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子供の喘息(小児喘息)はどうやって治す?発作を防ぐには?

2019年9月24日

子供の喘息(小児喘息)の治療は?

子供の喘息の治療方法は、基本的に大人と同じです。ほとんどの場合、気管支拡張剤や吸入ステロイド剤を使って治療します。治療薬は、子供も大人と同じです。薬の量や種類は、喘息の重症度によって決まります。

発作が滅多に起こらない場合や、症状が軽い場合、気管支拡張剤だけを用いることが多いかもしれません。一方、週に2回以上の発作があるなど、症状が重い場合は気道の慢性的な炎症を抑えて発作を未然に阻止するため、吸入ステロイド剤を毎日使うことになると思います。

吸入ステロイド剤の副作用は?

「ステロイド」と聞くと、副作用が心配になるかもしれません。喘息の治療で使う吸入ステロイド剤は1回あたりの使用量がとても少なく(1/1000ミリグラム)、吸入してもすぐに肝臓で分解されるため、副作用はほとんどありません。日ごろから炎症をコントロールして、発作を起こさないようにするためにも、毎日吸入することが大切です。

吸入したら、必ず水でうがいをして、口の中に残った成分を洗い流してください。そのままにしておくと、口腔カンジダ症を発症する恐れがあります。

子供の喘息(小児喘息)のコントロールは?

子供の喘息の症状を抑え、日常生活を問題なく過ごせるようになるために、発作をコントロールすることが大切です。

ただ、子供が吸引器を使用するとき、呼吸が浅かったり、息が切れたりして、うまく薬の成分を吸い込めないことがあります。

話が理解できる年頃になったら、吸引器を使う前にリラックスし、スペーサーからゆっくりと息を吸い込み、息を鼻から吐き出す間も口をスペーサーにつけたままにするように伝えましょう。

そして、その状態で、もう一度息を吸い込むように教えてあげてください。それができれば、4~5回の吸引で必要な薬の成分を全て吸引できるようになります。

喘息の発作、対策はある?

喘息の発作がいつ起こるかを予測することはできません。しかし、喘息のきっかけになるもの避けることができれば、発作を防ぐことができます。以下に、子供の喘息の発症を抑える方法をご紹介します。

対策①:イエダニを避ける

イエダニは、人間の肌や髪をエサにする小さな虫で、喘息の引き金として最も有名なものです。ベッドやじゅうたん、布張りの家具やぬいぐるみに生息していることが多いと言われています。イエダニを退治するために、マットレスや家具は蒸気で、服やぬいぐるみ、寝具は55℃以上の高温のお湯で洗いましょう。

対策②:ペットとの接触を控える

喘息患者のうち、少なくとも30%が動物アレルギーを持っていると言われています。しかし、原因はペットの毛ではありません。動物のふけや唾液、尿、羽に含まれるタンパク質も引き金となります。もし、ペットを飼っているようでしたら、ペットと触れ合う時間をできるだけ短くしましょう。

対策③:標準体重を維持する

2012年の研究で、肥満体型の子供は喘息を発症する可能性が高いことがわかりました。肥満が喘息発作の唯一のリスクではありませんが、肥満によって喘息のリスクが上がる可能性があることは示唆されています。

子供の喘息予防④:ストレスを最小限に抑える

ストレスが強いと喘息を患っている可能性が高くなります。約69%の喘息患者が、ストレスを喘息の引き金だと考えているようです。

ストレスによって「闘争・逃走」反応が起こり、アドレナリンやコルチゾールといったホルモンが増え、炎症が起こったり、呼吸が速くなったりします。これにより、胸の締め付けや咳といった喘息の症状を引き起こすリスクが高くなるのです。

子供の喘息予防⑤:タバコのけむり

子供自身がタバコを吸わなくても、周りにタバコを吸っている人がいると、副流煙を浴びてしまうため、喘息発作を引き起こす可能性があります。

子供の喘息が大人になってぶり返すことも

気管支喘息(以下、喘息)を持つ子供のうち約80%が、5歳以前に発症していると言われています。男の子の方が喘息を発症しやすいと言われており、アレルギー体質だったり、家族にアレルギー体質の人がいる場合に発症しやすいようです。

子供の喘息の症状が軽い場合、10代のうちに症状が緩和します。しかし、決して喘息が「完治した」と思わないことが大切です。というのも、このうち30%は大人になってから喘息を再発するからです。

おわりに:子供の喘息は薬物療法で治そう

子供の喘息はステロイド吸入薬を使った薬物療法が中心となります。ステロイドと聞くと副作用が心配になるかもしれませんが、喘息の治療で使うステロイドの量はごくわずかなものです。吸入によって発作を抑えることができますので、医師の指示どおりに使いましょう。

また、発作が起こらないように予防することも大切です。喘息発作のきっかけになる要因に近づけないよう、親がしっかり気を配りましょう。

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