子育て
夏に失いやすい栄養素とおすすめの熱中症予防レシピとは?
2022年8月17日
食欲がないからごはんを抜くと熱中症の原因になる?
汗の原料は体内に摂り込まれた「水分と塩分」であり、汗を大量にかくと血中の水分と体内の塩分が体外に排出されることで失われ、大量に失われたときには深刻な脱水症状に陥ります。
このような「水分と塩分の喪失」は、外での重労働や激しい運動をしたときはもちろん、寝ているときにも起きることがあります。ただ寝ているだけでもたくさんの汗をかくことがある「日本の熱帯夜」は、とくに注意が必要です。
食欲がないからと食事を抜いてしまうと、不足した塩分や水分、エネルギーが足りないままになってしまい、この状態で暑い屋外に出てしまうと熱中症リスクが高まります。
食事は「その日の活動に必要な水分とエネルギー」を補うための大切な機会です。
夏に栄養バランスの良い食事を規則正しく摂ることは、健康維持の役割だけでなく熱中症予防対策にもなります。
暑い夏に摂りたい、不足しやすい栄養素は?
汗をかいたときに失われやすい栄養素には以下が挙げられます。
カリウム
- 細胞の水分量を調節する役割がある
- 不足すると食欲不振、筋力の低下、低血圧、不整脈、頻脈の原因になる
ビタミンB1
- 体内でのエネルギーの変換、代謝を助ける
- 疲労回復効果が期待できる
- 水に溶けるため、汗と一緒に流出しやすいといわれている
ビタミンC
- 細胞の酸化や老化、感染症を防ぐ作用がある
- 細胞や骨、血管の形成に関係している
- 不足すると疲労感や倦怠感、血管の病気などの原因に
クエン酸
- 乳酸や脂肪を分解し、エネルギーに変える(クエン酸サイクル)
- レモンなどの酸味のもととなる成分
- 疲労回復を助ける
- ミネラルの吸収を助ける
熱中症対策としてはもちろん、夏の不調を予防するためにも、上記の栄養素を含む食品をバランス良く取り入れましょう。
カリウム、ビタミンB1、ビタミンC、クエン酸が豊富な食品としては、以下が挙げられます。
- カリウムを多く含むもの
- 海藻、ほうれん草、芋類、豆類、肉類、魚類、バナナ
- ビタミンB1を多く含むもの
- 豚肉、大豆、玄米、きのこ類、モロヘイヤ
- ビタミンCを多く含むもの
- パプリカ、赤・黄ピーマン、ジャガイモ、サツマイモ、キウイ、レモン
- クエン酸を多く含むもの
- レモン、オレンジ、ゆず、梅干し、酢
熱中症予防レシピ①大豆たっぷり夏野菜カレー
大豆をたっぷり使った夏野菜カレーは、カリウムとビタミンB1を美味しく摂取できるので、夏バテ防止や熱中症予防に役立ちます。また、食物繊維も豊富なので、水分不足による「夏の便秘」の解消にも効果が期待できます。十分な水分を補給しながら、ヘルシーでスパイシーな美味しさを堪能しましょう。
材料と下準備(4人分)
- 赤パプリカ(1/2個)
- 1.5㎝幅に切っておく
- ズッキーニ(1/2本)
- 1.5㎝幅の輪切りにする
- なす(2本)
- ヘタを取り、縦半分に切った後、皮目に網目状の切込みを入れておく
- オクラ(4本)
- 分量外の塩をまぶしてまな板に擦り付け、水で洗い流し、キッチンペーパーで水気をとり、うぶ毛をとりのぞく
- ヘタを取って縦半分に切っておく
- タマネギ(1個分)
- みじん切りにしておく
- トマト缶(1缶)
- 合いびき肉(300g)
- 水(適量)
- 蒸し大豆(100g)
- カレールウ(100g)
作り方
- 野菜の下準備が終わったら、適量のサラダ油を入れて温めておいた鍋にタマネギを入れる
- タマネギが透明になるまで炒めたら、合いびき肉300gを加えてさらに炒める
- 肉にだいたい火が通ったら、トマト缶を1缶分と水を加えひと煮立ちさせる
- 煮立ってきたら蒸し大豆100gを加え、弱火で煮込む
- 豆が柔らかくなるまで煮たらカレールウ100gを投入し、とろみがつくまで混ぜる
- 下準備しておいた赤パプリカ、ズッキーニ、なす、オクラを170度に熱した油で素揚げにし、カレーとごはんと一緒に盛りつけて完成
熱中症予防レシピ②キュウリとワカメの和え物
カリウム豊富なキュウリと海藻を使った和え物は、さっぱりとした風味で食べやすく、食欲がないときのミネラル補給に役立ちます。材料もキュウリとカットワカメ、サバ缶、調味料だけなので、忙しいときや元気がないときでも作りやすいです。
材料と下準備
- キュウリ(2本)
- 薄い輪切りにし、小さじ1/4の塩をまぶしてしばらく置く
- カットワカメ(2つまみくらい)
- ボウルに移し、水を入れて戻す
- サバ缶(水煮:1缶)
- 缶を開けて荒くほぐす
- 醤油(大さじ1)
- ポン酢(お好みで)
作り方
- キュウリから水分が出てきて、カットワカメが十分に水を吸ったのを確認できたら、それぞれ手で絞って水気を切る
- 別のボウルにサバ缶をうつし、水気を切ったキュウリとワカメを加える
- 大さじ1杯分の醤油とポン酢を加え、よく混ぜ合わせたら完成
熱中症予防レシピ③はちみつレモンの冷スイーツゼリー
ツルッとしたゼリーは食欲がないときでも食べやすく、風邪を引いたときにもおすすめ。お年寄りや子供のおやつやデザートにおすすめです。クエン酸豊富なレモン汁を使ったさわやかなデザートなので、夏の暑い気候にもぴったりですね。
材料と下準備(2人分)
- レモン(10g)
- 皮つきの果肉のまま使用。10g分の果汁を絞り、分けておく
- 水(150cc)
- 粉寒天(1g)
- グラニュー糖14g
- はちみつ14g
作り方
- 鍋に水と寒天を入れ火にかけ、粉寒天が溶けたら、グラニュー糖、はちみつを投入し、さらに煮溶かしていく
- 全体がなめらかになったら火を止め、用意しておいたレモン汁を入れる
- 鍋からお椀くらいの大きさの器に②を移し、冷蔵庫に入れて冷やし固めれば完成
- お好みで皮つきのレモン果肉やミントの葉を飾ってもOK
おわりに:夏の不調や熱中症予防に食事抜きはNG。食べやすいものをバランス良く食べるのがポイント
暑い夏には、外に出るだけで水分と塩分、水溶性の栄養素が失われてしまいます。このため栄養補給の機会となる「食事」を抜いてしまうと、脱水症状や熱中症、体調不良を招くリスクが高まります。
汗で失われやすい栄養素を食事から積極的に摂ることは熱中症対策となりますので、うまく食事に取り入れていきましょう。ただし、栄養はバランスが大切なので、特定の食べものや料理に偏りすぎないように注意してくださいね。