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赤ちゃんが急性咽頭炎の特徴と対処法とは?

2021年10月2日

赤ちゃんも急性咽頭炎になることがあるの?

急性咽頭炎は、咽頭に細菌やウイルスが感染して炎症が起きた状態で、赤ちゃんもなることがあります。急性咽頭炎のほとんどは細菌やウイルスによる感染が原因であり、おもな原因になる細菌・ウイルスは以下の通りです。

細菌

  • 溶連菌(A群溶血性連鎖球菌)
  • インフルエンザ菌
  • マイコプラズマ
  • 淋菌 など

ウイルス

  • アデノウイルス
  • コクサッキーウイルス
  • パラインフルエンザウイルス
  • インフルエンザウイルス など

細菌やウイルスの感染以外では

  • 塵埃や空気中の化学物質の吸入
  • 副流煙
  • 気候の急激な変化

などによる刺激が原因になることもあります。

赤ちゃんが急性咽頭炎になると、どんな症状が現れる?

急性咽頭炎を発症したときの症状の特徴は以下の通りです。

  • 細菌感染:高熱は出るが、咳や鼻水はあまり出ない
  • ウイルス感染:軽い咳や発熱、鼻水などがある

赤ちゃんの急性咽頭炎はウイルスによるものが多く、悪化して喉の痛みが強くなるとおっぱいやミルクを飲むときに泣くようになり、咳が増えて声がかれ、犬の遠ぼえのような「ケン、ケン」とう咳が出ることがあります。

細菌性の咽頭炎は、高熱が出るのに風邪のような症状が出ないことが特徴です。赤ちゃんが細菌性の急性咽頭炎になると、だるそうにぐったりしているなど、様子に変化が現れます。

赤ちゃんが急性咽頭炎になったときの治療方法は?

赤ちゃんの急性咽頭炎はほとんどがウイルス感染によるものです。ウイルスに効く薬はないため、強い痛みに対しては鎮痛薬を発熱には解熱剤をというように症状に対応した治療を行います。ウイルス性であれば、安静にしていれば次第に病状が回復するでしょう。

細菌性の場合は抗生物質を使いますが、原因となっている細菌を特定して原因菌に効く抗生物質を使う必要があります。A群溶血性連鎖球菌のように重症化する恐れのある細菌もあるため、細菌性の場合には早めに治療を行うことが大切です。

赤ちゃんの溶連菌感染症

赤ちゃんや小さな子供は大人よりもA群溶血性連鎖球菌(溶連菌)に感染しやすいです。A群溶血性連鎖球菌は感染力が高いため、幼稚園や保育園などで集団生活を送っている子供は感染する機会が高いと考えられます。

溶連菌感染症は、強い喉の痛みや高熱を引き起こします。乳幼児では、哺乳量の減少などによって脱水症状になりやすく、入院が必要になるケースも少なくありません。
また、無事に回復したとしても、発症後10~14日ほどで急性腎炎を発症することもあります。急性腎炎を発症すると、腎機能障害が残ってしまうこともあるのでとくに注意が必要です。

溶連菌感染症が疑われる症状が見られた場合は、なるべく早めに病院を受診して、適切な治療を行うようにしましょう。

赤ちゃんの溶連菌感染症の症状

赤ちゃんは大人に比べて免疫力が低いので溶連菌に感染する機会も多く、自分で症状を訴えることができないため発見が遅れることも多々あります。赤ちゃんが溶連菌にかかると次のような症状や様子の変化が現れますので注意しましょう。

  • 高熱が出る
  • 機嫌が悪く愚図りやすくなる
  • 哺乳量や水分摂取量が明らかに少ない
  • よだれの量が増える

また、高熱が出やすく、強いのどの痛みのため水分が十分に摂れなくなることで脱水状態に陥りやすいのも溶連菌感染症の特徴です。
ぐったりしている、尿量が減った、尿の色が濃くなった、唇や舌が乾いている、大泉門が凹んでいる、といった症状が見られる場合は早急に病院を受診しましょう

急性咽頭炎治療後の過ごし方について

赤ちゃんが急性咽頭炎になると、母乳やミルクを飲むことができなくなるほど、のどの痛みが強く出ることがあります。

このような場合、無理に飲ませようとすると、赤ちゃんの苦痛がさらに大きくなってしまいます。水分をしっかり摂って脱水しないようにすることは大切ですが、無理に与えないようにしてください。

一度にたくさん飲むことができなくても、少しずつ水分が摂れるようであれば、こまめに水分を口に含むよう促してみましょう。それでも水分が摂れなくなっているときは、医師に相談してください。

また、部屋が乾燥していると、のどへの刺激を強くして症状を悪化させます。加湿器などを使用して、部屋の加湿をしっかりと行い、十分な安静と保温、栄養補給ができるように看病しましょう。

おわりに:赤ちゃんに急性咽頭炎の症状を見落とさないように気をつけよう

赤ちゃんが急性咽頭炎を発症するとき、ウイルスが原因の場合が多いです。ウイルス性の場合、安静にしていれば症状がおさまりますが、細菌性だった場合は重症化する恐れがあります。
どちらにしても症状に早く気づいて対処することが大切になってきますので、赤ちゃんにいつもと違った変化がないか注意深く見守り、気になる症状や変化があるときは早めに病院に相談しましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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