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オーソモレキュラー療法はチック症にどう影響するの?

2021年10月2日

チック症の特徴は?

チック症は発達障害の1つで、突発的で急速な、リズムなく繰り返されるパターン化した不随意運動です。
大きく以下の2種類に分けられます。 運動性チック

  • まばたき
  • 顔をしかめる
  • 口をゆがめる、尖らせる
  • 舌を突き出す
  • 首を左右に振る
  • 肩をびくっとさせる、すくめる
  • 腕を振る、まわす
  • 地団太を踏む
  • 跳びあがる など

音声チック

  • 咳払いをする
  • 鼻を鳴らす
  • 舌を鳴らす

一般的なチック症の治療法は?

重症のチック症では、向精神薬による薬物療法が行われます。
ハロペリドールやリスペリドンなどがよく用いられますが、飲めば必ず完治するというものではなく、あくまで「症状を軽くすること」が治療の目的です。

軽症の場合は、行動療法、カウンセリング、遊戯療法(遊びを用いて子供のこころの病気を治療する精神療法)などが取り入れられます。

治療を進めていくうえでは、以下のことが重要とされています。

  • 本人が症状にとらわれすぎないように周囲が配慮する
  • 全身運動の発散に関心を向けさせる
  • 何か興味を抱いて熱中できるもの(趣味的なもの)をもたせる

オーソモレキュラー療法では、チック症は治せない?

オーソモレキュラー療法は、「栄養療法」「分子栄養学」とも称されます。
血液検査をもとに適切な食事やサプリメント、点滴、糖質コントロール-を用いて、人間の身体を構成する約60兆個の細胞のはたらきを向上させ、様々な病気にアプローチしていく療法です。

  • チック症は、神経伝達物質ドーパミンに関連する薬剤の投与によって症状が軽減することがあることから、脳に原因がある可能性がある
  • 子供の脳がまだ発達段階であることから、脳に栄養素が不足している可能性がある
  • チック症には成長痛のような夜間の下肢の痛みが頻繁にみられることから、重大な栄養障害と関係している可能性がある

という推測をもとに、カルシウムやタンパク質(アミノ酸)の不足、鉄や亜鉛、ビタミンA・ビタミンB群などの複合的な栄養障害が起こっていると仮定して血液検査を行い、その結果をもとに、サプリメントや点滴などを使ってチック症にアプローチしていきます。

ただし、オーソモレキュラー療法の効果は完全に立証されたわけではありません。担当医の相談のもと、あくまでも補完治療の一環として取り入れることをおすすめします。

オーソモレキュラー療法のリスク

オーソモレキュラー療法は厳しい食事制限が必要であり、特定の食材の過剰摂取をすることもあります。このため、栄養バランスの極端な偏りによって健康に害をもたらす可能性が指摘されていて、とくに成長期の子供では注意が必要です。

また、定期的な検査などで正しい健康管理を行わないまま治療を続ける施設もあり、施設によっては知らず知らずのうちに非常に危険な治療を続けているということも少なくありません。

オーソモレキュラー療法を行うには信頼できる施設を選び、健康上のリスクを十分に理解した上で治療を受けるかどうか決めるようにしましょう。

おわりに:オーソモレキュラー療法は、担当医の許可のもとで補完的に取り入れよう

従来のチック症の治療法としては薬物療法が知られますが、完治に直結する薬剤は今のところないとされています。オーソモレキュラー療法は、1人1人の血液検査をもとに、不足している栄養素を補う治療法であり、実際に導入している医療機関がもあります。

あくまでも補完療法の一環として取り入れることを前提にして、担当医と相談しながら自分に適した治療法を選択しましょう。

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