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赤ちゃんにとって鉄分が欠かせないのはどうして?

2019年12月23日

赤ちゃんの鉄分摂取が大事な理由は?

生まれてから最初の1年で体重が約3倍、身長が約1.5倍にまで急激に成長する赤ちゃんは、その過程で大量の鉄分を消費します。赤ちゃんは生後間もなくから半年くらいまでの間、体内に蓄えられている母体由来の鉄分と、母乳や食事から摂取する鉄分で急速な成長に必要な量をまかなっています。

しかし生後9カ月以降になると、体内に蓄えておいた母体由来の鉄分は消費され、鉄分摂取を食事のみに頼るかたちになってきます。体の発育が著しい生後9カ月から2歳くらいまでの間に鉄分が不足すると、体の発育に悪影響が出たり、鉄不足の症状に悩まされるようになります。月齢に合った赤ちゃんの心身の成長を促すため、また健康な状態で毎日を過ごさせてあげるためには、積極的な鉄分摂取が欠かせないのです。

赤ちゃんの鉄分不足が続くとみられる症状は?

生後9か月以降、2歳くらいまでの発育期の赤ちゃんに鉄分が不足すると、以下のような症状を引き起こします。

鉄不足で赤ちゃんに現れる諸症状

  • 言葉の理解がなかなか進まないなど、脳や精神状態の発達の遅れ
  • 身長がなかなか伸びない、体重が増えないなど身体的発達の遅れ
  • 爪が反りかえってスプーン状になるスプーンネイルなど、貧血の症状

また鉄分不足の状態が3カ月以上続くと鉄欠乏性貧血になり、上記のような症状とともに、注意力散漫やちょっとした刺激でも疲れて泣いてしまうようになります。

赤ちゃんの鉄分補給、どんなことをすればいい?

離乳食を食べ始めているなら、体内の母体由来の鉄分が尽きてくる生後9カ月以降を目安に、以下のような鉄分豊富な食材を意識的に離乳食に取り入れてください。

赤ちゃんに必要な、鉄分豊富な食品

レバー、赤みの肉や魚、大豆食品、ひじき・のりなどの海藻類、小松菜、ホウレン草

離乳食を食べてくれない、またはミルクを飲んでいる段階であれば、鉄分を多く含む飲料「フォローアップミルク」をうまく利用しましょう。母乳や離乳食と一緒にフォローアップミルクを飲ませることで、赤ちゃんに不足している鉄分をある程度補えます。

また、お母さんが積極的に食事やサプリメントから鉄分を摂り、母乳に含まれる鉄分量を増やす努力をするのもおすすめです。無理のない範囲で、母子両方の健康を保てるよう積極的に鉄分を摂取していきましょう。ただし、上記の対策を取っても赤ちゃんの栄養状態や貧血症状が改善しない場合は、小児科の医師に相談してください。

おわりに:赤ちゃんの心身の成長に、大量の鉄分は不可欠!

生まれ持った母体由来の鉄分を消費し、なお急速に成長する生後9カ月から2歳くらいまでの赤ちゃんは、鉄分不足になりやすい状態です。鉄分は骨や筋肉、血管の成長や、大きくなった体に血を行き渡らせるのに欠かせません。このため、発育期であるこの時期に鉄分が不足すると、赤ちゃんの脳や体の発達に悪影響が及ぶ可能性もあります。フォローアップミルクや離乳食で積極的に鉄分を摂り、鉄不足を予防していきましょう。

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