子育て
夏に向けて気を付けたい、子供の感染症にはどんなものがある?
2020年6月15日
夏に向けて気を付けたい子供の感染症①:咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭結膜熱(プール熱)とは、アデノウイルスが原因の感染症です。主にプールの水を介してヒトからヒトへ感染が拡大することが多く、6月末ころから夏季にかけて流行します。
咽頭結膜熱(プール熱)
潜伏期間
2〜14日
症状
咽頭炎(のどの痛み)、結膜炎(目の充血)、39℃前後の熱が数日〜1週間続く、頭痛、食欲不振、目やに、涙が多い、まぶしさを感じやすくなる
治療法
特効薬はありません。痛みの症状には鎮痛薬、結膜炎には抗生剤やステロイド点眼薬、強い目のかゆみには抗ヒスタミン薬やステロイド点眼薬が処方される場合があります。
対処法
のどに痛みがあるので、刺激の強い飲食物は控えましょう。のどごしのいい麦茶や牛乳、ぬるめのスープ、ぬるめのおじや、豆腐、ゼリーやプリンなどがおすすめです。
消毒剤
アデノウイルスはノンエンベロープウイルスで、アルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が高いといわれています。しかし最近はノンエンベロープウイルスに有効とされる酸性アルコール消毒剤が開発されています。
夏から気を付けたい子供の感染症②:手足口病
手足口病はウイルス性の感染症で、エンテロウイルスとコクサッキーウイルスが原因で発症します。夏季に流行し、7月にピークを迎えます。手足口病は複数の種類を持つため、何度も発症する可能性があるのが特徴です。ただし患者のほとんどが小児で、患者数の80%を5歳児が占めています。ただ、まれに大人も感染します。
手足口病
潜伏期間
3〜6日
症状
水疱生の湿疹(口の中の粘膜、手のひら、足の裏、足の甲など)、1〜3日の発熱、口内炎など
治療法
特効薬はありません。水疱はかさぶたにならずに治る場合がほとんどです。1〜2カ月後に手足の爪がはがれることがありますが、丁寧に対処すると新しい爪が生えてきます。口内炎に鎮痛薬や粘膜保護剤などが処方されることがあります。エンテロウイルスはまれに脳炎を伴い重症化するおそれがあり、注意が必要です。
対処法
口内炎がひどい場合、飲食がつらくなって脱水症状に陥るおそれがあります。また、刺激の強い飲食物は控えましょう。のどごしのいい麦茶や牛乳、ぬるめのスープ、ぬるめのおじや、豆腐、ゼリーやプリンなどがおすすめです。
消毒剤
エンテロウイルスとコクサッキーウイルスはノンエンベロープウイルスで、アルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が高いといわれています。しかし最近はノンエンベロープウイルスに有効とされる酸性アルコール消毒剤が開発されています。
夏に向けて気を付けたい子供の感染症③:RSウイルス感染症
RSウイルスによる呼吸器の感染症です。感染と発症を何度も繰り返すのが特徴です。生後1歳までの乳幼児の半数以上、2歳までにはほぼ100%が感染するといわれています。感染力は非常に強く、保育園や幼稚園などでの施設内感染に注意が必要です。9月から初春までが主な流行時期と考えられていましたが、近年は夏季から流行が始まるとみられています。
RSウイルス感染症
潜伏期間
2〜8日
症状
発熱、鼻水が数日続くがほとんどは軽症。ひどい咳や「ゼーゼー、ヒューヒュー」とした喘鳴を伴う呼吸困難があらわれたら細気管支炎や肺炎を引き起こすおそれがある
治療法
有効な抗ウイルス剤がないため、対症治療が基本です。呼吸器系の症状が悪化した場合は酸素投与、点滴、呼吸管理が行われます。
夏特有の感染症を予防するには?
感染症の予防は、感染経路がどこかを理解して対処することがポイントです。
咽頭結膜熱(プール熱)
咳やくしゃみなどによる飛沫感染、共用タオルや手指を介する接触感染で感染します。塩素消毒が不十分なプールでも感染が起こります。
手足口病
咳やくしゃみなどによる飛沫感染、唾液や鼻水がついたおもちゃや手指の接触による接触感染が主な感染経路です。 症状が回復したあとも、1〜2週間は呼吸器からウイルスが排出されます。また、2〜4週間は便からもウイルスが排泄されるため、おむつの交換時は注意しましょう。
RSウイルス感染症
RSウイルスに感染している人のくしゃみや咳、唾液を介する飛沫感染に注意してください。ドアノブなど生活環境で接触する場所の消毒や手洗いも徹底しましょう。鼻や口などの粘膜や傷口などから感染する接触感染にも注意が必要です。
徹底したい対処法
外出後や外出先での手洗いと共用部分の消毒で感染を防ぎましょう。マスクで咳やくしゃみから防御し、飛沫感染を防ぐことも大切です。
おわりに:感染しやすい子供のウイルス予防は早めに行い習慣化しましょう
小さな子供は大人より免疫力や体力が低く、保育園や幼稚園からウイルスをもらってくることが多くなります。手洗いは有効な予防法ですが、子供はつい忘れがちです。手洗いなど予防法を徹底することが大切なので、流行時期より早めに予防法を習慣化しましょう。