子育て
子供の喘息(ぜんそく)アレルギーが原因? ~ 喘息の原因や治療と対策②
2021年2月24日
喘息の症状を管理するには?
ほとんどの人は、階段を上ったり早歩きをしたりするのに苦労することはありません。
しかし、気管支喘息(以下、喘息)のある人は、これらの活動を簡単にできない場合があります。
喘息には完治を促す治療法は現時点では知られていませんが、適切な治療によって症状を抑えて日常生活を喘息ではない方と同様に過ごし、呼吸が楽にできるようにできます。
喘息は、肺に影響を及ぼす一般的・長期的な疾患であり、小児期・成人期の双方に発症する可能性があります。
適切なケアができないと喘息の症状は深刻になり、命を落とす可能性さえあります。しかし、しっかり日々の治療を継続することでほとんどの喘息患者は症状をコントロールできるようになります。
喘息のしくみは?
喘息の主な症状には、喘鳴(呼吸時に笛を吹くような音がする)、息切れ、夜間や早朝に咳が悪化する、胸の締め付けなどがあります。これらの症状は、炎症で気道(肺の空気を出し入れする管・気管や気管支)が狭くなることで起こります。喘鳴症状が激しくなると、喘息発作と呼ばれる症状に発展します。
喘息患者の気道(気管や気管支)は炎症を起こしやすく、炎症を起こした気道は膨らんで狭くなります。また、気道は呼吸で入ってくる特定の物質にとても過敏に反応します。これらの物質を「トリガー」と呼びます。
喘息のトリガーは炎症を悪化させるだけでなく、気管支の平滑筋が緊張・痙攣を起こす原因にもなるため、空気の通り道がさらに狭くなってしまい、より呼吸がしづらくなってしまう可能性があります。
トリガーの影響で気道の細胞が余分な粘液(粘着性のある濃厚な液体)を産生してしまい、気道をさらに狭くすることもあります。
一般的な喘息のトリガーとして、タバコの煙、大気汚染、カビ、ハウスダストのダニ、毛が多い動物のふけなどがあります。その他、天候の変化、運動、ストレス、および風邪のような呼吸器感染症もトリガーとして挙げられます。
子供の喘息の検査や治療の内容
就学前の子供には、風邪などが原因で頻繁に喘鳴がある人もいますが、この場合は慢性的な喘息に発展することはあまりありません。
しかし、3歳の時に喘鳴が始まって、その後も症状が続く子供については、アレルギーにもなりやすいといわれています。
いつ、どのくらいの頻度で症状が起こったかを医師に伝え、より詳しい喘息の検査をしてもらいましょう。
肺活量測定検査(スパイロメトリー)
息を吸ったあとに肺活量計のチューブに息を吐き出す検査を肺活量測定検査といいます。この検査は、どれくらいの量の空気を吐き出すことができるか、また、どのくらいのスピードで吐き出せるかを測定します。ただし、幼い子供にとっては検査のための動作が難しいので、他の検査の結果を診断材料にすることもあります。
ピークフローメーター
喘息患者にとって、ピークフローメーターと呼ばれる手のひらサイズの装置が喘息の管理に役立ちます。
肺がどのくらい強く息を吐き出すことができるかを測定するために、ピークフローメーターに息を吹き込みます。息の量が正常値よりも低いと表示された場合は、喘息の治療を調整することになります。
子供の喘息の薬
喘息の管理には、発作治療薬と長期管理薬の2種類の薬を使います。短時間に作用する気管支拡張剤吸入器などの発作治療薬は、気道の筋肉をリラックスさせて数分以内に呼吸しやすくするために使われます。
運動が喘息のトリガーの場合は、運動や激しい活動の5〜15分前にこの薬を服用することで運動によって誘発される発作を抑えることが期待できます。
長期管理薬(吸入ステロイドなど)は、症状を抑えて、喘息発作を予防するのに役立ちます。毎日服用すると、炎症を軽減して、症状が出ることを抑えやすくなります。
吸入薬と吸入器
幼い子供で、吸入薬を服用することに問題がある場合は、吸入を補助するマスクやほかの道具があります。中にはネブライザー(霧状の薬を噴霧する持ち歩きやすい器械)を処方される子供もいます。
おわりに:子供の喘息はコントロールできる
子供が喘息を患っている場合は、トリガーを特定し、それを避けるようにしましょう。喘息の症状を監視し、定期的に処方薬を服用してください。
そうすることで、症状を抑えることができるようになります。