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特定のものが怖い「恐怖症」、病院に行った方がいいのはどんなとき?

2022年10月26日

恐怖症で特定のものが怖くなるのはどうして?

特定の何かが怖くなるといった「単純な恐怖症」の発症には、たとえば以下のような「幼少期の経験」が関係していることが多いといわれています。

閉所恐怖症
子供のときに狭い場所に閉じ込められたことで、閉鎖空間に恐怖を抱くようになる
高所恐怖症
高いところが怖かったという体験をしたことから、高いところにいくとひどい恐怖心を抱くようになる
クモ恐怖症
家族のだれかがクモが怖いと感じる「クモ恐怖症(Arachnophobia)」だと、同じようにクモに恐怖を抱くことがある

ただし、「広場恐怖」や「社会恐怖」のように、特定のものではなく環境や状況といった複雑なものがトリガーになる恐怖症については、発症の原因がわかっていません。遺伝や脳内化学物質、過去の体験のすべてが関係していると考えられています。

恐怖症の症状は?

恐怖の対象に出会うと、人の体は神経節や脳神経系における神経伝達物質でもあるアドレナリンを放出することで、恐怖に反応するために以下のような症状を起こします。

  • 発汗
  • ふるえ
  • 息切れ
  • 頻脈(ひんみゃく)
  • 頭痛
  • 腹痛
  • めまい
  • 吐き気
  • しびれ
  • 失神

恐怖症の症状には個人差があり、軽いものであれば足が軽くすくんだり、びっくりする程度ですむこともあります。

ただし広場恐怖では、恐怖から逃げられないような場所や状況でパニック発作を起こすことがあります。社会恐怖では恥ずかしい思いをすることに対する恐怖のため、強迫性障害や外傷後ストレス障害、分離不安障害に発展することも珍しくありません。

どんなときに病院に相談した方がいい?

特定のものや環境、状況が怖いというのは大なり小なり誰にでもあるものです。

しかし、次のような症状や状態を伴う場合は病的な恐怖症の可能性が考えられます。放っておくと日常生活に支障を来たし、引きこもり状態となったり、うつ病などの精神疾患を引き起こすこともあるので、できるだけ早く病院に相談しましょう。

  • 恐怖の対象に関して考えただけで動悸やめまい、吐き気などが生じる
  • 恐怖の対象となる事象に遭遇すると、激しい動機や発汗などが生じ、正常な行動がとれなくなる
  • 恐怖の対象を避けようとするあまり、日常生活や社会生活が困難になる

恐怖自体は誰にでもある感情であり、生命活動のためには必要なものです。
普段の生活や仕事や学校で下記のような状況に陥っている場合、恐怖症の治療を受けてみると症状が改善する可能性もあります。

  • 特定の状況で、ひどいふるえやめまい、吐き気など、何らかの症状が出る
  • 特定の状況でパニックを起こす
  • 恐怖の対象や恐怖症の症状を避けたいがために外出ができなくなる

などがある人は、早めに専門医に相談しましょう。

おわりに:日常生活に支障が出るほど「恐怖」するなら、専門医に相談を

何かを怖がるのは、子どもであれば自然な反応ですよね。ですが日常生活に支障が出るような反応が見られるときは、専門医に相談して対策をとりましょう。

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