子育て
過剰歯の抜歯を行うのに適したタイミングはいつ?
2022年9月21日
過剰歯とは、何か?
過剰歯(かじょうし)は、余分に生えてくる歯のことです。通常は永久歯が32本生えてくるところ、何らかの理由で「33本目」が歯茎でつくられてしまうことで発生するといわれています。歯並びや噛み合わせ、滑舌が悪くなる原因にもなるため、早期の治療が必要な歯のトラブルです。
過剰歯は、女性よりも男性に多くみられ、四角い形状の過剰歯は少なく、犬歯のように三角形で先が尖っていたり、角が取れて丸みがある形状のものが大半だといわれています。また、食べ物を噛む機能はなく役に立ちません。文字どおり「過剰」にできた歯といえるでしょう。
過剰歯が生じる原因は、歯茎の中にある「歯胚(しはい)」にあります。歯胚は、歯ができる基になる組織です。この歯胚が何らかの拍子に、ふたつに分裂したり、歯の組織を生成し過ぎてしまったりすることによって、過剰歯ができると考えられています。
歯茎の中に埋まっている小さな過剰歯(埋伏過剰歯)ですと、ほとんどの場合は自覚症状がありません。歯科医院でX線(レントゲン)撮影をして初めて見つかることが多いようです。
過剰歯の代表的な治療法について
過剰歯は抜歯をして歯茎から取り除くのが、一般的かつ最善の治療法といわれています。なぜなら、骨格の成長期に過剰歯が残っていることで、他の歯に悪影響が及ぼされる危険性があるからです。
過剰歯の多くは、永久歯が生えてくるころに生えてきます。そのため、過剰歯を放置すると他の永久歯が生えるのを妨害されて、まっすぐ生えずに八重歯となって出てきたり、前歯が「すきっ歯」となったり、上下の歯列の噛み合わせがうまくいかなかったり、しゃべりの滑舌にも影響が生じるおそれがあります。
また、埋伏過剰歯(表に出てこないで歯茎に埋まっているもの)が、細菌の温床となってしまうことで、その周辺にある永久歯の根っこ(歯根)を溶かして腐らせたりする危険性もあるのです。
過剰歯を抜くのに良いタイミングはある?
上記でも触れたように、過剰歯ができはじめるのは乳歯から永久歯に生えかわる5~6歳ごろです。幼児に歯茎の切開手術を施して過剰歯を取り出すのは、小さい身体に負担となります。
まずは、過剰歯を今すぐ抜歯しなければならない緊急性があるかどうかを確認が必要です。歯科医から過剰歯と周囲の永久歯がぶつかり合わず、細菌や膿の温床にもなっていないと判断された場合は、手術はしばらく見送り様子を見ることになるでしょう。
ただし将来の予想も含めて、過剰歯が他の永久歯の生え方に悪影響を及ぼす可能性が高いことから、最終的には抜歯手術が選択されることが多いです。手術のタイミングは本人の年齢や過剰歯の位置、生え方などをもとに歯科医が決定することになるので、事前説明などをきちんとしてもらい、十分納得したうえで治療にうつれるように備えておきましょう。
おわりに:タイミングには個人差がある。歯科医と相談しながら納得のうえで時期を決めよう
過剰歯は、普通の歯よりも小さいですが、歯列にたった1本紛れ込むだけでも歯並びや噛み合わせに影響を与えます。特に、中央の前歯あたりに生える正中過剰歯や、他の歯とは反対向きに生える逆生過剰歯は、歯列や歯茎への大きな悪影響をあたえる可能性があるため、抜歯が選択されることが多いといわれています。
「乳歯が抜けたのに、永久歯がなかなか生えてこない」などの悩みがある人は早めに歯科医師に受診し、過剰歯があるとわかった場合は手術のタイミングについてもきちんと相談するようにしましょう。