子育て
思春期の子どもと本音で話す9つのヒント
2022年7月13日
話すコツは、信じる・共感する・逃げない
この時期の子どもと本音で話しをするのはかなり困難なことです。子どもが何を抱えているのか、どんなプレッシャーを感じているのか、何にいら立っているのか、心を開いれもらうための9つのヒントを紹介します。
1.頭ごなしに決め付けないでください
親として気になる態度や言葉使いがあったとしても、子どもなりに理由があります。子どもの話は最後まで聞いて、決して途中で話の腰を折ったり断定しないでください。いじめなどの可能性を感じた場合は「いじめられているの?」という深刻な表現ではなく、「どうかした?」「何かあった?」とまずは子どもの考えを引き出しましょう。
2.ことばや行動を責めないでください
最初から子どもを責めるのではなく、子どもの考えを聞き出すようにしてください。本人を尊重している気持ちが伝わるようにしましょう。決して面倒くさがらずに、聞く耳を持っていることを伝えるのがおすすめです。
3.何があっても味方であると伝えてください
子どもに対して、「力になりたい」「味方である」という気持ちを伝えてください。こうした気持ちを伝えるのが先で、叱りたい場合でもまずは順番を考えましょう。
4.決して逃げないでください
子どもは親を見て育っています。何かあった時、何かが起こりそうな時に、親として毅然と立ち向かってください。子どもに親の逃げる姿勢は見せないでください。
5.子どもが自分で考える機会を与えてください
結果に対しては自分自身で責任を持たなくてはいけないことを、子どもに分らせなくてはなりません。そのためには、自分自身で考えて解決していく力を身に付けさせることが必要です。子どもが自立するためのサポートをしましょう。
6.優先順位を決めてください
いつも子どもを叱ったり注意してばかりいると、子どもに伝わりにくくなります。重大な局面が来たときに真剣に話をしても、子どもが話を聞かなくなることがあるのです。
7.腹が立っても反応しないでください
思春期の子どもは情緒不安定になることもあり、親の関心をひくためによくない態度をすることがあります。ですが、親はそうした子どもの振る舞いをそのまま受け取らないでください。思春期の子どもは自分の感情を表す適切な方法が見つからず、仕方なくそうした態度を取ってしまうことがあります。
8.安心感を与えてください
思春期の子どもは、悩みを抱えていても大人に話すことをためらうことがあります。大人に悩みを打ち明けたことで、事態が悪化することを心配しているのです。親としては、たとえば子どもがいじめを打ち明けてきたら、「それは子どものせいではないこと」「子どもの望まないことは決してしないこと」を伝えてください。しっかりと子どもの話に耳を傾け、トラブルに一緒に立ち向っていくための信頼関係を作りましょう。
9.無理に答えさせないでください
思春期の子どもとのコミュニケーションでは、質問責めは控えましょう。たとえば摂食障害を抱えている子どもに「昼食は何を食べた?」という直接的な言い方は厳禁です。「調子はどう?」というやわらかい言い方をすると、子どもを話しやすい気持ちになります。
自分自身に降りかかるリスクを想像できることが自立の近道
思春期はまだ、長い人生からするとまだまだ自立できるとは言い難い段階です。親が手を差し延べ過ぎると、子どもが自力で人生を歩むことができなくなります。自立を助ける近道は自分で考えさせることです。
たとえば子どもの喫煙を発見した場合、喫煙したことばかりをとがめるのではなく、子どもが大切にしているものごとに悪い影響になることを伝えましょう。たとえば子どもがサッカーや運動が好きな場合、喫煙は運動に悪影響を及ぼすことを教えます。
行動によってどんなリスクを引き起こすか、子ども自身で考えることができるように想像力を鍛えていきましょう。「リスクがあるなら、どうすればいいと思う?」と自分の行動の是非を考えさせてください。子どもの人生には未来があることを理解させ、自分の行動や判断に自信を持てるように大人がサポートすることが大切です。
おわりに:思春期は子どもにとっても親にとっても成長のチャンス
思春期の子どももいずれ社会に出る日がきます。思春期の難しい時期は問題が山積みですが、子どもにとっては解決能力を養う良いチャンスでしょう。この時期に親がいかに真摯に子どもと向かい合って励ましたかで、子どもの将来が左右されるかもしれません。親にとってもチャンスの時期と捉え、思春期の子どもとコミュニケーションを取ってくださいね。