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二分脊椎によって生じる可能性がある合併症とは?

2021年10月10日

二分脊椎について

二分脊椎は生まれつき背骨の形に異常がみられる症状です。本来脊柱管の中にあるはずの脊髄神経が背骨の外に出ているため、様々な神経障害を起こします。二分脊椎を発症する原因は、まだ明らかにはなっていません。
二分脊椎は2つに分類されています。ひとつは顕在性二分脊椎で、脊椎の異常が表面から見えるものです。もうひとつは潜在性二分脊椎と呼ばれるもので、体の表面からは何も症状が見えませんが、体の中で二分脊椎の状態になっています。最近では胎児診断が発達してきているため、妊娠中の胎児超音波検査で見つかることがあります。見つかった場合、胎児MRI検査を行って出生後の治療計画を立てて備えます。

起こりやすい合併症:排尿・排便に関する障害

二分脊椎がある場合には合併症が起こることがあります。そのひとつに排尿や排便に関するものがあります。
排尿の障害に対しては間欠導尿という方法がとられます。神経障害により排尿が自力で行えないため、定期的に管を入れて膀胱の中の尿を体の外へ出すものです。適切に管理されていないと腎臓の機能にも影響が出るため、しっかりと間欠導尿を行っていく必要があります。
排便に関する障害として、排便のコントロールが自分で行えなくなることがあります。神経障害により、下痢の時に便が漏れてしまったり、便秘になったりします。排便が定期的にコントロールできるように、普段の食事内容を整えるといった工夫が必要になります。

起こりやすい合併症:脳、下肢などの障害

二分脊椎の合併症となる可能性が高い、代表的な脳の障害として水頭症があります。これは頭蓋内に脳脊髄液が溜まってしまう病気で、頭蓋内の圧力が高くなることで様々な症状を起こします。治療では、脳室腹腔シャント手術が行われます。
そのほか、下肢に起こる合併症として運動障害もよく見られます。これは足の指や関節の動きが悪いというものから、全く足が動かなくなるというものまで、障害の程度には差があります。足が変形することもあり、その場合には下肢に装具をつけることもあります。

二分脊椎による障害をケアするには・・・

二分脊椎があると、脊髄神経に障害が出るだけでなく、様々な合併症を起こす可能性があります。このため、症状に応じた診療科と連携して治療する必要があります。
二分脊椎そのものは生まれてくる前からの障害なので、産婦人科や小児科で診察を行いますが、排尿の問題がある時には泌尿器科の領域になります。また、水頭症がみられたら脳神経外科の診察が、歩行障害があってリハビリが必要になればリハビリテーション科との連携が必要となります。

おわりに:二分脊椎の合併症には水頭症や排尿・排便障害などがある

生まれつき二分脊椎がみられると、水頭症や排尿・排便時の障害、そして主に下肢の運動障害がみられます。このような合併症が出てきた場合、産婦人科や小児科に加えて、脳神経外科や泌尿器科、リハビリテーション科といった関連する診療科との連携で治療します。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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