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リコピンを摂ると体にどんなイイコトがあるの?

2022年5月25日

リコピンの働きは?

リコピンは天然色素で、動植物に含まれる深紅色をしたカロテノイド色素のひとつです。カロテノイド色素には抗酸化作用がありますが、中でもリコピンには非常に強い抗酸化作用(体内の活性酸素を取り除く働き)を持っていることがわかり、近年非常に注目を集めています。

リコピンの抗酸化作用は、一説によるとβ-カロテンの2倍以上、ビタミンE(α-トコフェロール)の約100倍とも言われています。そのほか、肺疾患・糖尿病・動脈硬化・アレルギー・メラニン生成などを予防・抑制する効果や、美容や視覚機能の改善に効果をもたらすとされています。近年、リコピンの機能に注目が集まっているため、多くの研究報告がなされています。

活性酸素とは
普通の酸素よりも非常に強い酸化力を持つ酸素のことです。もともとは人間の体内に侵入した細菌を退治したり、化学物質を無毒化したりする役割を担っていますが、増えすぎてしまうと、強い酸化作用によって自分の体の組織や細胞までも傷つけ、がんなどの生活習慣病や老化を進めてしまうと考えられています。

リコピンを多く含む食べ物は?

リコピンを多く含む食べ物として、「トマト(ミニトマト)」「スイカ」「ピンクグレープフルーツ」の3つがあります。

その1:トマト(ミニトマト)

リコピンと言えばトマトが有名ですが、中でもミニトマトは普通のトマトと比べて多くのリコピンが含まれています。トマトに含まれるリコピンは100gあたり3mgですが、ミニトマトに含まれるリコピンは100gあたり8.1mgです。大きいトマトと同じ量のリコピンを摂取しようと思った場合、ミニトマトなら約40g(2~3個)で摂取できます。

ミニトマトはもともと小さく、一口で食べられることから、小腹が空いたときのおやつやお弁当の彩りにちょっと添えて気軽に食べられます。メインディッシュのつけ合わせやサラダの彩りなど、日々の食事でもぜひ積極的に取り入れていきましょう。

また、ケチャップやトマトソースなどでもリコピンを摂取することができます。オリーブオイルと組み合わせると特に吸収率が良く、加熱すると2~3倍ほど体に吸収されやすくなることがわかっています。トマトソースのパスタやスープなどで摂るのがおすすめです。

トマトを選ぶ上での注意点は、赤いトマトでないとリコピンが摂取できないことです。トマトの中には緑色や茶色っぽい色をしたものもありますが、これらのトマトではリコピンの摂取はできません。また、紫は見た目に赤色を含んでいますが、この色はリコピンではなく「アントシアニン」という青色系の色素です。アントシアニンにも抗酸化作用はありますが、リコピンのそのほかの性質は持っていません。根本的に性質の違う色素のため、注意が必要です。

その2:スイカ

夏の風物詩であるスイカにも、リコピンがたくさん含まれています。100gあたり3.2mgが含まれており、実はトマトよりも少し多いです。また、スイカにはビタミンCも豊富で、むくみをとるシトルリンという成分も含んでいます。

しかし、甘くておいしいぶん、果糖が多いので、食べ過ぎにはくれぐれも注意が必要です。長期間大量に食べ続けていると糖尿病になったり、一気に食べ過ぎると腹痛を起こしたりすることもあるため、適量をおいしく食べましょう。

また、白っぽい皮の部分もお漬物や炒めものなどで食べると栄養分をしっかり摂取できておすすめです。漬け込んだり調理する場合は、緑色の硬い皮の部分は削ぎ、内側の柔らかい部分だけを食べましょう。

その3:ピンクグレープフルーツ

ピンクグレープフルーツはルビーグレープフルーツとも呼ばれるもので、スイカ同様100gあたり3.2mgのリコピンを含んでいます。ピンクグレープフルーツはホワイトグレープフルーツよりも酸味が少ないので食べやすく、生でも、何らかの加工をしてもおいしく食べられます。

ピンクグレープフルーツはスイカと違って比較的通年スーパーで見られ、かつ価格も大幅に変動しないため、季節を問わず食べられます。さらに、グレープフルーツは1玉まるごと食べても100kcalという低カロリーですし、香りには脂肪燃焼効果が期待できるので、ダイエット中の人にもおすすめです。

ただし、グレープフルーツやグレープフルーツジュースを血圧降下薬と一緒に食べたり飲んだりすると、薬の効果を強めて血圧が下がりすぎる危険性があります。こうした薬を飲んでいる人は、主治医と相談の上で食べましょう。

リコピンを効率よく摂るには?

リコピンを効率よく摂取するためには、「熱に強いこと」「脂溶性であること」の2つのポイントを押さえることが大切です。生でそのまま食べるよりも、油を使って調理したものを食べた方が体内での吸収率が上がりますので、油を使って加熱調理するのがおすすめです。加熱調理するとかさが減るため、たくさん食べられるのも大事なポイントです。

また、オリーブオイルと一緒に摂取するとリコピンの吸収率がさらによくなります。そのほか、ベーコンなどの脂質が多い食材と組み合わせたり、牛乳などの乳脂肪分と一緒に摂取するのもおすすめです。ミートソースにすると、冷凍できて便利です。

さらに、トマトの加工品にはトマトの旨味成分「グルタミン酸」が凝縮されているため、別の食材の旨味成分と組み合わせて料理をより一層おいしくすることができます。そのほか、真っ赤な調理用トマト(※生食用ではないもの)を選んだり、ドライトマトにしたりするのも、効率よく摂取するのに役立ちます。

おわりに:リコピンは健康にも美容・老化防止にも役立ちます

リコピンの強力な抗酸化作用は、健康維持はもちろんのこと、細胞へのダメージを軽減したり、メラニンの生成を抑制したりと、美容や老化防止にも役立ちます。糖尿病や動脈硬化の予防など、生活習慣病のリスクを下げることもできます。

リコピンは熱に強く脂溶性なので、吸収率を上げるにはオリーブオイルと一緒に加熱調理するのがおすすめです。加工品でも摂取できますので、ケチャップやドライトマトなども上手に活用しましょう。

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