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B型肝炎の感染経路に「母乳感染」はある? 子どものB型肝炎の感染を予防するには?

2021年11月4日

母乳はB型肝炎の感染経路?

B型肝炎ウイルスは感染者の母乳にも含まれていますが、基本的には血液感染が主なため、授乳によって赤ちゃんがウイルス感染することはまれです。むしろ、母乳は赤ちゃんにとって必要不可欠な栄養源であり、感染症予防の効果もあるものなので、B型肝炎ウイルス感染者の母親であっても、基本的には母乳の投与を中止すべきではありません。

ただし、乳頭に傷があったり、出血が見られる場合には、治るまで母乳をあげるのは控えてください。

子どもへのB型肝炎の感染を予防するには?

B型肝炎ウイルスの感染者の女性が出産する場合、血液を介して子どもに感染する確率はとても高いといわれています。子どもへの感染は母親の陣痛が始まった際に起こると考えられているため、母子感染を予防するには、出産後なるべく早い時期にHBIG(B型肝炎免疫グロブリン)の接種を1回、HBワクチンの接種を3回行うことが有効です。これによって、およそ9割以上の赤ちゃんはB型肝炎の感染を予防できるといわれています。

保育園で子どもがB型肝炎に感染することはある?

一般的に、保育園や学校などの集団生活の場でB型肝炎ウイルスに感染することは非常にまれといわれています。B型肝炎ウイルスは感染者の体液に含まれてはいますが、日常的な生活を送る限り、感染者が周囲にウイルスを感染させることはほとんどありません。

ただし、過去に保育所内で皮膚炎を介したB型肝炎ウイルスの感染事例が報告されていることから、感染者は下記の点に注意して集団生活を送る必要があります。

  • 血液や分泌物の付着したものは、きちんと包んで廃棄する
  • 皮膚炎や外傷、鼻血などは感染者自身が手当てをする。血液や分泌物が周囲の人に付着しないよう注意する
  • 歯ブラシやカミソリなどの共有をしない
  • 食べ物を口移ししない
  • トイレを使用した後は必ず手洗いをする

歯科でB型肝炎に感染することはある?

B型肝炎の主な感染経路は血液を介しての感染ですが、現在日本で行われている医療行為ではきちんと対策されているため、歯科などでB型肝炎に感染することはほぼありません。

おわりに:B型肝炎ウイルスキャリアの女性は、出産後の子どもへのワクチン接種を忘れずに

B型肝炎ウイルスの主な感染経路の一つは母子感染ですが、現在ではワクチン接種により、子どものウイルス感染は高い確率で予防できるようになっています。また、母乳を介しての感染もほぼないと考えられています。
なお、保育園や学校での集団生活での感染率も低いですが、あらゆる感染症を予防するためには、「他人の血にさわらない」「歯ブラシを共有しない」といったことを子どもに教えておくことも大切です。

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