなる、ということです。メタボ、高血圧、糖尿病、高脂血症などの発症リスクが考えられます。
中年の病と思われている生活習慣病ですが、子どもが発症することもあるのです。
ぽっちゃりして丸い子どもは愛嬌があってかわいくも見えたり、少食の子どもよりもよく食べる子のほうが成長盛りで見ていてうれしくもなったりするかもしれません。よく食べる子どもの姿を見たとしても、生活習慣病をイメージできないこともあるでしょう。
さらに子どもの肥満には、周囲から体型を馬鹿にされたり、本人が見た目を気にしすぎてメンタルを壊すリスクもあることも考えなければいけません。
子どもがそんな事態にならないように、肥満の原因を探り、その対策を考えていきましょう。
こどもの肥満は保護者の責任?
肥満の保護者の子どもが太る確率は、痩せている保護者の子どもより高くなります。実際に統計的にも、下記のデータが発表されました。
- 両親ともに肥満の子どもの肥満率:80%
- 父親が太っている:30%
- 母親が太っている:70%
- 両親共に普通:10%
親の体型が子どもに影響するのは、「遺伝で太りやすいから」と思うかもしれませんが、親の食事や親の生活習慣を子どもが真似ていたり、一緒に実践しているということが最大の理由になるでしょう。
たとえば、「ラーメン大盛りに半チャーハン、餃子」を何の躊躇もなく、親子で同じように食べていたら、肥満になる可能性が高くなります。
親子で太っているのであれば、子どもの肥満の問題だけを考えるよりも、親自身の食生活や生活スタイルを見直すことからはじめてください。
「親は子の鏡」という言葉があるように、親の影響で子どもを肥満にしてはいけません。子どもは親なくして成長できませんので、親の行動は大切なのです。
親は太っていないし、食事も気を配っているのに、子どもは肥満という場合もあります。これは、病気や体質、親子関係や家庭環境によるストレスなどの可能性があります。
子どもは学校で健康診断があるので、なんらかの異常があれば、アドバイスや医師への相談をすすめられることになるでしょう。心配であれば早めに医師に相談してください。
子どもの肥満の原因・食生活
「子どもには大きくなって欲しい」と思うあまり、好きなだけたくさん食べさせれば、“縦に大きくならず、横にばかり大きくなる”こともありえます。揚げ物や甘いものなど、高カロリーのものばかり食べていたら、肥満はさらに加速します。
肥満の原因となる食生活の習慣の例を紹介します。以下の項目に当てはまるものが多い場合は肥満につながりやすい食生活といえます。ご自身の生活を振り返ってください。
- メインメニューは肉、揚げ物が多い
- 惣菜をよく食べる
- 外食によく行く
- ジャンクフードが好き
- スナック菓子が好き
- 甘いものが好き
- 早食い
- よく噛まない
- 大皿から好きなだけ取って食べる
- ごはん、パン、麺は、大盛りかおかわりする
- 夕食時間が遅い
- 寝る前に食べる
- おやつは好きなときに食べる
添加物や糖質、脂質の多い食事は栄養過多で肥満のもと。該当するものが多ければ多いほど、肥満化は避けて通れません。
また、「よく噛んだほうがいい。よく噛むとダイエットになる」というのは、食べはじめてから15分後くらいに満腹中枢が刺激されるからです。肥満予防をしたい人は、意識的によく噛んで食べるようにしてください。
夜や寝る前に食べるのもおすすめできません。消化のためには2時間は必要になりますので、就寝前に食べると内臓に負担がかかります。このように食習慣で思い当たる部分がある場合、少しずつでも改善してみてください。
「特に問題になる食生活じゃないのに太ってしまう…」という場合は、運動不足が考えられます。
子どもの肥満の原因・運動不足
運動しなければカロリーは消費できません。あなたの子どもは体を動かすことが好きで、積極的に運動をしていますか?
水泳やランニング、球技は肥満予防に理想的な運動ではありますが、塾通いで時間がなかったり、安心して遊べる場所がなかったり、近くの公園はボール遊び禁止、ゲームをやらないと仲間外れになる、などの場合はスポーツをするのもなかな難しいでしょう。
しかし、運動といっても激しい運動ばかりが必要なわけではありません。歩くこと、家事で体を動かすのも運動です。ごろごろさず、体を動かすことも運動になります。
ただし「運動しなさい!」と強く言っても、子どもはすぐに言うことを聞くわけではありません。だから、親子一緒に取り組んでみてください。親が子どもを運動に誘い、楽しく体を動かすことで、子どもはやってみる気になります。
おわりに
肥満は一朝一夕にしてならず。日々の食生活の乱れや運動不足が、子どもを肥満にします。肥満を原因とする心身の不調が起き、病気で不健康になってしまったら、それこそ一大事です。適度な食事、適度な運動は、肥満防止や肥満の解消だけでなく、健康な成長、健康な生活につながります。
その為には、親のサポートが絶対に必要です。そのことを忘れないでください。