子育て
子供の腹痛、原因は何? どんなふうに対処してあげればよい?
2021年7月1日
子供の腹痛にはどんな特徴がある?
子供の腹痛には、大人とは異なる特徴があります。まず、症状の進行が速く、急性虫垂炎(盲腸)など緊急を要する病気の場合は特に注意が必要です。腸重積や鼠径(そけい)ヘルニアといった病気も進行が速いので注意する必要があります。
また、年齢によって痛みの訴え方が違うことにも気を配りましょう。言葉の話すことができない年齢では、泣くことでしか表現できませんが、言葉が話せるようになった2~3歳頃でも、胸の痛みを腹痛と勘違いしてしまうこともあります。
学童期に入ると言葉で説明することができるようになりますが、わざとオーバーな表現を使ったり軽く伝えることもあります。これらは子供ならではの特徴です。子供が腹痛と訴えたからといって、必ずしもお腹が痛いとは限らないということも理解しておきましょう。
子供の腹痛、原因として考えられる病気は?
子供の腹痛の原因で一番多いのは便秘です。腹痛を感じているようであれば、うんちが最後にいつ出たのか必ず聞いておきましょう。また、感染性の胃腸炎も多く見られます。下痢や嘔吐を伴うことが多く、保育園や幼稚園、学校で流行っているときは、特に注意してください。
その他、体には問題がないのにお腹が痛くなってしまうという「心因性の腹痛」もあります。これは検査をしても問題はないのに腹痛を感じてしまう状態です。子供は感受性が強く、大人が思っている以上にストレスを抱えこんでいるケースが少なくありません。学校でトラブルなどを抱えている場合は平日になると痛みを感じるようになり、土日や夏休みなどの長期休暇になると痛みが出にくいというのが特徴になります。
子供の腹痛、どう対処してあげればよい?
便秘による腹痛を感じている場合、お腹を触るとコロコロと便がたまっているのが分かります。浣腸をしてあげると、すっきりして痛みがなくなります。
感染性の胃腸炎は、症状が急激にあらわれるため驚いてしまうかもしれません。ウイルスや細菌など、原因となっている微生物が体内から出れば自然と回復しますので慌てないことが大切です。脱水症状を起こさないように水分をあげることにも気を配る必要がありますが、一度にたくさんあげてしまうとお腹が受け付けないこともあるので少量ずつ与えるようにしてください。
心因性の場合、腹痛の裏に病気が隠れていないのかを検査したうえで、ゆっくりと休ませることが必要です。親が焦ることなく、ゆったりと構えて子供の気持ちに寄り添ってあげ、必要な場合はカウンセリングを受けましょう。
病院へ行ったほうがよいのはどんなとき?
子供がお腹が痛いと訴えているときは、自宅で様子を見ていいのか、病院に連れて行った方がいいのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。子供の腹痛の中でも、急性虫垂炎と腸重積は命に関わる病気です。半日から一日ほどの間に重症化してしまうこともあるので、痛みが強くなるなど、どんどん悪化している場合はすぐに病院へ連れて行くようにしましょう。
最初は、胃の不快感や微熱、吐き気など、風邪のような症状であっても、次第に症状が重くなっていったときは病院での検査が必要です。本人が大丈夫だと言っても、我慢している可能性もるので、いつもと違うと感じたら早目に病院へつれていくようにしましょう。
おわりに:子供の腹痛は年齢によって症状の訴え方が違う。いつもと違う変化に気づけるようにコミュニケーションをとろう
子供の腹痛の原因は様々なものがあり、症状の出方にも違いがあります。また、子供の年齢によっても症状の訴え方が変わってくるので、サインを見逃さないように普段から密なコミュニケーションをとるようにしましょう。また、軽い症状から始まった腹痛が次第に悪くなっているときには注意が必要です。急性虫垂炎や腸重積などの重篤な病気が隠れている可能性もあるので、いつもと違う腹痛と感じたときは、速やかに病院を受診してください。