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O157で死亡に至る原因は? ユッケは特に危険なの?

2022年8月10日

O157で死亡することがあるのはなぜ?

O157は、腸管出血性大腸菌の一種です。強い毒力をもつベロ毒素を産出し、O157に汚染された食べ物を摂取するなどして感染すると、下痢や血便、発熱などの腸炎症状が起こるようになります。

このO157は成人が感染した場合、軽度の下痢や腹痛程度で済んでしまうことも少なくないのですが、抵抗力の弱い子供や高齢者が感染すると、重症化して死亡することがあります。O157による死亡率はベロ毒素のタイプ(毒性の強さ)によって異なりますが、およそ500~1000人に1人の割合といわれています。そして死亡に至る主な原因は、O157が重症化した先で起こる「溶血性尿毒症症候群」や「脳症」です。

O157による「溶血性尿毒症症候群」とは

溶血性尿毒症症候群(HUS)とは、溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を伴う症候群です。ベロ毒素が原因となって起こるもので、血便を伴う下痢や腹痛、発熱などの症状が出てから数日~2週間以内に、O157感染者の6~7%(血便を起こした患者の場合は10%)に発生するといわれています。そして、この溶血性尿毒症症候群を起こした患者の約2~5%は急性期に死亡し、5~10%は慢性腎不全に移行するとされます。

O157の感染源としては、特にユッケが危険なの?

O157などの食中毒菌の感染源として、ユッケなどの生肉を思い浮かべる方は多いですが、感染源は生ものに限りません。2017年、埼玉・群馬両県の系列惣菜店で販売されたポテトサラダなどを食べた客からO157が検出され、当時3歳の女児1名が死亡した事件が記憶に新しいかと思いますが、この死亡した女児が食べていたのはポテトサラダのような生の食べ物ではなく、炒め物だったとも報じられています。

そもそも、O157は動物(牛や羊、豚などの家畜)の腸内に生息している菌ではありますが、O157に汚染された食べ物や水を摂取したり、O157感染者の糞便で汚染されたものを口にしたりすることでも感染が成立するといわれています。つまり、O157感染者が自身の便で汚染された手指で食品を取り扱った場合、その食品を食べたほかの人に感染が広がってしまうのです。

実際、これまでのO157の感染事例で原因食品と特定・推定されたものとしては、牛レバー刺しやハンバーグ、牛のタタキなどの肉類に限らず、サラダなどその他の食品や食材も存在します。

おわりに:日頃から衛生管理の徹底を

「食中毒=生もの」というイメージをお持ちの方も少なくありませんが、O157の感染経路は生ものの摂取だけに限りません。特に小さい子供や高齢者が感染すると、溶血性尿毒症症候群や脳症など重篤化して死亡してしまう恐れもあるので、日頃から衛生管理を徹底しましょう。

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