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赤ちゃんのカンジダ カンジダ皮膚炎と鵞口瘡。どうすれば治る?

2020年1月17日

赤ちゃんはカンジダ皮膚炎が多い!?その原因は?

カンジダ菌は、通常ほとんどの人に存在する真菌です。普段はカンジダ菌が存在しても炎症を起こすことはありませんが、抵抗力の弱い赤ちゃんの皮膚はカンジダ菌に感染しやすく、炎症を起こしやすいとされています。
赤ちゃんがカンジダに感染する原因は以下のようなものが考えられます。

・ステロイド薬を外用することで起こる局所的な免疫機能の低下
・オムツを着用することにより皮膚が常に湿っている状態
・多汗や清潔でない状態

赤ちゃんのカンジダ皮膚炎はうつる?

カンジダ皮膚炎は人にうつる可能性があり、カンジダは腸管内や皮膚など全身のいたるところに感染しますが、お母さんやお父さんが赤ちゃんのお世話をしてときにうつることが多いです。また、カンジダは二次感染も引き起こし、お母さんやお父さんの手や指についたカンジダを兄弟が触って感染することもあります。
ですから、皮膚カンジダの症状がある赤ちゃんのおむつ替えをするときには、使い捨ての手袋を使用したり、お世話の後には必ず手を洗うようにしましょう。

おむつかぶれと間違うことも。おしりのただれには注意!

赤ちゃんがカンジダ皮膚炎を発症した場合、以下のような症状があらわれます。

・股から臀部の皮膚が赤くただれる
・患部の皮膚の周辺の皮がフチの方から剥ける
・ただれた部分の周辺に赤いブツブツがたくさん発生する
・臀部から腰部にかけてあせものような細かくザラついた発疹があらわれジクジクする

おしりや股に発症することが多く、おむつかぶれと間違いやすいので注意が必要です。

赤ちゃんのカンジダ皮膚炎の治療で薬は使えるの?

カンジダ皮膚炎は、一般的に抗真菌薬を使用することで改善されます。医師の指示に従って塗布するようにしてください。
ただし、オムツかぶれに使用するステロイド剤をカンジダの患部に塗布してしまうと、炎症が悪化する恐れがあるため注意が必要です。

セルフケア

患部を清潔に保ち、乾燥させておくこともカンジダ皮膚炎をケアするために重要です。炎症が起こっている部分には、よく泡立てた石鹸を使用して優しく洗ってください。その後、清潔なタオルを使用し、患部を軽くポンポンとたたくようにし、しっかりと乾燥したことが確認できたら、薬を塗布してオムツを着用させてあげましょう。
また、下痢をしている場合は、オムツを替える度にぬるめのお湯で洗い流しましょう。

再発を防ぐためにできることは?

赤ちゃんのカンジダ皮膚炎は、抗真菌薬の塗布で簡単に改善します。しかし、おしりが清潔でない状態や、湿っている状態になれば、再発することも多いといわれています。再発を予防するためには常に清潔にして患部を乾燥させておくことを心がけましょう。

赤ちゃんの口腔カンジダ「鵞口瘡(がこうそう)」とは

鵞口瘡とは、カンジダが口の中に感染して、舌や口腔粘膜に白い苔のような塊ができるものです。痛みなどの症状はないことが多いですが、中には不機嫌になり、哺乳量が少なくなる赤ちゃんもいます。

出産時にお母さんの産道がカンジダに感染していて、そこを通った時に感染する場合もありますが、多くは乳首や哺乳瓶の口、おもちゃなどから感染します。
また、抗生物質の投与が原因となることもあります。カンジダは誰にでも存在するカビの一種であり、通常は体内の常在菌によって症状が抑えられた状態となっています。しかし抗生物質を投与すると、常在菌が減少してカンジダが活発に活動するようになり、様々な症状が現れてくるのです。

治療と予防

鵞口瘡はほとんどの場合、2週間前後で自然と治ります。特に症状がない場合は治療の必要はないでしょう。
しかし、機嫌が悪かったり、哺乳量が少なくなったりしたときには小児科や皮膚科を受診しましょう。赤ちゃんは自分で症状を訴えることができないため、これらの症状は、口の中にできたカンジダの塊に強い不快感があることや、痛みを伴っていることのサインかもしれません。

鵞口瘡の治療には、カンジダに効果がある塗り薬を使用します。平均的には1週間ほどでよくなるといわれていますが、塗り薬が効かない場合には抗真菌薬の飲み薬が使用されることもあります。

鵞口瘡の予防には、乳頭や哺乳瓶の口、おもちゃ、タオルなど、赤ちゃんが口に入れるものを清潔に保つことが重要です。母乳育児で鵞口瘡を繰り返す場合には、お母さんの乳首にも一週間程度塗り薬を塗ってみることをおすすめします。
また、体の他の部分に皮膚カンジダがある場合には、患部を触った手を口に入れることで再発や悪化が見られることもありますので、皮膚カンジダはしっかり治療するようにしましょう。

おわりに:悪化を防ぐためにも、カンジダかも・・・という症状がみられたら、すぐに病院へ

オムツかぶれと似た症状を持つカンジダ皮膚炎ですが、カンジダの場合は、しわの深い部分まで炎症やただれが発生します。オムツかぶれの薬はカンジダ皮膚炎には逆効果となるため注意が必要です。自己判断せず早めに病院を受診して適切な治療を行うようにしましょう。また、赤ちゃんは口腔カンジダ(鵞口瘡)になることもあります。鵞口瘡はカンジダ皮膚炎と併発することがあるため、おむつかぶれとおもって薬を使用すると症状が悪化することがあります。口の中の異常とおむつかぶれが併発したときは、必ず医師に相談しましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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