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食中毒は冬にも起こる!原因は?どうやって予防すればいい?

2022年12月14日

冬こそ食中毒に気をつけるべきって本当?

食中毒が発生しやすい季節は冬で、梅雨や夏よりも発生件数が多いです。以下に、冬と夏に起こりやすい食中毒の特徴を紹介します。

冬の食中毒

  • ノロウイルスによる食中毒が多い
  • 11月頃から増え始め、1~2月にピークを迎える
  • 新鮮に見える食材でも食中毒を発生することが比較的多い

夏の食中毒

  • カンピロバクターによる食中毒が多い
  • 食材が腐りやすく、見た目でも悪い状態であることがわかりやすい

厚生労働省の統計によると、2015~2017年は2月が最も食中毒の発生件数が高くなっています。そのうち、約7割がノロウイルスによるもので、次にカンピロバクターによる食中毒でした。

ただし、どちらも年間を通して発症する可能性があります。食中毒は高齢者や幼児が発症した場合に重症化することがありますので、手洗いや加熱などの予防が大切です。

代表的な冬の食中毒、ノロウイルスとは

主な感染経路
  1. ノロウイルスに汚染された飲料水や食べ物による感染
  2. ノロウイルスに汚染された手指で食材をさわったことによる感染
  3. 感染者の嘔吐物や便からノロウイルスが飛散したことによる感染

食べ物ではカキやアサリなど二枚貝に注意しましょう。ただし、ウイルスに感染した手指で調理や配膳をしたときに、サラダやパンなど、その他の食べ物にウイルスが付着することもあります。

風邪と似た症状
感染してから1~2日で嘔吐や下痢、38℃以下の発熱がみられます。症状は1~2日続いたあとに治まります。風邪と似ているため、ノロウイルス感染に気づかないままほかの人に感染を拡大させる恐れがあります。
感染力が強い
ノロウイルスは小さいウイルスですが、10~100個が人間の体内に侵入しただけで感染性胃腸炎を引き起こします。このように、感染力が強いため、集団感染が起こりやすいです。感染者の便や嘔吐物に含まれたウイルスからも感染します。
特効薬やワクチンがない
対処法は水分補給をして脱水症状を防ぎながら回復を待つことです。症状は10時間~数日で平均1~2日です。嘔吐や下痢が続くため、脱水症状に注意します。
アルコール製剤に強い
エタノールなどのアルコール製剤はノロウイルスの消毒に使ってもあまり効果がありません。ノロウイルスを殺菌するときは次亜塩素酸ナトリウムや家庭用の塩素系漂白剤を水で薄めて作る塩素液を用います。
乳幼児と高齢者、体力が低い人などは重症化しやすい
乳幼児や高齢者、慢性疾患がある人、体力が低い人などは嘔吐や下痢で重症の脱水症状に陥る可能性が高いです。ぐったりしていたり唇が乾燥している場合、すぐに病院を受診します。嘔吐物が喉につまって窒息死することもありますので注意してください。

ノロウイルスの次に多い、カンピロバクターとは

特徴
鶏や牛などの家畜、ペット、野鳥、野生動物などが持っているウイルスです。少量の菌でも食中毒を引き起こします。冷凍庫や冷蔵庫の中に置いても長期間生存します。ただし加熱には弱いです。
感染経路
ウイルスを持つ動物の調理時に加熱が不十分なときや生食したときに発症することが多いです。少量の菌でも感染するため、冷蔵庫や冷凍庫の中、調理器具、手指などを経由して感染が拡大しやすいです。
症状
感染してから2~3日ほど経ったあと腹痛、下痢、発熱、頭痛、嘔吐などがあらわれます。

冬の食中毒を予防するには?

ノロウイルスの予防法

ノロウイルスの予防法の4つのポイント、持ち込まない、つけない、やっつける、拡げないを押さえましょう。

持ち込まない
手指、手首、手の甲を丁寧に石けんで洗います。腹痛や下痢の症状がある場合、食品を取り扱いません。
つけない
トイレに行ったあと、調理前、配膳前、盛り付け前などは必ず手を洗います。
やっつける
食材は中心温度85~90℃で90秒以上加熱殺菌します。調理器具は洗剤などでしっかりと洗浄したあと85℃以上の熱湯で1分以上加熱、もしくは塩素消毒液に浸して消毒します。
拡げない
ノロウイルスに感染した人が近くにいるときは、食器や部屋の消毒を徹底してください。二次感染を避けるため嘔吐物などを処理するときはマスクの着用などをします。

カンピロバクターの予防法

  • 肉類の生食は控え、75℃以上で1分以上の加熱をします。中まで火を通しましょう
  • 生肉をさわったあとや調理の前、トイレ後は手洗い、手指の消毒をしっかりします
  • 生肉を扱った調理器具は洗浄し、熱湯や0.02%の次亜塩素酸ナトリウムや消毒用エタノールで消毒します
  • 肉とほかの食材を扱う調理器具や容器は分けて、調理や保存を行います
  • トイレの水洗レバーや便座、ドアノブは消毒しましょう
  • ペットにさわったあとは手洗いと手指の消毒をしましょう

おわりに:食中毒予防は手洗いや部屋の消毒が大切です

ノロウイルスやカンピロバクターは冬に流行がみられる食中毒です。乳幼児や高齢者など重症化しやすい人がいますので、予防を徹底して感染を防ぎましょう。

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