子育て
子供が気管支炎に感染するのはどんなとき? 予防はできるの?
2019年9月24日
子供の気管支炎の特徴とは?
空気の通り道は気管から無数に枝分かれして肺に至りますが、その枝分かれした無数の細い管が気管支です。気管支の粘膜に、ウイルスや細菌が感染して炎症を起こすことを気管支炎といいます。
子供の場合、とくに乳幼児の細い気管支が炎症を起こすとますます細くなるため、空気があまり入ってこず、ヒーヒーと息苦しそうな呼吸をするようになります。
中でも喘息を持っている子供は、気管支炎がきっかけで喘息の発作が出ることが多いため、十分に注意してあげたいものです。
気管支に炎症を起こす原因となるウイルスとして、風邪を引き起こすウイルスやインフルエンザウイルス、RSウイルスなどが挙げられます。また、マイコプラズマや百日咳菌などの細菌感染でも気管支炎を引き起こす場合もあり、インフルエンザ菌、肺炎球菌などの細菌が二次感染すると肺炎になることもあるため注意が必要です。
子供の気管支炎では、どんな症状が現れる?
子供の気管支炎は、インフルエンザやRSウイルスなどによる風邪の症状に続いて発生することが多く、風邪による炎症が気管支の粘膜にまで広がることで発症します。
主に激しい咳と痰、発熱といった症状が出ますが、乳幼児では「ヒーヒー」という呼吸をする喘息性気管支炎に進むことが多いです。これは気管支喘息と間違えやすいため注意が必要です。
子供がかかりやすい気管支炎は、急性気管支炎です。これは1歳未満の乳児に発生しやすく、主にRSウイルスの感染が原因です。喘鳴が現れ、唇や顔まで紫色になるチアノーゼを起こすことがあります。
また、細気管支炎も2歳未満(とくに生後6ヵ月未満)の乳児がかかりやすい気管支炎です。こちらも呼吸困難や激しい咳を引き起こします。肺に炎症が拡大することがあるため、呼吸器疾患を抱える乳児に対しては注意してください。
その他、咳が悪化した場合は呼吸困難に陥ることが多いため、呼吸が速くなったり、肩であえぐように息をしているなどの変化を見逃さないようにしましょう。
子供の気管支炎の治療方法は?
気管支炎のウイルスそのものに効果を発揮する薬や治療法はありません。そのため、咳や痰を取り除く薬や熱を下げるための薬、気管支を拡張して呼吸をしやすくする薬など、基本的に対症療法で対応します。
また、気管支炎の原因がウイルスではなく細菌であると考える場合は、抗菌薬が処方されます。
気管支炎用の薬がないということは、自宅でいかに看病するかが大事になります。室温に注意するとともに、室内が乾燥しないように加湿器などを使いましょう。
脱水症状を起こさないためにも、痰を出しやすくするためにも、こまめな水分補給が大事です。ただし、一度にたくさん与えると吐いてしまうこともありますので注意しましょう。
気管支炎は、悪化すると肺炎になってしまう恐れがあります。万全の体勢でケアしてください。
子供の気管支炎はどうすれば予防できる?
気管支炎は、風邪やインフルエンザから続いて発症することが多いため、基本的には風邪やインフルエンザの予防法と同じと考えてかまいません。
まず、風邪をひかないように気をつけましょう。外にいくときはマスクをし、帰ってきたら、うがい、手洗いをしてください。
手が洗えないときは、除菌効果のあるウエットティッシュで拭いてあげてもいいでしょう。さらに、免疫力を落とさないために、十分な睡眠と栄養バランスの良い食事をとる工夫も必要です。
インフルエンザに関しては 流行前に予防接種を受けて感染を防ぎましょう。
気管支炎は他人にうつるの?
気管支炎は細菌やウイルスに感染し、気管支に炎症が波及することで発症します。このため、気管支炎の原因となった細菌やウイルスが他者に感染したからと言って、感染した人すべてが気管支炎を発症するわけではありません。
しかし、子供は免疫力が低く、何らかの細菌やウイルスに感染すると重症化する傾向にあります。子供はなるべく気管支炎の人に近づけないようにし、子供自身が気管支炎を発症している時はマスクをして周囲への感染を予防する、人ごみに出ないなどの配慮をしましょう。
おわりに:子供が風邪を引かないよう、普段から予防を心がけよう
「子供に風邪をひかさないようにすることが大切」とはいうものの、そもそも子供はまだ免疫力が弱く、幼稚園や保育園など集団の中にいることが多いため、風邪をひきやすい環境にいます。普段から予防を心がけ、注意を怠らないようにしましょう。