子育て
子どもが摂食障害になってしまったら―両親のためのアドバイス
2021年12月1日
摂食障害とは
摂食障害とは、極端なダイエットや過食を繰り返すなど、食事量をコントロールすることができなくなってしまうため、心身ともに影響を及ぼす症状です。子どもが摂食障害になると、引きこもったり、神経質になったり、態度が悪くなったりなど、態度が変わることがあります。
回復のために治療を受けることは重要ですが、両親の愛情も必要です。摂食障害から回復した人の中には、治療中は両親の愛情を理解できなかったけれど、振り返ってみると親の存在がどんなに重要だったかを知ることができた、と思う人もいるそうです。
摂食障害について話すためのヒント
摂食障害と闘う子どもをサポートするためには、医師と協力して取り組むことが大切です。主治医と相談して、自宅でどんなふうに子どもと接すればよいかアドバイスしてもらいましょう。以下に、コミュニケーションの取り方や食事の時間の過ごし方についてのヒントをご紹介します。
摂食障害であることを子どもに伝える
子ども自身が摂食障害であることを受け入れることができない場合、本人にその事実を伝えるのは難しいかもしれません。しかし、回復のためには欠かせないプロセスなので、様子を見ながら話すようにしてください。
摂食障害について直接話したいときは、次のようなことに気をつけるとよいでしょう。
- 何を伝えるかをよく考えてから話す
- 非難や評価をしない
- 子どもがどんなふうに感じているかに集中する
- 落ち着く
- 参考資料を用意しておく
- 拒否反応に備える
また、以下のことも役立ちます。
- 事前に摂食障害について学んでおく
- 何があっても子どもを愛し、子どものためにそばにいることを強調する
- たとえ褒め言葉のつもりだったとしても、容姿については触れない。学校の成果など、ほかのことで自信を持たせるようにする
- ほかの人の食事や体重のことに触れない
- 専門的な治療について伝える。また、準備が整ったらサポートする
- 趣味や友達との食事など、食べ物に関係しないことについて積極的に話す
- 子どもがすぐに心を開かなくても、傷つけない。また、秘密にしても怒らない
- 子どものためにできることはないか直接尋ねる
- 自分の気持ちに正直になる(そうすると、子どもも素直な気持ちになれます)
- 子どもにとって、摂食障害の背後にある感情を表現するのは難しいことを覚えておく
- 子どもが何を言おうとしているのか、じっと耳を傾ける
- 親自身がバランスの取れた食事をし、適度な運動をして手本を見せる
- 「あなた」ではなく、「私はあなたが幸せそうに見えないので心配している」など、「私」で始まる文体を使う
食事の時間を過ごすときのヒント
家族で食事を摂るときは、以下のようなことに気をつけてください。もしうまくいかなくても、絶望してはいけません。失敗を次の食事から活かすようにしましょう。
- 治療中の場合は、医師にどんな食事を子どもに出せばよいかを相談する
- 一緒に買い物をし、お互いに受け入れられる食事であるかどうかを確認する
- 何時に食事をするかを家族全員に確認する
- 食事中に食べ物の量、カロリー、脂肪の量について、家族全員が発言しないようにする
- 子どもの前で低カロリーやダイエット食品を食べたり、家に置いたりしない
- 食事中、本当は憂うつだったとしても明るい雰囲気作りを心がける
- 食事をコントロールするために、子どもが自分で調理するとしつこく言い張るようだったら、お膳立てや、食器洗いを頼んでみる
- 食事中は、食事を楽しみ、会話が弾む努力をする
- 食後に家族でゲームをしたり、一緒にテレビを見るようにする(下剤を飲んだり、運動をし続けるのを防ぎます)
おわりに:
摂食障害の子どもには、治療とともに親のサポートが必要です。家族のことだからと恥ずかしがったり、抱え込んだりしないで、些細なことでも気になることがあれば医師や医療チームに相談し、適切なアドバイスをもらいましょう。