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ヘルペス治療で使われるアシクロビルってどんな薬?

2022年1月26日

アシクロビルとは

アシクロビルは主に顔や性器、口唇にできる単純疱疹や水疱瘡など、ヘルペスウイルスが皮膚で増殖することで起こる皮膚疾患の治療に使われる薬です。皮膚の細胞で増殖し赤みや強いかゆみ、痛みを引き起こしているヘルペスウイルスに作用し、増殖を阻害・抑制する作用があります。初期段階でアシクロビルの使用を開始すると、症状の悪化を抑えるとともに、治癒を早めることができます。

アシクロビルを配合した薬は?

アシクロビルを配合した薬の代表的なものとしては、ゾビラックス®が挙げられます。ゾビラックス®は、アシクロビルを主成分とする代表的な抗ヘルペスウイルス薬として知られ、以下のようなヘルペスウイルスが原因の感染症の治療に幅広く使われています。

  • 帯状疱疹や単純疱疹など、一般的にヘルペスと呼ばれる皮膚疾患の治療、再発抑制
  • 小児性器ヘルペスの再発抑制
  • 造血幹細胞移植の単純ヘルペスウイルス感染症の発症抑制

ゾビラックス®︎を服用するときの注意点は?

ゾビラックス®は、腎臓で吸収・分解されるタイプのお薬です。このため持病などで腎臓が弱い人や高齢者、妊婦、子どもの使用には注意が必要です。医師に持病やアレルギーの有無などを相談のうえ服用しましょう。

また他の薬との飲み合わせによっては、薬の効果が著しく減退・増幅され、薬の効果を十分得られないことが明らかになっています。以下のような薬との飲み合わせは危険ですので、必ず服用中の薬についても医師に報告・相談し、ゾビラックス®を併用しても良いかの指示を受けてください。

  • 痛風の薬として使われる「プロベネシド(ベネシッド®)」
  • 胃の薬として使われる「シメチジン(タガメット®)」
  • 免疫抑制剤として使われる「モフェチル(セルセプト®)」
  • 喘息の薬として使われる「テオフィリン(テオドール®)」  など

服用にあたっては医師から指示された用法・用量を必ず守りましょう。自己判断で服用をやめたり、服用を忘れたからと言って一度に2回分服用してしまうと、症状の悪化や副作用が現れる原因となりますので絶対にやめましょう。

ゾビラックス®︎服用で起こりうる副作用は?

ゾビラックス®の服用で現れ得る副作用として、以下の3つが挙げられます。

  • 下痢、軟便、腹痛、吐き気などの消化器症状
  • めまいやふらつき、眠気などの神経症状
  • 発疹、かゆみなどの皮膚症状
  • その他、頭痛など

ゾビラックス®は、比較的副作用が現れにくい薬だとされています。このため、副作用が現れること自体がまれですが、用法・用量を守り適量を摂取していれば上記のような軽度の副作用にとどまります。ただし、めまいや眠気、意識障害を起こす恐れがあるので、服用後の車の運転や機械の操作、高所での作業は避けた方が良いでしょう。

一方、高齢者や腎臓に疾患のある人は、ゾビラックス®の服用でごくまれに以下のような重い副作用があらわれることがあります。

  • 尿量の減少、むくみ、倦怠感などを伴う急性腎不全
  • 妄想や異常な混乱、興奮、意識障害を伴う精神神経症状
  • 発熱やのどの痛み、鼻血や口内炎など出血を伴う血液成分の異常
  • 吐き気、冷や汗、呼吸困難、意識障害を伴うアナフィラキシーショック
  • 倦怠感、食欲不振、吐き気、発熱を伴う肝機能障害
  • ひどい発疹や赤み、かゆみ、ただれ、痛みを伴う想い皮膚・粘膜障害
  • 吐き気や嘔吐、上腹部から背中の痛みを伴う膵炎  など

上記の症状がみられたらゾビラックス®の使用を一旦中止し、医師または薬剤師に相談しましょう。

おわりに:アシクロビルは、抗ヘルペスウイルス薬に使われる成分です

帯状疱疹や単純疱疹をはじめ、水ぼうそうも、ヘルペスウイルスが原因で起こる皮膚疾患です。アシクロビルはヘルペスウイルスのDNA複製に作用し、ヘルペスウイルスの増殖を抑えることで、ヘルペスウイルスが原因の疾患を治療してくれます。このため代表的な抗ヘルペスウイルス薬「ゾビラックス®」の主成分にもなっています。

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