子育て
喘息の発作は秋に起こりやすい?予防のためにできることは?
2022年10月26日
喘息が起こるメカニズムと症状
喘息とは、体がアレルゲンなどに反応し、気管支(呼吸をする時の空気の通り道)に炎症が起こって狭くなってしまう疾患です。
気管支は粘膜・粘膜下組織・平滑筋(筋肉)などでできており、通常は粘膜が組織を守り、筋肉をうまく収縮させて呼吸を行っています。喘息患者さんの気管支は、発作がないときも炎症が起きている敏感な状態のため、少しの刺激にも反応します。炎症が悪化すると、粘膜のむくみが生じて痰や咳が出たり、筋肉が縮むことで気道がさらに狭くなってしまいます。これによって空気が通りにくくなり、下記のような症状が引き起こされます。
- 気温差が大きいところへ出入りした時に咳が出やすい
- 息苦しい感じがする
- 呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)がある
- 咳や喘鳴などの症状は、特に夜間や早朝など横になっているときに起こりやすい
- 息苦しさや咳で横になっていられなかったり、夜中に目が覚めたりする
- 胸の痛みを感じる
- 痰が切れにくい
秋に喘息の症状が出やすいのはなぜ?
喘息の症状は、春や秋など季節の変わり目に悪化しやすい傾向があります。特に秋は、以下のような喘息発作の発症要因が多く、最も症状が出やすい時期とされています。
- 日中や朝晩の気温の変化(寒暖差)が大きい
- 台風が多く、気圧が変化しやすい
- 夏に増殖したダニが死骸となり、ハウスダストになって飛散する
秋の喘息を予防するには
秋の喘息症状の悪化を予防するには、普段から下記の対策を継続することが大切です。
こまめに掃除をする
喘息発作の主原因・アレルゲンであるダニは湿気を好み、ホコリの栄養分をエサとするので、布団やカーペット、布製のソファーを住処としていることが多いです。これらの物からダニを駆除することが重要なので、こまめに掃除をしましょう。また、エアコン内部のホコリやカビも喘息発作の原因となるので、定期的なクリーニングをしてください。
体温調節をする
秋は、暑い屋外とクーラーの効いた部屋の出入りや朝晩の気温差によって、喘息発作が誘発されやすい時期です。着脱しやすい服装でうまく体温調節をしたり、運動の際は比較的体温上昇が緩やかな水泳やウォーキングを選んだりするといった対策が必要です。
マスクの着用
炎症を起こしている気管支は少しの刺激にも反応し、咳が出やすい状態です。花粉の多い公園や寒暖差の大きい場所に行く時、またハウスダストやダニなどアレルゲンが室内にある可能性が高い場合は、マスクの着用をしましょう。
吸入治療の継続
喘息の悪化を予防するには、継続的に吸入薬による治療を続けて、気管支の炎症を抑え粘膜を保護しておくことが重要です。症状が安定している夏の間にも、医師から処方された吸入ステロイド薬などを使い続けましょう。
おわりに:夏の間からの継続的な対策・治療で、秋の喘息悪化を防ごう
喘息の発作は、寒暖差が大きく気圧も変動する秋に起こりやすい傾向にありますが、普段から継続的に気管支を保護・治療したり、アレルゲンを駆除したりすることで悪化の予防につながります。特に、喘息の発作の主原因であるダニは、夏に増殖して秋に死滅するので、糞や死骸の駆除のために夏の間から掃除をこまめに行うことが大切です。