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赤ちゃんの呼吸が乱れたり、止まったりするときの対処法は?

2019年11月18日

赤ちゃんは口呼吸できないって本当?

生まれたばかりの赤ちゃんは、基本的にはお母さんの母乳を飲みながら生きていくようになっています。ということは、母乳を飲んでいる間、ずっと息を止めているわけにいきませんから、母乳を飲みながら息をしなくてはなりません。そのため、ほとんど鼻呼吸だけを行っていて、口呼吸はまだ上手くできないのです。

ですから、赤ちゃんは鼻が詰まると呼吸ができにくくなってしまい、非常に苦しくなってしまいます。しかし、穴が小さいのに分泌物が多いため、詰まりやすい状態でもあります。鼻詰まりにならないよう、よく注意して観察しておきましょう。

この時期の赤ちゃんにとって怖い病気の1つに、RSウイルス感染症という病気があります。重症化すると気管支炎や肺炎などを引き起こすウイルスとしてよく知られていますが、とくに初期症状で発熱とともに鼻水が非常に多く出るため、赤ちゃんにとっては非常に呼吸がしづらくなってしまいます。

鼻水が固まりやすい冬場に感染した場合は、さらに息苦しさが増してしまいます。呼吸数(だいたい1分間に40回〜50回程度の腹式呼吸)はもちろん、息苦しさから母乳やミルクを飲む量が減っていないか、深く息ができているか注意しましょう。

赤ちゃんの呼吸が乱れているのは大丈夫?

一般的に、生後まもない赤ちゃんはまだ肺呼吸のリズムやパターンが未成熟です。とくに、未熟児で生まれたり、呼吸器系に未熟なところがあったりする赤ちゃんの場合は、よく睡眠中に呼吸が不規則になることがあります。このように、赤ちゃんの呼吸が多少乱れても、すぐに元に戻り、目を覚ますこともないようならとくに心配はいりません。

しかし、呼吸器に何らかの問題がある場合、まだ生まれて間もない赤ちゃんでも、ある程度成長した子どもと同じように、呼吸が荒くなったり、早くなったりすることがあります。すると、身体も肺も小さな赤ちゃんの方がより早く息切れしてしまい、肺や心臓の疾患があって呼吸を早めなくてはならない場合、苦しい思いをしてしまいます

前章で軽く触れたように、赤ちゃんの1分間の呼吸数は40回程度、泣いた後で50回程度がだいたいの平均です。ですから、1分間に60回を超える呼吸をしている場合、小さな赤ちゃんでは早すぎるとされています。このような呼吸は「多呼吸」と呼ばれ、呼吸困難の1つのサインです。

呼吸困難のサインとして、他にも「呼吸のたびに肋骨の間や下の部分がぺこぺこと凹む(陥没呼吸)」「息を吐いたときに呻くような声が出る(呻吟)」「息を吸うときに鼻を広げ、一生懸命に酸素を取り込もうとしている(鼻翼呼吸)」などがあります。これらの症状が出た場合、喘息重積発作や細気管支炎、クループなどの疾患である可能性もありますので、すぐに小児科の医師に連絡しましょう。

赤ちゃんの呼吸が一瞬止まることはある?

赤ちゃんを含む人間において、呼吸は基本的には規則的に行われるのですが、健康であってもさまざまな理由で遅れたり速まったり、数秒間止まる「無呼吸」状態になることもあります。ですから、ごく一瞬止まってしまうだけですぐに通常の呼吸に戻り、息苦しそうな気配や、顔色が悪くなるようなことがなければ、あまり心配しなくても構いません

しかし、10秒を超えて20秒ほど無呼吸の時間が続く場合は「無呼吸発作」と呼ばれていて、とくに呼吸機能が十分に発達していない、生まれてすぐの赤ちゃんの場合では、乳幼児突然死症候群のリスクにもつながることがあります。20秒程度続く無呼吸発作が起こると、酸素不足になって心臓の拍動がゆっくり(徐脈)になり、そのままでは脳に十分な酸素が供給されなかったり、最悪の場合心臓が停止してしまったりすることがあります。

酸素不足が起こると「チアノーゼ」という状態になり、顔色が悪くなったり、唇が紫色に見えたりします。ですから、無呼吸だった時間が20秒以内であっても、このような症状が見られたときにはすぐに医療機関を受診しましょう。

このような無呼吸発作は、感染症・代謝異常・脳内出血などさまざまな原因によって起こります。赤ちゃんに多い無呼吸発作は2つあり、1つは「中枢性の無呼吸発作」と呼ばれるもので、脳の呼吸中枢の働きが未熟なために起こるものです。これは、低出生体重児、早産で生まれた未熟児など、呼吸機能を司る神経が未熟な赤ちゃんに起こりやすい無呼吸発作です。

もう1つは「末梢性の無呼吸発作」と呼ばれ、鼻や喉、気管などに何らかの問題が起こって息ができなくなるものです。大人の場合は、加齢などで睡眠中に舌が喉の奥へ落ち込んでしまって気道が狭くなったり、肥満で喉や気管が圧迫され、空気が十分に入ってこなかったり、といったときに起こる「睡眠時無呼吸症候群」がよく知られています。

赤ちゃんや子どもの場合は、アデノイドという鼻の一番奥の部分にあるリンパ組織が肥大して鼻や気管が狭くなって末梢性の無呼吸発作を引き起こすことがあります。

おわりに:赤ちゃんの呼吸の乱れや停止、ごく短い間なら問題ありません

赤ちゃんは、生まれたばかりではお母さんから母乳をもらって生きるようにできています。つまり、母乳を飲みながら呼吸をするため、基本的には鼻呼吸で、口呼吸はうまくできません。

また、呼吸機能が未成熟な赤ちゃんにとって、ごく短い呼吸の乱れや停止はよくあることです。しかし、無呼吸発作と呼ばれる症状の場合は、酸素不足から重篤な状態になることもあります。呼吸困難の症状が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

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